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「AKIRA DTS sound edition」('88アキラ製作委員会)
大友克洋の大作アニメ「AKIRA」です。1982年からヤングマガジンで連載開始した長編マンガを88年に講談社の出資で大友克洋本人の監督によりアニメ化したものです。日本のアニメ界では破格の製作体制を取り、当時としては類例のない大作として完成しました。
大友克洋は講談社のマンガ世界戦略の尖兵として位置付けられており、アニメ監督としてはこれ以前に短篇を一作作っただけの新人にも関わらず、当時としてはほぼあり得ない製作条件のもとに制作された作品です。
講談社はマンガの世界戦略に意欲的な会社で、まず1970年前後にマーベルと提携して「スパイダーマン」や「超人ハルク」を日本人マンガ家に描かせて連載するということをやりましたが、日本でアメコミものはなかなか人気が出ず、その10年後に大友作品が持つ国際的なポテンシャルに注目し、今度は日本マンガを海外に輸出する事業を構想しました。
しかし講談社のみならず、日本マンガの海外出版は当初は苦戦続きで、海外で受ける日本マンガはまずはそれのアニメ化されたものが海外で人気が出て、その後にマンガも人気になるという不文律がありましたので、劇場版作品でこれをやろうと「AKIRA」に目を付けたのです。
実際、完成した作品の内容とクオリティの高さはハリウッドでも評判になり、ジョージ・ルーカスなどは極めて高い評価をしましたし、金田のバイクが横向きに急停止するカットは日本だけでなく海外アニメ・実写でも散々パクられました。最近だとジョーダン・ピール監督の「ノープ」で金田バイクのカットと同じ動きが実写として使われています。因みに、「AKIRA」は過去何度かハリウッドで実写映画化される企画が持ち上がりましたが、ジョーダン・ピールはその監督候補として名前が上がったことがあります。
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現在、日本マンガとアニメは世界中で受け入れられていますが、それを決定づけたのが「AKIRA」だったと言って過言ではありません。
原作マンガの連載中盤で原作者自身がアニメ版を監督するのは宮崎駿の「風の谷のナウシカ」もそうでしたが、「AKIRA」はその後のマンガ連載とは異なるオチが付けられています。
「AKIRA DTS sound edition('88アキラ製作委員会)」
岩田光央 / 佐々木望 / 大友克洋
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