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映画備忘録vol.6 『淡々と』

最近、家族がいてテレビを占拠されているので、映画はどうも寝室に篭ってスマホで観ることが多くなった。
でも、寝転んでスマホ観ているとほぼ9割、途中で寝落ちする。
どんなに面白くても環境に勝てない。
なので、昨日はパソコン(うちは割と大きい画面)を大音量にして、
もちろんイヤホンで観たら、当たり前の如くこっちの方が断然見応えある。

『検察側の罪人』
キムタクとニノ、にさほど興味はなかったのだけど、なんとなく観たくて観てみた。
面白かった。
キムタクのずっと低くて落ち着いたトーンの声。
ここにまず引き込まれる。
そしてニノの緻密な演技。
淡々と進んでいく映画なんだけど、時折投げてくる球に
リズムを崩され、気がつくとハマってる。
物語も構成や映像、シンプルだけど、奥深さがあって、
うわ〜面白い、というのではなく、じっくりとハマっていく感じ。
観てよかった。

そう、このトーン。好きなトーン。
どこかで観たような、、、
と思っていたら、監督が
『日本のいちばん長い日』
と同じ原田眞人監督だった。
この映画もかなり好きで、何度も観た。
何が好きかというと、やはりトーン。
静かで、淡々と進んでいく。
だけど、必ず途中でリズムが変わる。
長距離運転をしている時に、前の車が急ブレーキを踏んだ時のように
落ちついるけど、ハッとさせられる。びっくりするということはない。
ただ、リズムが変わる、そんなイメージだ。
役所広司はとても好きな俳優さん。好きな映画も多い。
含みのある演技に惹かれる。
この映画では、やはり松坂桃李の演技が何より素晴らしかった。
あの演技が観たくて見返した事もある。
内容についても少し。
途中まではとにかく同じことを繰り返す、観ている方も辛抱しながら進んでいく。
いちばん長い日、というところに焦点を当てて、その長さを体感する映画って
なかなかないんじゃないだろうか。
長さは環境や人の変化で表されることの方が多いような気がする。
だけれど、日々にドラマがあるように、その小さな流れをちゃんと見逃さない。
書いていたらまた観たくなってきた。
原田監督の過去作品も色々観てみたい。

シリアスな映画は気分がそこに向かないとなかなか観ない。
心が重いときは特に観れない。
ところがこの時期、心が重くなることが多い世の中なのに、観たくなった。
質素な暮らしは人の心を豊かにしてくれる。
きっとだから心が安定しているんだろうな。

この機会に重ための映画を観ためよう。

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