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想像よりもハードな山、八ヶ岳にハマる〜蓼科山〜

7月下旬の日曜日。
八ヶ岳はのぼりたい山がたくさんあって、前回は天狗岳にチャレンジしたが今回も八ヶ岳の山にチャレンジ!
蓼科山は八ヶ岳の最北端にあり、標高2530.7mの美しい円錐型をした山で”諏訪富士”とも呼ばれている。長野県の茅野市と北佐久郡立科町にまたがり、日本百名山の一座でもある。てっぺんは広大で360度の大パノラマを楽しむことができる。
今回はお天気にも恵まれそうなので張り切って出動!!


ー 蓼科山アクセス

蓼科山の登山口は
・七号目登山口
・大河原峠登山口
・蓼科山登山口
他にもいくつかあり、いろいろなサイトで調べたけれど蓼科山頂ヒュッテの登山口ルートとアクセスが一番わかりやすかった。

初心者には七号目登山口が、てっぺんまで一番距離も短いしオススメのようだったけれど、私は双子山を経由したかったので大河原峠の登山口を選んだ。大河原峠はバスのアクセスはなく今回も車で向かった。

この日もがんばって2時起き。夜に出発して車中泊という手もあると思うが、私は夜の運転より早起きのほうが得意なので2時起きを迷わず選択。
新宿方面から約3時間半かけ、6時40分大河原駐車場に到着。
駐車場までは蓼科スカイラインを通るので、舗装された道で運転はしやすかった。
大河原駐車場は50台ほど駐められるようだが、すでにほぼ満車だった。
さすが日曜。いったいみんな何時に起きているのだろう。車中泊なのだろうか。今度聞いてみたいな。

大河原峠の駐車場
トイレもある

ー 大河原峠からのルート

大河原峠からのモデルルートとして紹介されているのは、蓼科山をまずのぼり下山時に双子山を経由するルート(地図だと反時計回りのルート)なのだが、イラストをみてもわかるとおり蓼科山から双子山方面は急坂でくだりが不安な私はあえて逆のコースを選択した。
また朝のうちに双子山にのぼりたかったのと、お昼に蓼科山頂ヒュッテによるには標準ルートだとかなり待つことになりそうだったので、のぼりをがんばるルートにした。
ちなみにモデルルートの場合のコースタイムは6時間13分(YAMAP参照)。

大河原峠登山ルート
高低差の参考

ー 双子山へ

登山口は駐車場の中央あたりにある。

登山口にあった看板
登山口。左の双子池方面に向かう

朝日が低く、草木がキラキラと光っている。
最高に気持ちのよいスタートだ。

朝日を浴びた草木

駐車場が満車のわりに誰もいない笹の道。やはり反対側からみんな進んでいるのかなあ。
朝露で濡れた葉をガサゴソかきわけて進む。

笹の道

朝の美しい光に心をうばわれ、シャッターが止まらない。
7月なのにトンボがたくさん飛んでいる。なんだかここはもう秋?なんて浪漫的気分にひたっていると、目の前にでっかい黒い物体が出現!
「うわっ!蜂!」
猛ダッシュで15mくらい引き返す。
振り返っておそるおそる近づくと、ぶんぶんいいながらこっちを見据えている。怖くて近づけない。
「どうしよう、、、」
このまま引き返して反対側ルートをのぼるか?
いや、そうすると今日の計画が台無しだ。
とはいえ進む勇気もない。
さてどうする??
呆然と立ちすくんでいたら、二人組の登山者がやってきたので『神降臨!』とばかりにあとをくっついていった。
さっきの蜂に出逢うことなく”難所”を通りぬけられた。
「ありがとうございます」
それにしても私は虫に弱い。

蜂事件で足止めをくらったが、20分ほどで双子山に到着。

双子山てっぺん

双子山は聞いていた通り素晴らしい山。広くてどこまでも続いているよう。
登山口から20分でこんなにも素晴らしい風景に出逢えるなんて!!
山のぼりをしない人でも双子山なら気軽にのぼれるオススメのスポットだ。

これから進む道
北横岳(左)と蓼科山(右)の間から雲海がみえる

やはりこのルートで正解だ!
広がるてっぺんの草原にただただ見惚れ、もう満足しそうになったがまだスタートしたばかり。のんびりしすぎてもいられないので、先へと進む。

ー 蓼科山へ

双子山から30分ほどくだると双子池ヒュッテがみえてくる。
双子池は雄池と雌池のふたつがあり、雌池沿いの森の中には双子池キャンプ場もある。森の中なので隠れ家のようなキャンプ場だった。

双子池雌池

澄みきった小さな池は静かでピンとした空気を感じる。
双子池のキャンプ場をすぎてからは秘境のようなところをのぼっていく。
ピンクのリボンもあまりなく本当にここのぼるの?という道を、ちょっと不安を感じながらのぼった。

秘境をのぼる

双子池から40分ほどで亀甲池(きっこういけ)に到着。亀甲池までは悪路が多くとても歩きにくかった。
亀甲池とは『底の土が亀の甲模様のようである』ことからその名がついたそうだが、てっきり亀甲池に転がっている石が亀の甲みたいだからなのかと勘違いしていて、休憩をとったにも関わらず底の写真は撮っていなかった。
残念。
でも、誰もいなくてなんだか贅沢な気分。

亀甲池

亀甲池から先はゆるやかな笹の道を進む。かなり狭く笹の背も高いので服がびちょびちょになった。
笹の道の先には大きくそびえ立つ蓼科山がみえる。笹のグリーンと空の青がまぶしいコントラストを生みだしている。

笹の道と蓼科山

しばらくくだると天祥寺原に到着。この原っぱを過ぎたらいよいよ急登が始まる。

天祥寺原
天祥寺原からのぞむ蓼科山

少しぬかるんだ道からはじまる。

のぼりはじめはまだゆるやか

沢の道をでたり入ったりしながら進むようだが、石はだんだんと大きくなり手を使いながらひたすらのぼる。果てしなくつづく石の道。

石がゴロゴロ

写真を撮る余力もなくなり、ひたすらもはや岩をガシガシのぼっていたら、途中間違えてしまったようで行き止まりになる。
これはまずい。
道迷いの遭難が頭をよぎる。
おそらくどこかで沢の道をでなければならなかったと思うが、夢中になってのぼっていたのでどうやら過ぎてしまったらしい。
戻ろうかと思っていたら木の奥に人影を発見!
「間違えちゃったみたいなんです」
と叫ぶと待っていてくださって、ちゃんとしたルートの道に戻れた。
「これからてっぺんまでずっとこんな道ですよ」
と教えていただき救われた。ルートの道は狭い一本道だった。

狭い石の道をひたすらのぼる

わかってはいたがてっぺんまでの急登は本当にきつくて何度も心が折れそうになった。
天祥寺原を過ぎ急登をのぼること1時間10分。なんとか蓼科山荘に到着。
『ゴールといってくれ〜』と心の中で叫びながら、ザックをおろしてしばし休憩。

蓼科山荘
のぼりでは余裕がなく写真を撮れなかったのでこの写真は下山時に撮影したもの

蓼科山荘からてっぺんまでは、また恐ろしいほどの急登が待ちうけていた。
距離は短いもののまだ200mほど標高をあげねばならぬ。

さらなる岩の道
鎖もあったが危険箇所はなかった

息も絶え絶え30分ほどのぼると蓼科山頂ヒュッテが姿をあらわした。
「やった!やっとついた〜」
蓼科山頂ヒュッテからてっぺんは目の前。ゴロゴロした岩だらけの道を進むと、、、

てっぺんがみえた!
蓼科山てっぺん

360度パノラマの蓼科山てっぺんに到着!!噂には聞いていたけれど、想像以上にものすごく広い。しかも石や岩しかない。
せっかくだから全風景をみたいと思ったが、回るにはあまりにも広くておまけに岩だからスイスイとはいかない。
方位盤のある台座にのぼってみたが、方位盤がない。後から調べてみたら2015年に方位盤と台座をつなぐ部分の腐食によりはがれてしまったそうで、飛んでいくと危険なため蓼科山頂ヒュッテに保管されているそう。ただ、台座が高くなっていて見晴らしがさらによかったのでその場所で撮影した。

北横岳と縞枯山、八ヶ岳連峰(だと思う)
中央の湖は白樺湖(だと思う)

広いてっぺんの真ん中にひっそりたたずむ蓼科神社の奥宮。
無事にてっぺんにたどりつけたお礼をし、蓼科山頂ヒュッテに戻った。

蓼科神社奥宮
蓼科山頂ヒュッテ

蓼科山頂ヒュッテでは目的がふたつあった。
ひとつはカレーを食べること。彩り野菜カレーがおいしそうでカレーを頼むつもりでいったら、なんと山頂カレーの日というイベント?の日だったようでキーマカレーだった!野菜がたくさん添えられていて、とってもおいしかった。
もうひとつは手ぬぐい。蓼科山荘ヒュッテのwebサイトでオコジョの手ぬぐいをみつけてからほしくてほしくて。うす紫と紺色の手ぬぐいを購入した。

キーマカレーとオコジョの手ぬぐい

一度にふたつの願いを叶えられて、「あ〜、心折れそうになってもあきらめないでよかった」と心の底から思った。
大袈裟かもしれないけど、山にのぼると人生の縮図のように感情の縮図に出逢えるのも本当だ。
そんな幸せ満点でカレーをほおばっていたら、むかいに座られたお兄さんが話しかけてくれた。
お兄さんは昨日赤岳から横岳、硫黄岳を経由し蓼科山までやってきたと、ボロボロになった八ヶ岳の地図をみながら説明してくれた。膝が痛いっていってたけど、赤岳からきたってだけですごすぎる。
蓼科山だけでヒーヒーいっている私には考えられなかった。
山にいるといろんな方の山行を聞いては驚かされてばかりだ。
でもこういう会話は大好き。山での会話を求めて山にのぼるといいたいくらい。そんな楽しい会話に別れを告げ、いざ下山へ。

ー 下山へ

てっぺんは人が多かったけど、行きも帰りも人がいない。
このルートを選ぶ人は少ないのかなあ。
蓼科山荘までは同じルートなので、あの激のぼりを今度は激くだる。
やはりくだりはニガテだなあ。

最初の激くだり

蓼科山荘からしばらくはずっとゆるやかな道をいく。
途中、縞枯れ現象がたくさんみられた。なぜか縞枯れのあたりはトンボが多い。

縞枯れ現象付近

残り半分あたりから、のぼりほどではないがかなりくだる。

がれたくだり

ふとみるとふくらはぎにブヨが!!もうトラウマになっちゃうじゃないのー。
てっぺんから2時間ちょっと、大河原駐車場に戻ってきた。
駐車場にはブヨはいなかった。

選んだルートがそうなのか、暑さのせいなのか、まだまだ体力不足なのか、とにかく今回の山行はかなり疲労感があった。
それでも毎回新しい発見があり、新しい感動がある。
のぼりもくだりもきついのだけど、またいきたくなるのはそれ以上のものがあるからに他ならない。
だって、のぼらないとそれは得られないから。

蓼科山はてっぺんをぐるりとしたいので、今度のぼるときは七号目からのぼり余力を残しててっぺんにつきたい。さて七号目からで余力が残るのか?は置いておいて。
次の山候補は夏こそのぼりたい山!いついけるかなあ〜。


距離:9.7km
累積標高(のぼり) 842m





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