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【事例紹介】トラブルが生じやすいイベントで初対面の方々に協力してもらうためのコツ(前編)

あなたは、来場者が数万人規模のイベントの責任者です。

限られたスペースで来場者の整理を行わなければなりません。しかもイベントの構造的な問題で、トラブルが発生しやすい状況があります。

イベントスタッフは当日初めて集められた100名。スタッフはイベント開始45分前に集合して、すぐに現場で動いてもらうというタイムスケジュール。

トラブルを回避するだけでなく、来場者とスタッフに楽しんでもらうためにはどうすればよいか?

抽象度を高めると、こんな体験をしてきました。出羽チューリップフェスタというイベントです。トラブルなくイベントを運営するだけでなく、参加者や協力者がともに笑顔になってしまうコツについて、コミュニティマネジメントの手法を交えて前編、後編で報告しますね。


出羽チューリップフェスタ

越谷市では出羽チューリップフェスタというイベントが開催されています。自治会や小中学校など、地域のみなさんが心をこめて育てたチューリップ6万本が集まって、巨大チューリップガーデンがつくられます。

モニュメント

チューリップフェスタ2024では、天候にも恵まれ、キッチンカー・模擬店や様々なアトラクションも大盛況。

キッチンカーもたくさん集まりました

水陸両用車も多くの方に体験していただきました。

約3万人くらいの方々にご来場いただきました。ありがとうございます。

6万本のチューリップはどうなる?

チューリップフェスタの最後には、チューリップの無料配布が行われます。チューリップが欲しい方は、気になるチューリップがあるエリアに並んでいただいて、好きなチューリップを一人一鉢(さらに欲しい場合には再度並んでいただく)持ち帰ることができるというルールを設けて配布をしています。

例えは適切ではないのですが、スーパーの特売コーナーに人が群がる。そんな状況をイメージしてもらうと、何もしなければどんなことが起こるか想像しやすいかもしれません。

登場人物紹介

このような背景で、今回の登場人物を紹介します。

①:チューリップ配布に協力してくれる地域の方々。
この方々はチューリップの育成にも関わってくれました。ご自身が大切に育てたチューリップを参加者にお渡しするというのが今回の役割です。例年関わってくださる方もいますし、今回初めて関わる方もいます。年齢層も30代から70代までバラバラです。様々な方々に多様な関わり方で協力をしていただきました。協力していただいた方は100名くらいで、私はほとんどの方と初対面でした。

②チューリップをもらいに来た方々。
お子さんとその保護者、高齢の方々。近隣の方々だけでなく遠方からいらっしゃる方もいます。例年の期間中の来場者が約5万人弱です。どれくらいの方が集まるかわかりません。一人一鉢というルールを守ってくれる方もいますが、ルールを守らない方もいます。

③私、配布担当責任者。
今年初めて、配布責任者に任命されました。ちなみに①、②の方々とも、ほぼほぼ、「初めまして」の状況です。

想定されるトラブル

・一人一鉢のルールを守ってもらえない
・列にきちんと並ばない

②の方々の中でこのルールを守ってもらえない方がいた場合、①の方々が注意をするとトラブルに繋がる可能性がありますよね。①の方々にすれば、大切に育てたチューリップをルールを守らずに持っていかれるとすれば、注意にも熱が入るのは当然です。

一方で、ルールを守らない②の方々を黙認し続けると、「ルールは守らなくってもいいんだ~」という雰囲気になってしまいます。この状態になってしまうと収拾がつかなくなってしまいます。

このトラブル回避に、例年頭を悩ましておりました。

配布までの流れ

配布するチューリップは自治会、小中学校ごとのエリアにまとまっています。14時から各エリアでチューリップの無料配布を行うのですが、②の方々は各エリアに並んでいただき、一人一鉢というルールで気に入ったチューリップを持って帰ってもらいます。一鉢以上のチューリップが欲しい場合には再度並んでもらいます。

多くの方々が配布には並びます。①の中には初めて配布協力をしてくださる方もいます。②の方々もルールを守らない、ルールを知らない方もいます。配布までの流れをしっかりと準備しないと大変なことになります。

そこで、配布担当責任者である③の私が、13時15分に①の地域の方々に集まっていただき、配布時の方法を伝えました。

配布まであと45分。配布時の方法を伝える場で、私は何を伝えたか。ここからがトラブル回避の第1歩が始まります。

続きは後編で。


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