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歴史を辿る「インターネットとメタバース(1)」 モールス信号から通信プロトコルの乱立へ

昨今よく名前を聞くようになったブロックチェーンやNFT、Web3.0、メタバースといった言葉がありますが、いったいこれらは何なのでしょうか?


今を学ぶには歴史を辿る。歴史を振り返りながらこれらの技術が生まれた経緯を紐解いていきたいと思います。


歴史を知ることは今を知ること。そして未来を知ること。


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今では無くてはならない存在となったインターネット。このおかげで今書いている文章も誰かの目にとまるようになりました。


便利な時代になりましたが、元を辿るといったいいつから文字は電子化されるようになったのでしょうか?


この疑問を追っていくと19世紀後半に発明されたモールス信号にたどり着きます。短点(・)と長点(-)の組み合わせで文字・数字・記号を符号化し電子信号化して送信する技術ですね。

上記写真のような電鍵と言われる装置を使って符号を送信します。
ツーツツーツーツー。

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何でもモールス信号変換

「あなたがすきです」


を変換してみました。


今ではこんな変換もサクッとできてしまう時代ですが、当時の人々からすれば文字情報を電子信号化して送れるだけでも画期的な発明だったことでしょう。


さらに時代は進み、1940年代に誕生したコンピューターによって通信技術も劇的に変化していきます。人の手を介して行っていた通信がコンピューターに置き換わるようになりました。


1960年代に入るとアメリカ国防総省の高等研究計画局ARPA(Advanced Research Projects Agency)が故障に強いネットワーク構築を始めることになります。


それが分散型ネットワーク「パケット通信」です。


通信には1対1で回線を占有できる「回線交換」いわゆる電話のような考え方もありますが、回線交換は一度回線が途切れると通信も遮断されてしまう欠点があります。


あなたがすきです。わたしとつきあってください!

とテキストを送っても、回線が遮断されたら相手に届く文字は途中で切れてしまいます。

あなた

これは困る…。


相手も返事を送るには回線の繋ぎ直しが必要です。その返事が万が一「意味不明」なんてものだったならば、しばらく立ち直れなさそうです。


これも困る…。


途中の回線がダメになっても別の回線に迂回することでパケットを目的地に到達させる仕組みがパケット通信の強みであり、さらに同時に複数人が同じ回線を使えることも画期的な通信手段となりました。


このおかげで複数人から同タイミングでラブレターを送ることも可能となりました。


モテモテだ…


ARPAにちなんで名付けられたARPANET(アーパネット)、これが世界初のパケット通信ネットワークの始まりと言われています。


世界初とはいってもまだまだワールドワイドの展開ではなく一部地域間でのネットワーク形成であり、その時代がしばらく続きます。


アメリカ以外にもフランスのCYCLADESなども含め、パケット通信の開発が行われるようになり、1970年代から80年代になると通信プロトコル(通信仕様)が乱立していきます。それぞれの用途に応じてさまざまな通信プロトコルが作られていくんですね。


例えば

・広域通信網ではX.25
・大型機ではSNA (Systems Network Architecture)
・ミニコンピュータではDECNet
・パソコンではIPX/SPXNetBIOS/NetBEUI、 AppleTalkなど

インターネットを支えるTCP/IPの誕生から普及まで - JPNIC


それぞれの通信仕様が異なりますから、相互連携が取れないんですね。


こういった技術仕様の乱立は技術が加速度的に成長していくようになった近代で見られる現象です。国際標準化が活発になった20世紀には通信の世界も例外なく規格統一が図られていきます。その方が便利ですしね。


そこで登場したのがTCP/IPプロトコルでした。


今回はここまで。


次回はこの話の続きやもう一つのインターネットの基盤ともなるwwwなどの話も書いていきたいと思います。




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Top画像:ストックフォト


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参考文献


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