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11.オレンジミント

紅茶を淹れる時の丁寧度合いって

①ポットとカップを温める>②カップだけ温める>③両方温めず淹れるだけ

という三段階ぐらいの度合いが自分の中であって、普段は②か③でざっくり淹れてるんですけど。久々に①ぐらいの丁寧さで淹れました。なんたってあのフィーユ・ブルーの新商品。気合いも入ります。


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オレンジミントフィーユ・ブルーのフレーバードティー。フィーユ・ブルーの中でもル・ブルーという商品ラインに属するそうで、これまで飲んだパルフェタムールやセレブレーション等と違ってよりカジュアルに飲めるコンセプトの茶葉らしいですね。ル・ブルーの茶葉は初めて飲みます。

淹れるとポットやカップからふわぁっと柔らかにオレンジが香っていーい匂いなのですが、ここで早くも今までと違ってびびります。雑味がある。この香り雑味がある。これまで飲んだフィーユ・ブルーの茶葉は極限まで雑味を削ぎ落した、香水のような印象の香りだったんですけど、これは雑味がある……!というかあえて残してるな……!?雑味があるからって野暮ったくなる訳じゃなく、むしろほっとやすらぐ香りになってる……計算され尽くしたいーい塩梅の雑味……。

一口飲むと最初にくるのは、意外にもお茶の旨味。フレーバードって大抵香りが先にくるんですけど、これは柔らかくもどっしり落ち着いたお茶の風味に最初に出迎えられました。お茶うめぇ……ってなってると後からじわっと、お茶の風味に半ば溶け込みながらオレンジがやってくる。ほんとに染み出すように来るねオレンジ。舌先ではオレンジがわからないけど、舌の奥から喉にかけてあっオレンジだ、ってわかるような。そのオレンジもフルーティーというよりはもうちょっとこっくりした、落ち着いた味をしていて、これは多分あれだ想像上の喩えにはなるんですが、焼いたオレンジ、って感じがする。果物って焼くと甘みや渋みがぎゅっと濃くなるじゃないですか。あの感じがする、このオレンジ。瑞々しさや酸味は控えめだけれど、その分ぎゅっとグラマラスでジューシーで、舌に馴染むオレンジ味がおいしい、すごくおいしい……。しかもお茶の風味との境目がわからないぐらい溶け合っているんですよねこのオレンジ。溶け合いながらお互いをブーストし合っている……。

一方名前にもなっているミントなんですけど、これが全然主張してこないんですよ。すごく意外だった。ミントってやっぱ個性強いからちょっとでも入ればすごく香ってくると思ってたので。ミントどこだろう……って思うぐらい主張がなかったんですけど、はたと気づきました。さっきから語ってるオレンジの味、濃くてふくよかな味なんだけどどこかすっきりしてる。そういえば香りも。やわらかな芳醇さを感じながらも印象としてはすっきりさっぱりしてる。このすっきり感がミントだ……!!めちゃくちゃ自然にいました。ミントです!!って感じでいるんじゃなくて、オレンジに溶け込むような形でいましたね。オレンジを重た過ぎず適度に軽やかにするためにミントがいるんだ……名脇役……。

で、やっぱり香りと同様に雑味があるんですよね……!皮ごとまるごとの、何も削がれてないオレンジまるままの味がする。でもそれが逆にすごい良くて、なんというか、飲み心地が気楽なんですよね。パルフェタムールやセレブレーションはお茶自体が完成された芸術品って感じで、目の前のお茶と一対一でじっくり向き合ってどっぷりと味わいに浸っていたいような、そんなお茶だった。お茶が生み出すひとときが一本の映画のような濃いコンテンツだった。でもこのオレンジミントはコンテンツとしてもっと軽い。こっちは何かしながら流すBGMのような気楽さのあるコンテンツで、作業とかしながら片手間に飲んでいたい。そういう風に飲んでも勿体なく感じないような気楽さが、あえて盛り込まれてる感じがするんですよね。それでいて丁寧に作りこんだ味と香りがしっかりあるから、片手間に飲んでも惰性で飲んでる感じにならない。一口飲む度飲む度あっ美味しい、ってなる。気楽さはありながらも飲んでる時間を華やかにしてくれる。その塩梅が本当に絶妙だなぁ……と唸りました。あのフィーユ・ブルーが出す『カジュアルにデイリーに楽しめる』ってこういうことなんだなって。カジュアルにもデイリーにも、本気の本気で向き合って考えて作ってる、そんな感じがしました。めっっっちゃくちゃすき……。


実は私、オレンジ味のお菓子もミントも苦手なんですよね。何で買ったんでしょうね、オレンジミント。キャンペーン価格に釣られちゃったんでしょうね。でもこのオレンジミントはそんな私でもめちゃめちゃ美味しい……!!ってなる茶葉でした。オレンジは酸味が強すぎないし、ミントもミント感が強すぎない……一見個性と主張のスマブラ状態になりそうな取り合わせなのにそれらが見事に溶け合っているのでほんとすごいの一言。キャンペーン割引前の価格を見てもフィーユ・ブルーのメイン茶葉と比べてかなりお手頃で、ほんとにデイリー向けで売っていきたいのがわかる、ル・ブルー。これはちょくちょく買ってしまいそうだなぁ……ほんとに美味しい。オレンジミントと一緒に発売されたナッツティーもばっちり買ってしまったので、そちらも飲んだら記録したいですね。ミルクティーがとにかくおいしい紅茶ですって……わくわくが止まりませんねぇ……。

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