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宅鉄法

  こんばんは。今日も一日お疲れ様です。
 今日の話題はつくばエクスプレス延伸問題に関することにしてみます。皆さんは「宅鉄法」というのはご存じでしょうか?「大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法」の略でつくばエクスプレスに関連がある法律。つくばエクスプレスのために作られた法律で、他の地域にも適用することはできるが今のところつくばエクスプレスにしか適用されていない。新線の整備により住宅地が大量に供給されることが見込まれる地域において、宅地開発及び鉄道整備を一体的に推進するために必要な措置を定めた法律となっている。
 そもそも、つくばエクスプレス東京の秋葉原駅と茨城県のつくば駅の58.3kmを全20駅45分で結んでいる。常磐線の混雑緩和と日本の科学技術の発展を担う筑波研究学園都市と東京都心アクセスの向上、首都圏における宅地供給と沿線の地域開発を目的として計画された。当初は一日平均15万人程度であったが平成30年も39万人を記録し、その後新型コロナウイルス感染症により乗客は27万人まで減少したものの、2022年6月には35万人まで回復をしている。
 つくばエクスプレスの前身「常磐新線」は、昭和43年の「第二次首都圏整備計画」において首都圏の衛星都市開発と鉄道整備促進が言われ、昭和45年の「筑波研究学園都市建設法」の制定に合わせて構想された。その後周辺自治体を中心とした第三セクターを建設主体とするなど整備の基本計画が作られ、平成元年に「宅鉄法」が制定され沿線自治体と都市再生機構が協力し一体的に市街地整備事業を進められてきた。
 つくばエクスプレス沿線の都市開発は宅鉄法によって、鉄道の整備と沿線の市街地開発を一体に進める「一体型土地区画事業」と、住宅及び住宅地の供給と特定土地区画整理を合わせて行う「一体型特定土地区画整理事業」の2つが行われた。つくばエクスプレス沿線の魅力は何といっても東京へのアクセスの良さがあげられる。その他に、市街地整備によって立地された大型商業施設、文教施設、医療・福祉施設の充実による快適な住環境や、研究学園に見られる大学・研究機関の集積を活かした新たな産業の創出も特徴となっている。
 つくばエクスプレス沿線には筑波山をはじめとした自然環境も多く存在することから、沿線では単なる東京のベットタウンとしてではなく、自然と都市が共生しここで生まれ育った人たちが世代を重ね暮らし続ける持続可能な都市となることが期待される。今後、延伸の方向性が決まると思われるが、延伸を希望する自治体は、単に交通の利便性の向上としてではなく、人口減少時代に適応した持続可能な都市建設計画をしっかりと示していくことが重要だと思われる。

 余談ですが、かつての常磐線計画の時に東京から水戸までつなぐのに水戸市内では逆川周辺を通る計画があったが、先にできていた水戸線との接続のため今のルートになったらしいです。文書などではなく伝聞なので本当かどうかはわかりません。写真は常磐線。

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