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【プレミア】パトリック・マクグーハン「プリズナーNo.6 」Blu-rayBOX

竹熊健太郎

パトリック・マクグーハン主演・製作・脚本・監督による、60年代スパイ不条理ドラマの金字塔であります。

マクグーハンはそれ以前に10年近くイギリスのドラマでスパイを演じて大人気でした。その彼が企画・監督・主演・脚本も兼ねたテレビドラマが「プリズナーNo.6」です。その不条理な設定と展開の奇妙さ、最終話の難解さから今でもカルト的人気を誇ります。

主人公は組織に辞表を出して引退したスパイ。しかし、彼の頭の中には貴重な国家機密が眠っており、彼は「村」と呼ばれる謎の施設に閉じ込められます。

「村」の住人は各国の引退したスパイらしく、誰も他人を信じられず疑心暗鬼に置かれています。主人公は名前を剥奪されてNo.6という番号が与えられ、村の中ならどこへも行けますが、村の外に出ることは許されません。

当然No.6は第1回から脱走を図ります。しかし村の境界にはローヴァーと呼ばれる白い風船の怪物が見張っていて、絶対に脱出できないのです。

「村」にはNo.2と呼ばれる支配者がいて、No.6から情報を聞き出そうとします。あらゆる手段を使ってNo.6を洗脳しようとしますが、毎回、不屈の意志を持ったNo.6が勝利します。ところが次の回になると、今度は違ったNo.2が登場して別の手段でNo.6を苦しめるのです。

「プリズナーNo.6」は、東西冷戦のただなかで製作されたスパイドラマなので、主人公が囚われたのは東側のようでもあり、西側のようでもあります。貴重な情報を知っているスパイが大勢閉じ込められた村、ということ分かるのですが、それ以上のことは主人公にも、視聴者にも分かりません。

「プリズナーNo.6」はスパイ物のようでもSFのようでも前衛不条理演劇のようでもあります。全てが謎に包まれた中でのNo.2との対決は、相手の目的がわからないだけに不気味です。最後の2回は本当の不条理演劇のようになり、主人公は村を破壊してロンドンの自宅に帰りますが、果たして本当に彼は「村」から出られたのか、最後まで謎を残して最終回を迎えるのです。

テレビシリーズでありながら、製作・監督・主演を1人の人間がこなした(監督は重要な回のみですが)このようなドラマは前代未聞でしょう。

現在ではDVDもBlu-rayも廃盤でBOXはプレミア価格で取引されています。それだけ熱狂的なファンがいる作品だということです。


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