家計簿は8割。続けられる家計簿の書き方のヒント
今回は「続けられない人のための家計簿の書き方」をテーマにわたしが実践している家計簿の書き方についてお伝えしたいと思います。『人は見た目が9割』という本が新潮新書から出ていますよね。家計簿に関しては、最初はざっくり8割くらいの精度で気楽にやってみようというお気持ちで読んでいただけたらと思います。
わたしはかれこれ25年ほど「家計簿のようなもの」を付けています。大学3年の春休みに海外の語学学校に短期留学をした際に、かんたんな日記の一部として「その日お金を使った物と場所と金額」をメモしたことがきっかけでした。日記だけだと幅広い内容にふれるのに文章が長くなりがちですよね。それにたいして、支出のメモだとたとえば「東京-仙台9,000円」は「その日東京から仙台に移動したんだ」となるし「ソフトクリーム(ミニストップ)200円」とあれば、思い出深い出来事の場合はどこのミニストップで買ったかまで記憶していることもあって見返したときにちょっと楽しくなります。
記事を書くにあたって「家計簿」をキーワードにした検索結果をほんの少しだけながめてみました。わたしと同じような考え方で作成されたスマホアプリもあるし、高橋書店のWebサイトにも「書き方やコツ」がちゃんと掲載されているのに感心しました。なのですでに皆さんがご存じのやり方の内容も含まれてるかもしれませんが、なにかの参考のためになればと思い、わたしなりのやり方についてお伝えしたいと思います。
【初級者編】
ステップ1. 支出だけメモしよう
小遣い帳を含め、家計簿を付けようと思われている皆さんの性格はかなりマメだったり几帳面だったりすると思います。けれども長くは続かないという人は、ぎゃくにその几帳面さがアダとなって、完ぺきに近いものを求めすぎている気がします。収入と支出の比較のようなことは後回しにして、とにかく習慣にするためにスケジュール帳にでもお金を支払った物と金額だけでもまずは手書きしてみましょう。
そのやり方だと今日の日付のことを書き終えたあとでも昨日の日付の内容を加筆できます。市販の家計簿の書式によってはあとからさかのぼって付け加えることがむずかしいものもあるのでイライラも少なくなります。
余談ですが、カード払いの際には、その金額のあたまに「カード」と丸で囲んで印を付けています。
※写真はじっさいのわたしのスケジュール帳ですが、下の欄には勤め先で使用している営業車の走行距離数と勤務時間、ガソリン給油した数量をメモしています。
ステップ2. 細かい支出は忘れよう
数十円のコピー代、一緒に買い物に出かけたツレの会計の際に小銭の不足分を数円手渡した、のような場合がそれです。自動販売機で買った飲み物の支出も日によっては書いたり書かなかったりします。
【中級者編】
ステップ3. オリジナル科目を作ろう
毎月かならず支出があるものを固定費(住宅ローン、保険料、水道光熱費、携帯電話代など)、それ以外の流動費に分類することがあると思います。いくらお金を使ったのかをメモするなかで、必要な生活費の一部としてサービス提供元の会社などに支払ったり引き落とされたりする費用以外は、食費か生活日用品かが大半であることに気づくと思います。
わたしは食費を今年は「食費(一般)」「食費(外食)」「食費(酒代)」に分けています。”今年は”というのは、毎年その年初めに科目(項目)の内容を見直すからです。それ以外には、庭の芝生の手入れとランニングが趣味なので、趣味娯楽費として「芝生関係」と「ランニング関係」というものがあります。被服関係の買い物であってもそれが走るときに着る物であったら「ランニング関係」ですし、マラソン大会の参加料などもそれに含めます。
自分の生活に合わせて科目を細分化することでオリジナル感が出て楽しめますし、家計簿本来の目的である「何にお金を使っているのか(使っていないのか)」が可視化されることになるので有効な手段だと思います。
ステップ4. 科目ごとに合計を出そう
慣れてきたら月ごとの科目の合計を出しましょう。わたしは毎日の支出をスケジュール帳の一日ごとの欄に、科目ごとの合計はべつのノートに転記(というかただの汚いメモ)しておこない、その各合計金額をスケジュール帳のうしろのメモ欄にさらに転記して、手書きで線を引いただけの支出一覧表にまとめています。
この作業を効率的におこなうためには、ステップ1の「支出だけメモ」の段階で自分で作った各科目をあたまでイメージして書く必要があります。たとえば、ドラッグストアで飲み物と洗濯洗剤を買った場合でも、レシートの合計金額は無視して「食費(一般)」と「生活日用品」の各科目をあたまの中で仕訳しながら、書き出します。
【上級者編】
ステップ5. 収支と向き合おう
これまで支出した内容の書き出しだけに目を向けてきたのには理由があって、毎月のおおよその収入額はだいたい理解できているからです。具体的な手取り額があたまにあると、その月が黒字なのか赤字なのかだいたい把握できますよね。
けれども「家計簿」と呼ぶ以上は、その一覧にも収入額は記入しておくに越したことはないでしょう。わたしの場合、「手書きで線を引いただけの支出一覧表」とほとんど同じ書式の収支がわかる一覧のものをExcelソフトで作成し、べつに保存してあります。夫婦で家計の内容を共有してもらうために結婚後に作るようにしました。
こうした作業をやっていると、この買い物は「交際費」かそれとも「食費」か?なんてことが起きるのですが、それもそのときの気分で仕訳していいと思います。あたまの中をスッキリさせるための作業でストレスを溜めてはいけません。なにごとも継続することが一番大事ですから。
皆さんのなにかのお役に立てますように。
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