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劣化油と体内の話(3) 消化の基本、小腸

劣化油の話の前に食べ物の消化分解の理解を深めています。
前回から1カ月ほど経ってしまいました。中々書き進められておりませんでしたが、こちらも再開していきたいと思います。

脂質は十二指腸で消化分解されることがわかった前回。今回はさらにその先の空腸と回腸のお話です。

小腸について

僕らがよく耳にする小腸とは、胃の次にある十二指腸から大腸手前までの空腸と回腸の3つの腸を総称したものです。

ざっとした形。

小腸

イラストは短く描いていますが、実際は3つの腸を合わせて約6m~7mの長さがあると言われています。

空腸と回腸との境は明確には設けられておらず、大腸に進むにつれ、細く薄くなっていき、血管分布もすくなくなっていくそうです。

小腸の役割

小腸の役割は食べ物の消化と分解物の吸収。

分解物は最終的にモノグリセリド、脂肪酸、アミノ酸、ブドウ糖などになり、体に取り込まれていくんですね。

脂質の分解イメージ

モノグリセリドとは
脂質はグリセリン(上図でいう水色の逆字Eのような形のもの)と脂肪酸の化合物です。そのグリセリンに対して3つの脂肪酸がつながっており、これをトリグリセリドと呼び、1つだけのものをモノグリセリドと呼びます。

(モノ、トリはギリシャ語で1、3です)

タンパク質の分解イメージ
糖質の分解イメージ

このシリーズは油を追っていますので、脂質について詳しくみていきたいと思います。

脂質の最終分解はモノグリセリドと脂肪酸。
グリセリドと脂肪酸については1回目に書いております。

空腸・回腸で起こること

では、この中に入ってきた食べものは一体どうなるのでしょうか。

まず、十二指腸で胆汁によって乳化された脂質は膵液すいえきによって分解されます。これは2回目に書きました。

分解された脂質は脂肪酸を一つつけたままのモノグリセリドや脂肪酸に分解されます。この分解物はミセルという親水性の非常に小さい分子に取り込まれ空腸、回腸にて吸収されていきます。

空腸・回腸内には微小の吸収機構が絨毯のように無数に存在しており(これを腸絨毛ちょうじゅうもうと呼ぶ)そこが吸収箇所となります。

腸絨毛

分解されたモノグリセリドと脂肪酸はこの後血液によって肝臓などに運ばれていきます。

脂質には短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸といくつか種類があって、その種類によっても運ばれる場所が変わってきます。

この辺りを書くとまた長くなってしまいますので今回はこの辺りで。

次回予告

というわけで次回はこの脂質の吸収について書いていきたいと思います。


***

ここまで読んでいただきありがとうございます。


2022.07.27追記
こちらのシリーズ、休載することといたしました。


【参考文献】

農林水産省
油脂

コトバンク
小腸

公益財団法人日本食肉消費総合センター
脂肪はどのように消化・吸収される?

中外製薬
小腸

J-STAGE
菅野 道廣(九州大学農学部)
脂質の消化




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