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どうしてあなたは婚活を途中下車してしまうのか

婚活サイト(アプリ)でたくさんの出会いを求めていた頃、いまも同じようなサービスがあるのかわからないけれど、利用していたあるサイトでは私たち利用者が書いた日記(記事)を投稿して異性側に公開できる機能がありました。居住地や年齢、自己紹介などを公開するマイページとは別に、毎日の出来事や価値観、得意なこと、趣味その他諸々、自分の人となりを1,000字以内に書いて発信できるその便利機能をわたし自身はすごく活用していたんですね。

あるとき女性の側の新着日記を読んでいたら「ほとんどの男性は『僕はこういう人、そしてこういう女性と出会いたい』ばかりを書いていて『こういうことをしてあげられる、してあげたい』がまったく書かれてない」という声に目が止まりました(→彼女自身は婚活に少しうんざりした感じの様子だった。他人事ながら申し訳ない)。私はその指摘を読んですごくハッとさせられたというか、それはごもっともだなと感心させられました。恥ずかしながら自分がそうだったから。

あくまで個人的な推測に過ぎませんが、婚活がうまく行かず途中で辞めてしまった人の多くは、「わたしはこういう人」の発信をするだけで「こういうことをしてあげられる、覚悟がある、共有できる」みたいなことをお相手に差し出せていなかったのではないか。

婚活する以前、「出会い→恋愛→結婚」の流れが結婚までの自然な道筋だと思っていた頃とは違って、婚活ではその「恋愛」部分がより理性的というか、打算というか、人によっては「これが婚活だから」とある意味割り切らなくなてはならない側面がある。たぶん。

「やっぱり私は恋愛がしたい」という人は、婚活は自分には向いていないと辞めてしまうかもしれない。けっこうな数のいいね!やダイレクトメッセージやお見合いの打診やらが届く人たちにとっては、品定めしたり/されたりするような仕組みにどうしても馴染めないから。あえて婚活しなくても自分には十分な出会いがあるはずと思いたいから。これまでもそうやって恋愛してきたのだからと。

それも一つの価値観であるし、人との出会いにはタイミングの要素が大きいし、縁も必要だし、またやってみようかなと思ったらそのときまた再開すればオーケーだと思う。電車の移動で例えるなら、切符を持ったまたいったん改札口を出るみたいに。

いっぽうで、残って活動を続けている人でも自分自身をお相手にどう伝えたらいいか、発信していいのかに行き詰まって、わたしには向かないとあきらめてしまう皆さんもいらっしゃると思う。

ここで一つ立ち止まって考えてみてもらいたいのですが、ふだんの生活で、おはようございますと挨拶したら相手からもおはようございますと返事があるように、親しく友人や気になるお相手から手紙が届くと(LINEでもメールでも)嬉しいように、向こうからの反応(量的にも質的にも同じ価値の反応)が欲しい場合には、当たり前だけどこちらからアクションを起こしていかなければなりません。

だいぶ前に「女性であることの生きづらい婚活」という記事を書きました。

そこではおもに男性に向けて、自分のこと(願望)ばかり発信しないでお相手の女性を思いやる発言や態度を取ってくださいね、と声高に伝えたかった。せっかくのご縁を大切にして欲しかったし、信頼関係をきちんと築けていない段階の場合はとくに、こちらの何気ない言動がお相手の女性をがっかりさせたり、とても不安にさせたり、ときに傷つけたりするものだから。

繰り返すようですが、ご自身の希望や願望ばかり発信していてもお相手の本当の意味での深いところには刺さらない。「料理は作れないけど皿洗いや部屋の片付けはできる」とか、「子供がいてもときどきは家事や育児の一切は私に任せて、気の合う女友達とお出かけ楽しんできて」とか、お相手のことをちゃんと気遣った上で自分のできること(差し出せること)を発信していくことで少しはその確率のようなものは上がっていくのではないか。

最初は独りよがりでもいいから、そうしたことを少しずつ積み上げていくことで目のまえのその彼/彼女との出会いは縁になって成婚に繋がって行くんじゃないかと思うんですよね。あなたのその細やかな意思や気遣いや思いやりは、きっとそのお相手に届くはずだから。

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