一年のはじまりはパワースポットとオシャレカフェではじめる〜南高尾セブンサミッツ〜
南高尾セブンサミッツをご存知だろうか。
高尾山といえば、標高差も危険箇所もあまりなく整備された道でのぼりやすい初心者向けの山だ。
しかし、奥高尾や南高尾の縦走コースは距離もあり健脚向きでなかなか侮れない。
昨年陣馬山から高尾山まで縦走する奥高尾縦走コースをのぼったが、ハードだったのを覚えている。
ー ルート
そして今回選んだのは京王線高尾山口駅から東高尾山稜、南高尾山稜、さらに、大垂水峠橋を渡り、一丁平、高尾山、薬王院を経て京王線高尾山口駅に戻ってくる周回ルートで、ルートの軌跡をたどるとハートの形にみえることから「ハートルート」と呼ばれているそう。
東高尾山稜から南高尾山稜のルートには草戸山(くさとやま)、榎窪山(えのくぼやま)、泰光寺山(たいこうじさん)、入沢山(いりさわやま)、中沢山(なかざわやま)、金毘羅山(こんぴらやま)、そして大洞山(おおぼらやま)の7座があり、総称して「南高尾セブンサミッツ」と呼ばれている。
なぜ高尾山を選んだのか。
1月上旬、新年の初山のぼりに高尾山を選んだのは「パワースポットだから」というのもあるが、実はソロ登山を始めたのがちょうど1年前の1月で、その時初めてソロでのぼったのがこの高尾山だった。
私にとっては記念すべき月、記念すべき山なのだ!
しかし、膝痛に襲われ下山はリフトを使うという残念な山行だった。
だからこそ、この山で今年を始めたい、そう思った。
ー のぼりスタート
6:25に京王線の高尾山口駅に到着。まだ暗くて寒かったのでダウンを羽織りのんびりスタート。
高尾山の登山口とは反対側の道を進んでいくと駅から5分ほどで登山口に到着する。
住宅街の脇を通ってのぼりスタート。
最初はまあまあしっかりのぼる。まだ日があけきらずあたりは薄暗い。
人もおらず静かだったが、サクサクという枯葉の踏み音が妙に心地よかった。
最初の四辻という分岐までは10分程度で到着。
するとちょうど太陽がのぼってくるタイミングだった。
なんという美しさ!
山のてっぺんからみる日の出も素晴らしいけれど、こうして木々の間から
のぼってくる日の出にはなかなか出逢えない。
そこにいらした方と一緒にしばし日の出を愉しんだ。
ー 東高尾山稜へ
四辻からは東高尾山陵に入っていく。道は細いが整備されているので歩きやすい。
四辻を過ぎてからは、ずっと朝日を浴びながら歩けたのでとても気持ちが良かった。
右側には高尾山が木々の間から垣間みえた。
のぼりはじめて30分ほどで暑くなり、ダウンを脱いだ。
特に分岐でなくても案内看板が至るところにあり、安心して歩ける。むしろ山頂標識かと間違えてしまいそうになる。
道は小さいアップダウンが多いが、歩きやすく危険箇所もない。
のぼりはじめて50分ほどで草戸峠に到着。
ひらけていてベンチもあり、北側には高尾山がみえた
そこから10分ほどで草戸山に到着。セブンサミッツ最初の山のてっぺんだ。
草戸山は町田市の最高峰で、標高364mにちなみ一年山として親しまれているそう。広い休憩スペースがあり、「遠くに筑波山がぼんやりみえる」と先にいらしていた方が教えてくださった。
草戸山を過ぎてからは階段が徐々に増える。
のぼり開始から2時間ほど、最初の草戸山からは1時間ほどで次なる山、榎窪山に到着。看板に小さく書いてあるだけなので見逃しやすい。
榎窪山は眺望はないが、ベンチなどはありここにくるまでもいたるところにあり休憩には困らない。
ー 南高尾山稜へ
榎窪山から少しくだると三沢峠に出る。この分岐から南高尾山陵に入る。
分岐は多く、途中まき道の案内も何度かあった。
今回はトレーニングを兼ねていたので、まき道は通らない!!
先へ進むと、名物になっている木彫りのフクロウを発見。
倒木をチェーンソーで彫ったそうで、生でみてすごい作品だと思った。フクロウはこれをみてどう思うのだろう。
フクロウのあたりにもたくさんのベンチがあった。遠くの山がみえるようなみえないような、そんな場所だった。
3つ目の山は泰光寺山。そこまでもたくさん階段はあったが泰光寺山の真下にある階段はなかなかヘビーだった。
すぐ隣に誘惑のまき道があるが、まき道に進むと泰光寺山のてっぺんを踏めないので注意が必要。
さらにしばらくいくと、今度は木彫りの龍がある場所につく。西山龍広場とあった。先ほどのフクロウといい、この龍といい、レベルが凄すぎる!!
龍の広場でこれまでに幾度か出逢った方に再び遭遇し、互いに龍とのツーショットを撮りあった。
龍の広場から10分ほどで左にさがったところに、見晴らしの良い休憩所がある。「語らいのベンチ」だ。
そこを真っ直ぐいくのがルートだが、右に上がるルートもありそこをのぼると4つ目の山、入沢山のてっぺんがある。
ここは看板もないので見逃しやすいから注意が必要。
セブンサミッツの中で唯一自然に近い(あまり整備されていない)登山道のように思えた。入沢山のてっぺんは見晴らしがよく高尾山方面がのぞめる。
天空のレストランと名がついたベンチとテーブルがあり、休憩にはベストだろう。
のぼり始めて2時間半ほど経っていたが、まだおなかも空いていなかったので少し風景を眺めてからすぐに出発した。
入沢山はのぼってきた道を戻り、先ほどの分岐をまっすぐ進む。
そして入沢山から15分ほどで見晴台に到着。
ここからの眺望は最高だった。富士山の頭がみえたし、丹沢の山々もみえる。このルートの中で私はここからの眺望に一番感動したかも。
そこから10分で5つ目の山、中沢山に到着。
観音様がいらした。何をみていらっしゃるのだろう。
南高尾山稜は次から次に休憩所やてっぺんにたどり着くので飽きない。
次も15分ほどで6つ目の山、コンピラ山に到着だ。
気がつくとのぼり始めて3時間半。ここでようやく昼食休憩。
実はコンピラ山に着く少し前からちょっと左膝に違和感を持っていた。
おなかも空きはじめたしきちんと休憩もとっていなかったので、ここはゆっくり休もうと思った。
念願だったガスバーナーを購入したのでお昼はカップラーメン。じっとしていると寒いので、温かい麺とスープはじんわり暖まる。
これまでもたくさんの休憩所があったが、そこにはリュック掛けが設置されていた。なんという配慮!ちょっと使ってみたらなかなか良い!頑丈だし、高さもちょうどいい!ありがたいなあ。
この辺りは地元のボランティアの方々によって整備されているそう。
本当にありがたいし感謝の気持ちで使わせていただきました。
そしてそこからあっという間に最後のピーク、大洞山に到着!!
セブンサミッツ踏破しました〜!!
ー 大垂水峠から高尾山へ
しかし、ここで終わりではなくまだまだ先は長い。
大洞山から大垂水峠まではちょっと珍しく激しい階段があった。右手に国道がみえる。
この橋が大垂水峠のようだが、国道の上の橋なので峠という感じがせず、他にあるのかちょっと探してしまったがどうやら間違いではなさそう。
のぼりはじめて4時間半でここまでやってきた。
私はハートルートを辿りたかったので、一丁平を経由し高尾山を終着点とすべく向かった。
膝がだんだん痛くなってきたが、歩けないほどではないのでゆっくりゆっくり休憩を挟みながら進んだ。
平日で朝早かったが、ここからは人とのすれ違いもこれまでの東と南高尾山稜に比べると多かった。
大垂水峠から45分ほどで一丁平に到着。
一丁平は眺望がとてもよく、きれいに整備された休憩所だ。ここでもゆっくり休息を取る。休憩している人も多かった。
この先は陣馬山からの縦走と同じルートだったので見覚えがあった。
高尾山近くなってからは、膝も痛いし疲れもあったので写真は撮らずにひたすらがんばって歩いた。最後の階段は知ってはいたけどやはりきつかった。そして、のぼり始めから6時間ちょっと、ようやく高尾山に到着!
いや〜、きつかった。
でも達成感はすごい!
しかし!これで終わりではない。下山してはじめてハートマークは完成するのだ。
高尾山のてっぺんは平日でも冬でも混雑しているので、休まず進む。
4号路が工事していた。2024年3月末まで通行止めの模様。
今回は薬王院で参拝後、一度食べてみたかった胡麻団子を食べた。甘辛の味噌味を選んだがめちゃくちゃ美味しかった!
誘惑のケーブルカーとリフトには目もくれず、とはいえちょっとでも楽をしようと1号路のままおりていく。
しかし、楽だと思った1号路もアスファルトの急坂をひたすらおりるので決して楽ではない。だんだんと膝への負荷も強まる。
ゆっくりゆっくりおり、のぼり始めてから8時間!
セブンサミッツハートルート踏破!!
いや〜、思った以上にきつかった。なんとなく高尾山なのでのぼりやすいから距離はあってもたいしたことないだろうと甘く考えていたけれど、そんなことはなかった。距離16.5km、累積標高約1100mはそこそこしんどい。
今回はしばらく軽い山がつづいていたので、ちょっと筋力が落ちていたのかも知れないのに油断が膝への負担を大きくしたのだと思う。
<反省点>
・トレーニングと思いトレッキングポールを使わなかった
・サポートタイツをはかなかった
・休憩も少なかった
・水分補給や行動食の補給も少なかった
1月の高尾山はいつも私に警告してくれる。
「山、ナメンナヨ」
ー 下山後のお楽しみ
しかし、踏破できたのは本当に嬉しい!というわけでご褒美スイーツ!!
下山後に行きたいと思っていたTAKAO COFFEEへ。
ケーキが食べかかったのとコーヒーが欲しかったから。
店内は木の温もりでほっこりする。
店員さんも親切でコーヒーについていろいろ説明してくれた。
この季節おすすめのコーヒーをチョイス。
ケーキもこの時期限定(限定に弱い)のチョコがけショートケーキをチョイス。
疲れ過ぎたからだに甘いケーキはたまらない。
1年前、膝痛で自力ではおりられなかった高尾山は距離7kmの通常コース。
1年経った今、16.5kmの東〜南高尾山稜から高尾山の縦走を一人で踏破できたのは喜びでしかない。
高尾山は私の山のぼりの原点で、冬になるとのぼりたくなる。
景色に、整備された登山道、おいしい食べ物に立派な神社、みどころが万歳で圧倒的な安心感のあるお山だ。
今の自分の体力を知るに、高尾山のいろんなコースで試すのはおすすめだ。
今年もたくさん山にのぼるぞ!!
そして山を通して得られるたくさんの喜びをこの記事に書いていきたいと思う。
距離:16.5km
累積標高(のぼり/くだり):1127m/1126m
タイム:8時間4分(休憩1時間含む)
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