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理想が高い人の婚活

私がちょうど30歳の頃、職場で知り合った2つ年の離れた女性と付き合っていたのだけど、まわりにいた何人かの友人は僕らが近い将来結婚するものだと思っていたみたいだった。

彼女にしてもだけど、私もまた薄給の派遣社員の身分だったし正社員でない自分にすごくモヤモヤしていた。男子たる者、家族とともに家計を支えてなんぼである。向こうのご両親への顔向けもしづらい、という気持ちがあったかどうかいまでははっきり思い出せないのだが、正社員でない自分にコンプレックスはあった。確実にあった。

だからかわからないけれど、当時の彼女との結婚は頭にほとんどなく、反対に、自分のことは棚に上げて彼女の嫌なところ、あまり好きになれないところが目について結局別れてしまった。

別れた後、その何人かの友人に「どうして別れちゃったのよ、もったいない。いい子だったのに」と呆れられた。

うまく言えないんだけど、たとえばもう10年出会うタイミングがずれていたら私はもっと前向きに彼女との結婚をきちんと考えられたのではないかと思う。むかしほどふわふわしていないし、年も取ったし、べつの職場で正社員で働けているし、願わくばだけど少しは成熟した大人になれていると思うから。

理想が高い"わたし"

そんな風に私自身が考えていることとはべつに、結婚に関して、独身だった頃まわりからは「理想が高いんだよ」とよく言われた。たぶんその通りだったと思う。

いまはそんなことはまったくないのだけれど、当時は「彼女」である人にすべてを求めすぎていた。あるとき、付き合っていた彼女より、気心知れたむかしからの女友達とのほうが一緒におしゃべりしていて明らかに楽しんでいる自分に気づいて「これって間違っているよな?」と一人こじらせてしまっていた。

理想が高い人はぜいたく者なのだと思う。

理想が高い"あなた"

異なる2人の価値観について考えてみる。

「楽しみにしていたバーベキュー。外はあいにくの天気だけれど、ご飯が美味い」なのか、
「ご飯は美味いけれど、外はあいにくの天気。晴れていたら良かったのに」なのか。

同じような文脈で、

「容姿はそれほどでもないし、料理はやらないみたいだけど、一緒にいて落ち着くし、話をしていて楽しいし面白い」なのか、
「一緒にいて落ち着くし、話をしていても楽しいし面白い。だけど容姿はイマイチだし、ふだん料理はしないみたいだ」なのか。

物事はこんなに単純じゃないことは理解しているけど、婚活でうまく行く人の思考は前者で、うまく行かない人の思考はおそらく後者である。

さらに言えば、

「料理を作るのが苦手なら僕が作ればいいし、できる範囲で外食したり、外で惣菜ものを買ってきて家で食卓に並べればいい」という思考をもてる人は成婚率が高い、と思う。

そして理想が高いと、仮に誰かと結婚しても長続きしないんじゃないかとも思う。お相手への接し方が「減点式」になるからだ。これはできて当たり前、そうあるべき、みたいな思考だともう一方の人はたいてい息が詰まるだろう。

反対に、接し方が「加点式」の思考の人だと、感謝の頻度がおおく、うまく行かなくて当たり前という捉え方がベースにあるので、一緒にいる人はふだんからリラックスした生活を送れる、と思う。

理想が高い人は出会いがある人

見方を変えれば、理想を高くもてる人というのは比較的出会いがある人でもあると思う。それは考えようによっては、魅力的な人生である。

たくさんの出会いを通じて、トライアルアンドエラー〘名〙 (trial and error) というか、さまざまな失敗や学習を重ねながら自分の人生経験に磨きをかけ、豊かにできる。それもまた楽しそうだと思えなくもない。

あとはご本人がどこで決断するかですよね。
お相手なのか、ご自身の年齢なのか、はたまたべつの要因なのか。

つまるところ、
そのときご自身が成熟したってことを意味するんじゃないかと思うのだけど、どうなんでしょう。
どうなのかな?

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