自動車や公共交通機関に頼りすぎない地域づくりを移動手段から考える【前編】
私は理学療法士として、人の身体活動に関心を持っております。
リハビリテーション病院で仕事をしていると、退院後の患者さんの”移動”について考えさせられます。
これまで自動車を運転してこられた方の場合、「今回を機に免許を返納したら」と家族に言われる患者さんが多いような気がします。自転車を乗っていた方も同様で、「また転ぶと危ないから自転車は乗らないでね」と言われるようなことが多いです。
では公共交通機関を使えばよいかというと、本数が少なかったりなど利便性の課題があります。
「退院後の患者さんが地域に行く場所がない」という問題だけでなく、「移動手段がそもそもない」ということも問題です。
地域づくりにおいて、居場所づくりについては様々な取り組みが報告されていますが、移動手段に関する報告は少ないような気がします。そこで今回は地域における移動手段について意見を述べたいと思います。
電動車椅子体験で分かったこと
2023年9月9日に越谷市で開催された「第12回ななサポまつり」で電動車いすWHILLの体験会を行いました。
WHILLは「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとするWHILL株式会社が開発した電動車椅子です。この体験会で気づかされたのが、「私にはまだ早いから」という理由で体験を拒否される方が想像以上に多かったということ。
どんなにWHILLがスマートであったとしても、車椅子には乗りたくないという方は、地域には一定数いるということです。
公共交通機関がある?
電動車椅子には乗りたくなかったとしたら、公共交通機関を使えばいいかもしれません。私はこれまで、人口が多ければ公共交通機関は採算が取れると思っていたのですが、大切なのは人口ではありません。詳しくは木下斉さんのVoicyで。
ポイントとなるのは人口ではなく、人口密度です(有料放送の内容になりますので、詳しい数字はお伝え出来ませんが…)。皆さんのお住いの地域の人口密度はどれくらいですか?ChatGTPに聞いてみると簡単に答えてくれます。
タクシーがある?
確かにタクシーという手段はあるかもしれません。ただ、公共交通機関と比べると料金がかかります。また昨今で問題となっているのは、ドライバーの人手不足。
都合の良いタイミングでの外出はできないかもしれません。
ではどうする?
そこで提案したいのが”自転車”です。「転ぶと危ないから、自転車は乗らないでね」というのが家族の声でした。でも転びにくく、安全に乗りやすい自転車があったとしたら…。
先日、そんな自転車の視察、体験をしてきました。その模様を【後編】でお伝えしたいと思います。
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