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確率論#6

次に期待値の性質を挙げていきますね。
(1)は線形性、(2)は正値性、(3)はイェンセンの不等式と呼ばれるものです。

定理1.9
$${X,Y\in L^1(\mathbf{P}),a,b\in\mathbb{R}}$$とする。
(1)$${aX+bY\in L^1(\mathbf{P})}$$であり、$${\mathbf{E}[aX+bY]=a\mathbf{E}[X]+b\mathbf{E}[Y]}$$が成り立つ。
(2)$${X\geq Y}$$ならば$${\mathbf{E}[X]\geq\mathbf{E}[Y]}$$となる。更に、等号成立するのは$${\mathbf{P}(X=Y)=1}$$となる時であり、その時に限る。
(3)$${f:\mathbb{R}\to\mathbb{R}}$$が下に凸な関数であり、$${f(X)\in L^1(\mathbf{P})}$$を満たすならば、$${f(\mathbf{E}[X])\leq\mathbf{E}[f(X)]}$$が成り立つ。
特に、$${p\geq1}$$に対して、$${X\in L^p(\mathbf{P})}$$ならば、$${\vert\mathbf{E}[X]\vert ^p\leq\mathbf{E}[\vert X\vert ^p]}$$が成り立つ。


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