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小説プロットの作り方を変えたみた件<※おかげさまで受賞しました>

 プロットの作り方を変えて長編を書いてみたら、案外自分にあっててするっと一作書けたという話です。

 思いついたきっかけは漫画の原作シナリオ作業からです。原作ではなくてシナリオなので脚本みたいなのを書くやつです。現在いくつかのお仕事をさせてもらっているのですが、漫画の場合はだいたいにおいて『全○話になりますよ』という前提ありきです。なので全体プロットの他に各話で何が起こって何があるのかまで最初に決める必要があります。長編1本とは違い『各話に山場が必要』という小説とまた全然違った創作技術が必要になってくる。最初は難しさに頭を抱えてましたが、各社の担当さんが手取り足取り教えてくださったおかげでなんとか頑張れております。
 さて、そんな漫画シナリオですが、小説ほどつまずかずに1話分が書けてしまうんですよ。漫画にするための台詞づくりや細かい部分の調整や推敲作業は当然必要なのですが、所謂『初稿』に関しては毎回あまり悩まずに書けてしまう。何故だ?と考えたときに「その1話で何を書くかが決まってるからだ」という事に気がついたんですよね。じゃあWEBで書く小説もそうしたらいいじゃん、というひらめき。
 大体において私が執筆でつまずくのはそこで何を書くかが決まってない場合と、なぜかダラダラとした描写が続いてお話が先に進まなくなるときに起きるんですよね。
 また、世の中で紹介されてるプロット技法は「書籍1冊分の長編小説」を書くためのアウトラインだったり起承転結だったり三幕八場に基づいているので、これをWEB投稿の小説創作に落とし込もうとすると、なんとなく難しかったり祖語が生まれやすい。長編と違ってWEB小説は1話3000~5000字程度の連載だからどっちかと言えば、連載漫画寄りの構成なんだもの。

 前置きが長くなりましたが、要は単純に「全体話数をきめて各話ごとにプロット作ったらいいんじゃね?」というだけです。全20話なら20個。詳細な作り込みはしません。1話あたり4~5行くらいの簡単なもので、この話では誰が出てきて何を喋って何をするかみたいな部分を書いて行くわけですよ。このときに「2話に6話で出てくる設定の伏線描写を入れる」とかの脚注を書いておくと回収漏れも防げます。
 このプロットを作ってみていいなと感じたのは各話ごとの盛り上がりがちゃんとあるかとか、要素がどこか1話に偏ってないかな?と全体的な構成を俯瞰で確認でききたことです。突然の新キャラも登場させずに済む。また執筆するときの目標が付けやすい。今日は○話を仕上げるぞ!みたいな。
 1話あたりの文字数もだいたい決めておくのも大事だなと思いました。新しい要素を組み込もうとするのをぐっとこらえられる。ここでこれ入れたら文字数におさまらないぞ!みたいな。
 書いてみて勿論プロットから逸れてくる部分もあるんですが、そのときは次のお話にすこし手を入れて調整したりしながら大筋を合わせていくこともできました。長編プロットとちがって1話ごとの区切りがあるので変化が生じても柔軟に対応できたんですよね。例えば4話の急展開を5話で調整してもともと作ってた6話に違和感なく話を進める、とか。

 結果だけ言うと今回、分割プロットのおかげで20話10万字のお話が2週間ほどで完成。クオリティは置いておいて「書けたじゃん」みたいな妙な達成感は凄かったし、この方式が自分に合ってるんだなという検証が出来たのでとても勉強になりました。だがまた次に同じ事が出来るかは不明。

 多分もうやってる人もいるし感覚で出来てる人もいる手法だと思うので今更私が記事にするまでもないとは思ったのですが、うっかりツイッターでnoteに書くよと言ってしまった手前まとめました(笑)

プロットはA4で3~4枚程度。
◆1枚目⇒タイトル・全体あらすじ(500字程度)・世界観&キャラ設定
◆2枚目以降⇒各話の分割プロット。1話あたり200文字程度。

 執筆中はこれを横に置いておいて確認しつつ書いてます。
 たまにふっと思いついたお話なんかも極力この形にまで仕上げて温存しておくと、未来の自分を助けることになるやつです。

 まとめてみると内容薄いな~~~(笑)
 どなたかの参考になれば幸いです。


と、このやり方で執筆した作品がコンテストを受賞しました。書籍化されます。なんでもやってみるもんですね!


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