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身体活動・運動の目標はどんな感じ?

前回の記事では、「21世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本21(第三次))」について触れました、その上で、臨床でリハビリテーションに関わるだけでなく、地域の方々の健康に関わる理学療法士が注目している「個人の行動と健康状態の改善」について述べました。

そこで今回は「個人の行動と健康状態の改善」の中でも理学療法士として関心のある「身体活動・運動」の目標設定について、国がどのように考えているかについてお伝えします。


「身体活動・運動」の何を見る?

「身体活動」とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する全ての動きを、「運動」とは、身体活動のうち、スポーツやフィットネスなどの健康・体力の維持・増進を目的として計画的・意図的に行われるものを指しています。

身体活動・運動量を増加させ、健康増進につなげていくために
① 日常生活における歩数の増加
② 運動習慣者の増加
③ 運動やスポーツを習慣的に行っていないこどもの減少
を重視しています。

理学療法士視点で気になる① 日常生活における歩数の増加② 運動習慣者の増加についての目標について触れます。

歩数についてはスマホでも簡単に測定できます。医療機関ではスマホを使用していない方に歩数計を患者さんに貸し出して歩数を測定することもあります。

日常生活における歩数の増加の目標は?

これまでの研究において、歩数と疾病罹患率あるいは死亡率との間に明確な負の関係があることが確認されています。歩数は身体の移動を伴うような比較的活発な身体活動の客観的な指標であり、「歩数の増加」は、健康寿命延伸や社会生活機能の維持・増進につながる直接的かつ効果的な方策です。

「日常生活における歩数」は、過去10年間で全ての世代において、男性、女性ともに横ばいから減少傾向にあります。これらを踏まえ、「日常生活における歩数の増加」を目標値は7,100 歩(20~64歳:男性8,000歩、女性8,000歩 65 歳以上:男性6,000歩、女性6,000歩)です。

運動習慣者の増加の目標は?

「運動」は「余暇身体活動」とも呼ばれ、これまでに数多くの研究が報告されている報告されています。運動習慣を有する者は、運動習慣のない者に比べて、生活習慣病生活習慣病発症や死亡のリス発症や死亡のリスクが低いことが報告されており、より多くの国民が運動習慣を持つことが重要であると言えます。

「運動習慣者の増加」はどのような目標設定がされているでしょうか?1回 30 分以上の運動を週2回 以上実施し 、1年以上継続している者の割合を
40%
(20 ~64 歳 :男性 30 %、女性 30%、65歳以上 :男性 50% 、女性50%)としています。

身長170㎝の場合、7100歩は何m?ウォーキングだったら何分?

身長から歩幅を算定する一般的な換算式は

歩幅(cm) = 身長(cm) × 0.415

実際の歩幅は、性別、年齢、体型、歩行スタイルなどによって異なります。
この換算式は、あくまで目安としての使用が適切です。

ちなみに身長が170cmの場合は

歩幅 = 170cm × 0.415 = 70.55cm≒70㎝となります。

日常生活の歩数の目安が7100歩ですから、身長170㎝の方がウォーキングをした場合には70㎝×7100歩=497,000㎝≒5㎞になりますね。

通常のウォーキングの時速は4~5kmですので、毎日5㎞くらいのウォーキングをしていれば、「個人の行動と健康状態の改善」の目標は達成できるので、私たち理学療法士はそういった指導や普及活動を行っていくことが求められることになります。

ウォーキング以外の運動は?

今回は、「21世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本21(第三次))」の基本的な方向、目標設定についてお伝えしました。

「運動」については、ウォーキングについて述べました。ウォーキング以外の運動については、健康づくりに関わる専門家(健康運動指導士、保健師、管理栄養士、医師等)、政策立案者(健康増進部門、まちづくり部門等)、職場管理者、その他健康・医療・介護分野における身体活動を支援する関係者等を対象者として、身体活動・運動に係る推奨事項や参考情報をまとめています。

次回はこちらについてお伝えしていきたいと思います。



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