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アンドレイ・タルコフスキー「ストーカー」('79ソ連)〈2枚組〉DVD

ソビエトの映画監督アンドレイ・タルコフスキーの「ストーカー」です。Blu-rayとダブりで持っているので、今回はIVCから出たDVDを出品します。Blu-ray盤もいずれ出しますが、おそらくタルコフスキー全作品のBlu-rayとともにまとめ売りしますので、かなり高額な出品になります。「ストーカー」だけ欲しい方は、今回のチャンスをお見逃しなく。

タルコフスキーは1966年に歴史大作「アンドレレイの受難」を完成しましたが、作品中の主人公が国家から弾圧される様が婉曲的なソビエト批判と受け取られ、撮影中に制作費を削減されるなど数々の嫌がらせに遭いました(結局、完成版は1971年に「アンドレイ・ルブリョフ」として公開)。

このような経験から、表現の自由がないソビエトで映画を作るため、タルコフスキーはSFに活路を見出します。SFであれば、タルコフスキーの宗教的なイメージや社会についての考え方をオブラートに包むことが出来たからです。

こうして1972年に「惑星ソラリス」を、1979年に「ストーカー」を発表しました。後者はロシアのSF作家ストルガツキー兄弟の原作で、脚本も共同執筆しています。

作品タイトルでもあるストーカーは、現在流通している誰かに付きまとう変質者の意味ではなく、「徘徊する者」「密猟者」という意味です。ストルガツキー兄弟の原作のタイトルは「路傍のピクニック」でした。

舞台は架空の某国。「隕石が墜落した」と言われるある一帯が長い間軍によって封鎖され、「ゾーン」と呼ばれる禁断の地域になっていました。

しかし「ゾーン」の中のある場所に入ると望みが何でも叶うと噂が立ち、入ろうとする人間が後を絶ちません。主人公のストーカーは、ゾーンの危険を熟知しており、願いの叶う場所に人々を案内する仕事をしています。

ゾーンの危険は、ストーカー自身にも説明ができない不可解なもので、歩けるルートが時々刻々と変化し、間違った道を歩くとその者は生命を失うのです。

ストーカーは科学者と作家と名乗る2人の男を連れてゾーンを案内することになります。軍の監視をかい潜り、ゾーンに侵入すると、それまでモノクロだった画面がカラーになります。そして、「この先は何があろうと私の指示に従え。さもないと生命は無い」とストーカーが警告します。

そこはところどころに錆びた戦車と廃屋が建っている草原でした。ストーカーは「目的地はあそこだ」と遠くに見える廃屋を指さします。

「なんだ。すぐ近くじゃないか」と作家が歩き出します。ストーカーは血相を変えて「戻るんだ!」と叫びますが、作家は構わず進んでいく。すると一陣の風が吹き、「止まれ」という声が聞こえました。

驚いた作家が振り返ってストーカーに「何か言ったか?」と聞くと、「私じゃない。あなたはゾーンから警告を受けたんだ。」気味が悪くなった作家がストーカーの元に引き返すと、「あなたは運がいい。警告だけで済んだ。ここからは私の指示に従ってもらう。目的地の家に着くまでには何日かかるか分からない」

そう言って布切れを巻きつけた大きなナットを投げ、落ちた場所まで歩くストーカーたち。途中で眠り、ゾーンとは何なのかを議論し、また進みます。

この映画で起こる「超常現象」は、最初の「止まれ」というゾーンからの警告と、ラストシーンに起こる、ある現象です。

何も起こらず、目の前には普通の草原しか無いのに、恐るべき緊張感に満ちた映画です。2時間半以上ある長い映画ですが、これほど緊張感に満ちた映画を私は知りません。

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