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鳳岩の壁の先には360度の絶景が!〜乾徳山〜

岩好きならきっと好きなはず!
少し前までは「怖そうだなあ」という気持ちが勝っていたが、八ヶ岳の赤岳〜横岳縦走でちょっと自信がつき挑戦しようと決めた。
山のグレーディングによると、体力度は3、技術度C。
選んだ山は山梨県山梨市の乾徳山だ。

乾徳山は奥秩父山塊に属し、日本二百名山に数えられている標高2031mの山だ。
調べてみると乾徳山は鎌倉〜室町時代にかけての臨済宗の禅僧・作庭家・漢詩人・歌人である夢窓疎石が座禅修行をしたという。山麓には夢窓疎石が開いた恵林寺があり、乾徳山が恵林寺の乾=北西の方角で徳和村にあることから乾徳山と名がついたそうで、山の名前はわかりやすいなと思った。

乾徳山の魅力はなんといっても岩。筑波山のように名前のついた奇石や岩がたくさんある。
アスレチックのようにハシゴや鎖場も豊富で、中でも最後の砦といわれる鳳岩はほぼ垂直の”岩”というより”壁”でスリル満点!
中腹からのぞめる絶景、草原とみどころ満載で人気があるのがよくわかる。


ルート

11月下旬。
起点となるのは乾徳山登山口バス停。その近くに15台ほど駐められる無料の徳和駐車場がある。
地図をみると他にも駐車場がありそうなのだが、調べても情報がみつからなかったので、基本的にはこの駐車場だけなのかなと思った。
トイレも近くにあるので安心だ。
私は4つのルートからどれにするかを決めた。

①乾徳山登山口→国師ヶ原の十字路を月見岩方面に向かい、乾徳山をめざし帰りは同じピストンコース
②乾徳山登山口→国師ヶ原の十字路を月見岩方面に向かい、乾徳山をめざし帰りは周回して国師ヶ原経由で戻るコース
③乾徳山登山口→国師ヶ原の十字路を月見岩方面に向かい、乾徳山をめざし帰りは周回して国師ヶ原から道満山を経由して戻る八の字コース
④乾徳山登山口(道満尾根)→道満山を経由し月見岩から乾徳山をめざし、帰りは周回して国師ヶ原経由でコース

4つのルート
(国師ヶ原の十字路は地図上高原ヒュッテの下あたり。緑の線と交わるところが分岐点)

ピストンにしようかと思っていたが、周回をお勧めする記事を発見し、③か④で迷った。
③は累積標高が1300mを越すので日帰りだと私にはちょっと厳しいかなあと思い、今回は④のコースを選択した。

選んだルート

アクセス

電車の場合は、塩山駅か山梨市駅からバスが出ており、いずれも「西沢渓谷入口行」に乗り「乾徳山登山口バス停」まで30分ほどで着くようだ。
塩山駅からは山梨交通バス、山梨市駅からは山梨市民バスが運行しているが、山梨交通バスは期間運行なので注意が必要。

電車だと10時ごろの到着になってしまう。コースタイムが6時間半とあり8時にはのぼりはじめたいので、いつものように車を選択した。

グレーディングもそこそこ高い岩山なので、やはりひとりでは心配と友人を誘って今回もふたりでの山行となった。
6時前、東京から乾徳山に向けて出発。
ふたりで朝からしゃべり倒し、予定通り2時間ほどで徳和駐車場に到着した。
平日だったせいか思った以上に空いていた。

徳和駐車場入口
徳和駐車場

のぼり開始!

トイレを済ませて8時過ぎに登山口へ向かい出発。
私たちは周回コースを選んだので、最初は道満山を経由する道満尾根の登山口の方へ向かう。

駐車場を出て右側の通り沿いに分岐の案内がでている。
私たちは右の道満尾根の方へ向かった。
私たちが選んだルート4以外はすべて左側の登山口からのぼる。
左の登山口は私たちの下山口になる。

アスファルトの道を10分ほど進むと鹿などの野生動物が出てこないよう設置された柵があり、そのすぐ先に登山口がある。

登山口まではアスファルトの道を進む
写真は柵の中に入ってからパシャリ
道満尾根の登山口

最初は暗めの細い道をひたすらのぼる。最初からゆるやかではなく、がっつりのぼる。

樹林帯の中は暗め

30分ほどのぼると少し道がひらけたが、相変わらず樹林帯をひたすらのぼる。登山口から1時間ほどで道満山に到着。そこで最初の休憩を取った。

道満山
特に眺望はない

道満山までは降り積もった落ち葉で道は埋め尽くされ、まるで新雪のようにさくさくしていた。
でも岩がみえず滑りそうになったり、注意しながらのぼる必要があった。

落ち葉が新雪のように降り積もっていた

道満山からは少しゆるいかなと思ったらすぐのぼり始め、やはりひたすらのぼっている印象が強い。

ちょっとだけゆるいのぼり

もうひとつのルートからの合流が2ヶ所あり、最初の合流あたりから岩が険しくなった。

合流地点あたりは迂回と直登とあるようでちょっと道に迷いそうになった
分岐あたりからがっつり岩が出てくる

最初の合流を過ぎるとようやく眺めがいいところにでた。
2時間ほどのぼり続けてきたので、この絶景は嬉しかった。

木々の間から富士山!!
空気が澄んでいてくっきり見渡せる

2つ目の合流地点に月見岩がある。(小屋沢の頭)
ひらけていて眺望は最高。もうここがてっぺんでいいんじゃない?と思うほど素晴らしい眺めだった。

月見岩
やっぱり雪をかぶった富士山は美しい!!
南アルプスまでくっきりみえた!

月見岩ではじめて人と出逢った。人がいるとふたりであってもやはり安心する。月見岩で2度目の休憩をとった。

さて、いよいよ岩のぼりの核心に入る。

普通の道も岩だらけ

鎖やハシゴがでてきてテンションも上昇!

鎖をみると嬉しくなってしまう私、、、

髭剃岩の手前で似た感じの細い岩場があり、すっかり髭剃岩と勘違いして通り抜けるもどうも様子がおかしい。思ったより広いし距離も短いし、通りぬけた先に見える景色はイメージと違ったし。。
するとその先にちゃんと看板を発見!!
「あった〜!!そうそう、これこれ」と、再び通りぬけて絶景に酔いしれる。
しかし、そんな愉しい時間はその後自分たちの首を絞めることに。。

持ってきていたヘルメットの装着タイミングがわからず、髭剃岩でヘルメットを装着した。

髭剃岩
友人が通るシルエットがカッコいい!

髭剃岩を少し進むとなかなか高度感のある岩場に遭遇。
だからこそみえる景色も圧巻で足が止まりペースはさらにダウンしていく。

岩場から絶景を撮る友人
ハシゴのくだりは苦手

そしていよいよ岩のぼりのワクワクゾーン、カミナリ岩に到着。

岩には看板があるのでわかりやすい
カミナリ岩のぼり始め(友人撮影)
なかなかの垂直感
グイグイのぼる私(友人撮影)
のぼってくる友人
雷岩の上から見おろすとなかなかの高度感

カミナリ岩はたくさんの人がのぼっているせいか、ツルツルしていたが、足をかけたりつかむ箇所もしっかりあるので、のぼりやすかった。

カミナリ岩の先も岩の連続!

胎内
狭い岩の通路になっていた。通れるみたいだけれどここはみるだけで先へと進む
その後も岩のぼりはつづき

カミナリ岩をのぼって15分ほど進むといよいよクライマックス鳳岩の登場だ!

いよいよ待望の鳳岩!

目の前に立ちはだかる壁をのぼる。

まずは友人が挑む
鎖の繋ぎが切れるまでは待機

私ののぼる様子は上から動画で撮ってもらった。
実際にのぼってみると、慎重にのぼれば下からみるほどの恐怖感はなかった。むしろ、すっごく愉しかった!

上でのぼり終えるのを待っててくださった方がするすると降りていく

のぼりきると目の前には待望のてっぺんが!!

乾徳山てっぺん

誰もいない貸切のてっぺん!!

てっぺんからの景色は富士山はもちろん360度愉しめる絶景だ。
この日は雲ひとつなく、最高の眺めだった。

やはりてっぺんからの富士山は格別!
てっぺんはこんな感じでゴツゴツしていて座ってごはんという感じではない
奥秩父方面かな。南アルプスももちろんバッチリ見えていた。
記念写真もパシャリ(友人撮影)

ゆっくりしたかったが、そう、途中の岩が愉しすぎて気がつけば1時間おし、、、急いで下山しないと暗くなってしまう。
てっぺんの先に座れそうなところがあると動画で予習していたので先へと進む。

短いわりにちょっと怖かったハシゴ(友人撮影)
水のタルってなんなのかがわからなかった
ちょっと先から乾徳山てっぺんを眺める

てっぺんから移動して多少座りやすい場所をみつけ、カップラーメンをかっくらう。お湯を沸かす時間もないので山用ボトルのお湯を使ったが、流石にちょっとぬるかった。アルデンテってところかな。
それでももりもりスープも全部いただきました。

下山へ

休憩もほどほどに一気に下山開始。
帰りはピッチをあげて!なんて話していたが、下山の道がまた険しい。
急な岩場をおりたあとは、急なガレ場が待っていた。慎重に慎重におりていく。とてもじゃないけれど急いでなんて無理だった。
そんなわけで下山は写真も撮らずにとにかくおりた。
急なガレ場は足への負担が大きく、だんだんと疲れもたまっていった。

1時間ちょっとで高原ヒュッテに到着。ようやく下山最初の休憩をとった。
しんどかった。高原ヒュッテまではとにかくきつい。
でもきついのはここまで。

天国のようなロード

しばらく天国のような道を歩きまた樹林帯に入るとくだりが始まるが、高原ヒュッテまでのルートからしたらとても楽だった。
高原ヒュッテから1時間ほどで乾徳山登山口に到着。時間は16時。

乾徳山登山口

この時期の16時はだいぶん日が落ちているのでギリギリの到着だった。
そこからゆるやかな林道を30分ほど降りて駐車場に到着。

つくづくふたりで良かった。

やはり日帰りできる私の限界は累積標高が1200~1300mだなと感じた。
これまでの日帰り山行では、この乾徳山が累積標高のトップだった。
そのわりには元気だったかな?
おりてしまうとそう思うけれど、のぼりもくだりもキツかった。

乾徳山は、アスレチックのようでとにかく愉しい!!
道満山のルートと、下山の周回ルートはちょっと道がワイルドでしんどい印象だったが両方体験できて良かったなあと思う。

時間配分がまだまだ素人だなあ。
今回は晴れていたからまだ明るかったけれど、曇りだったらもっと暗かったに違いない。
初心者はゆとりのさらにゆとりをもって計画せねば。
今年はあと何回のぼれるかなあ〜。


距離:10.7km
累積標高(のぼり/くだり):1259m/1268m
タイム:8時間(休憩1時間34分含む)



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