【読書録】たった一人の熱狂 仕事と人生に効く51の言葉(双葉社 見城徹)

どういう経緯で誰から薦められたのか覚えていませんが、こちらの書籍をお薦めされたので読みました。

見城徹さんが好きな人のためのファンブックです。
書籍を作ってる会社の偉い人ってくらいの認識しかなかったので「なんなんだ…この暑苦しい人は…。」と引きながら、最初から最後まで読みました。

さすが、編集畑の人!
本の帯まで読まされてしまいました。


成るべくしてなった影の立役者が見城徹さん

自身を物語の主人公のように伝えるのがうますぎますが、おそらく、何者かに成りたかったけれども成れなかった人なのかもしれません。強い信念はあっても表舞台で堂々と自己表現をする雰囲気ではなく、性根は内向的で控え目な方なのかもしれません。
それを裏付けるコンプレックスなどの話があったと思うのですが、何だったか忘れました。

人に対してシャイな一面があるかと思いきや、書籍の執筆となると著者に対して執着心の強い人です。
書籍化をしてもっと多くの人達に知ってもらいたい方が居る場合には、相手から明確な拒絶をされない限りは、ずっと口説き続けるしつこさがあります。執筆が始まれば途中で全く飽きもせずに著者と関わって、相変わらずの暑苦しさと責任をもって編集者として勤めます。

しかも、ちゃんと書籍が売れるのだから、凄い!
ただでさえも娯楽で溢れかえてっている世の中で、こういう本なんて売れるか分からないのにね…。

私にこの本を薦めた方は見城さんの熱量に影響を受けて、ファンですらない私にまで書籍を最後まで読まさせたっていうのは、今まで編集者として相当な積み重ねがあってこその結果なんでしょうね。
人を動かせる文章を書けるって凄いことです。

表現者には成れなかったけど、経験してきた悔しさなどが原動力となって、著者をしっかりとサポートするような編集者としてマッチした感があります。

不向きなことを辞める理由がとても都合がいい

大事を成し遂げる人の自伝本や日常の記録を読むとありがちなことなのですが、自身に向いていないことに対して辞める理由が非常に都合がいいです。特に「諦めた」って言葉を使わないところが、ほんっとうに都合の良いヤツだなって思いました。

筋肉トレーニングの話でオーバーワークをしただけなのに「天の啓示と思って辞めた。」と書いています(笑)
自身で立てたトレーニングメニューが現状の筋力・体力では不適切だとか、他人からこのトレーニングをやれって言われたけどうまくいかなかったとか、自身でも他人のせいでもないように表現するのは本当にうまいと思いました。

歴史上の偉人に関しても天や神という曖昧なもののせいにするし、牧師や僧侶などの宗教的な役職、占いや呪い師などの啓示を示す人のお告げを理由に何かと辞めがちです。
これって威厳を保つことができて、便利な言い回しですよね。もしかしたら、我が人生に一片の失敗なしと言い切ることもできそうです。
話をそらしたので、元に戻しますね。

他人のせいにしないってことは、他人の物差しで物事の実行を決めないってことで、自分の価値を自分で決めることができるようになることなのかな、と思います。
やりたいことややることだけを決めるのではなく、それを詳しく落とし込んで「ここまでやりきるぞ!」と自分で自分を評価できる基準を決めたら、とことんやりこみます。それが理想通りにできなかったとしても誰しも向き不向きはあるので、自分のせいにもしません。
そこで得た経験は無駄にはならないし、いつか何かしらの時に価値を発揮してくれることってありますからね。

この循環ができるようになると、自分の価値は自分で再定義をし続けられるから、なかなか物事を継続できない人は参考にしてみるといいと思いました。自分のせいや他人のせいにもせずに、不向きな事は都合のいい理由をつけて辞めてしまいましょう(笑)

勝負で大事なことは敗北の原因を理解すること

麻雀はビジネスと繋がりがあると書いており、疑似ビジネスに挑戦しているようなものらしく、麻雀には勝因は無く勝てない人は敗因しかないそうです。印象に残っているのは以下の2点です。

  • 大局を見誤らないよう退却をすることが勝つための技術でもありますが、良い態勢の時に勝負をしかける勝負勘も大事である。

  • 勝利の記憶にとらわれず、負けを知り受け入れることができなければ、長く一線に立ち続けることは難しい。

勝つことにこだわってしまうと原因探しをしなくなってしまうので、勝ちに拘らずにビジネスの世界と同じように競争をし続け、うまくいかなかった際は原因を見つけて、次の良い機会を狙って戦い続けましょう…という意味なのかと感じました。

仕事以外の場でも常に競争の渦中にいると意識付けることは、改めて大事なことだと思わされました。
私は病気が理由で仕事を辞めて年単位で無職を続けているため、まずは生活ができる程度の健康を毎日維持することを目標にしていました。しかし、現状維持というのは無いのですね。私がのほほんと生活をしている間、周囲は勉強して仕事で昇格や昇給して上を目指し、ライフイベントの発生などで前に進んでいる訳です。
その人達と私を比較したら、私は劣っているのです。穏やかな生活を続けているのではなく、イベントの無いロールプレイングゲームを何年間もやっているわけですからね。
今は特に痛さを感じなくても、人生を振り返るべき時の年齢がきた際に「何て酷い生き方をしてきてしまったんだ…。」と大ダメージを受けてしまいそうです。何もないって無味無臭の劇薬ですね。

勝負事は優劣が明確で比較をし続けなければならなく辛いことが多いですが、そう見えてしまうのは勝ちに拘っているからかもしれません。負けを知ることで得られる学びに楽しさや喜びを見いだせれば、仮に一戦ごとの勝負に負けたとしても長い目で見れば勝ちなのかもしれません。

前は身体を思った通りに自由に動かせので社外問わず、マラソンなどのスポーツイベントやウォークラリーに参加したりしていましたが、今はそういう勝負事を全くしない生活になっていることに気づきました。身体を動かさずにできる勝敗のつくゲームの趣味を持つことにします。

ひとまず初めてオセロをやってみまして、SNSで知り合った方とオンライン対戦をしました。2回戦とも負けました(笑)2回とも後半で一気に挽回される展開で負けたので、恐らく同じミスをしているのでしょう。
オセロについて検索してみたら、ルールはシンプルな割に意外にも奥が深いのです。これだけでそこそこ厚めの書籍が販売されてました。楽しめそうな趣味の1つになりそうです。

まとめ

ガツガツしていそうなのに意外にも堅実であったり、ポジティブな思考な人なのかと思ったらネガティブな経験や感情を大切にしていて、それを原動力にしているところが印象深かったです。
この手の成功者って一見は1つのことを熱心に続けられるように見えますが、向いていないことに関してはやっぱり都合がいい理由でやめがちです。
勝負事の話しかり、うまくいかない要因は自身にあって自己責任論をよく話すのも特徴としてありますが、不得意に関しては本当に都合が良く、自分を主人公のように見立てて書くのが心底うまいと思いました。
さすが編集畑の人!文章を書くことに関して長けています。

SNSを使ってお金を得るにはどのようにしたらよいか考えて試してみることが今は特に面白いと感じているので、ストーリーテリングを勉強してみる良い機会と思いました。
おすすめのストーリーテリングの書籍などがありましたら教えてください!

以上、見城徹さんを知らない人がファンブックを読んだ感想でした。

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