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茶道は己のM度が試される芸事

茶道の世界に足を踏み入れて3年目。

「抹茶のビタミンCは体にもお肌にもいい」
「ちゃんとお茶をシャカシャカして点ててみたい」
「海外にいた時にテキトーな所作でテキトーに点てて友達に振舞っていたけどもっと習っておけばよかったなあ・・・」

機会があれば習いたい。
そんなもやもやした気持ちのまま生きてあっちゅう間に40半ば。
たまたま仕事で知り合った女性の方が、茶道を長く習っていることを知り、


小粒:「私!お茶!習いたいんです!!!!」
茶人A:「そうなんだ。じゃあ先生に一度伝えておいてあげるね。でも先生お忙しいから習えるかどうか。」
小粒;「はい〜!よろしくお願いしますぅ!!!」

それからしばらくして茶人Aから電話。

茶人A;「先生が一度お稽古見にいらっしゃいと言われたから来週一緒にどうかしら?」
小粒:「はい〜!!!よろしくお願いしますぅ!!!」

お稽古当日、緊張しながらしずしずとお部屋に入るとそこには小柄で上品で優しげなおばあさま。
小粒:「小粒です!!よろしくお願いしますぅぅぅぅ!!!」

3年前、はじめてお茶の扉をがんがん叩き、敷居の高い世界を大股で踏み込んだ私。
良かれと思ってきちんとした身なりと信じて疑わなかった初日の小粒のいでたちと言えば・・・

・「LUX Super Rich!」CMのようなハリウッド女優並にカールした長い髪とストッキングで「よろしくお願いしますぅ!!!」
頭を畳にまできちんとこすりつけたはいいが、その様は砂浜に打ち上げられた羅臼昆布かフジッコわかめ 
 ↑ はいNG!

・お化粧ばっちり!指輪つけてます!イヤリングつけてます!唇グロスでテッカテカ!っで女子力高いミセス小粒。
   ↑はいNG! 

・手ぶら我が身一つで「頼もう!!」
持ってきたのは満面の笑顔のみ (笑顔 ¥0)
「私!なにも知りませんのでよろしくお願いしますぅ!!!」
 ↑ほんとになにも知らなんだ3年前・・・

「この子、ほんとになーんにも知らないんだ・・」
先生の超音波の声は、今ならきっちりと拾える。

でも3年前の先生は、目を細めて優しく笑顔で
「頑張ってお勉強しましょうね!」

その笑顔と言葉に騙された私。
「はい!頑張りますぅ!!!」

そして3年後の今

「まぁ〜なんちゅうこと!!」

「はい〜!!す、す、す、すいません〜っ!!」
小粒の雄叫びが裏山にこだまする

たまに先生が見てないだろうと思って所作をごまかそうとする私。

すかさず先生
「今、おかしなことやった!!もう一回してみんせーー!わかるんよ」
「はい〜!!すいません〜っ!!」

習い始めの頃の茶人と小粒の会話
茶人A:「お茶の世界って忙しい毎日の中でほっと一息美味しいお菓子と美味しい抹茶で癒されるよ♩」
小粒:「上手くならなくてもいいから、先生のところでほっこりと癒されてるの楽しみです。」

・・・・・

そんな和菓子のように甘かなかった茶道の世界

やっぱり渋い

それでも今日も私は先生にシゴかれにいそいそと9時のお稽古に
出かけます。
私はM Mなのか。。。

以前は、9時10分前に到着してたら
以前先生:「まあ〜遠いのに大丈夫??無理しないでね!」

現在先生:「9時にお稽古というなら、9時にはきっちりとお稽古が始まれるように水屋の準備、陰の仕事をする。そのためにはやはり20分前にはちゃんと到着するようにしんせー」
小粒「はい〜つ!」


黄色になりかけの青信号もすいーーー
赤信号ですいーーーと指輪を外し
駐車場から先生の家の門までは全力疾走、
門から石畳で呼吸と髪を整え、
すいーーーーと涼しげな顔をして

「おはようございますぅ!!!!」

「はい、おはようさん♩」

なぜこんなにまでして茶道のお稽古を続けるのか?



お抹茶が好きだから?
ううん まあ好きと言えば好き

和菓子が好きだから?
ううん それほどでも・・・

まったりと癒されるから?
んなわけないがな!!

正解は


先生が好きだから (全世界公開告白)

あと何年人生の先輩から人生の知恵、日本人の気遣い、
消えていく大切な教えを真剣に教えてもらえるのだろうか?
そう思うとダメだしされても、叱られても、怒られても、
小粒は今月もいそいそとお稽古に通いつづけます。


茶道の世界はそんな甘くはない
知れば知るほど恐ろしい、否、厳しい世界

「そんな厳しくしなくてもテキトーでね!」
カジュアル化、合理性、コスパがいいもの等が好まれる風潮の中で、
なぜ伝統的な茶道を??

テキトーでカジュアルな生活のほんの一部でも自分を鍛える厳しい時間、融通の効かない時間、自分の思い通りに体や思いが運ばない時間があってもいいのではないかなと。
それがたまたま私にとっては茶道でした。


茶道のお稽古の中で学んだことを少しずつ自分のためにここに書いていこうと思っています。

なんでそんな厳しい窮屈なことせなあかんね〜ん、その1、その2、その3、、、、、その100000くらい。茶道はあります。

でも、その厳しさは、実は裏を返すと茶道という道の軸となる
「一期一会の精神で相手に最高のおもてなしをする亭主の気遣い」
気遣いの数ではないでしょうか。
そしてその亭主の思いを客として受ける心構えの数もまた数多くあります。

師匠である先生と子弟である小粒の物語が今日から少しずつ始まります。

ここで記載しているものは、私の茶道先生から教えてもらったメモ書き、まさにnoteです。
3年間で自分が先生から口頭で学んだこと、その後ろ姿で感じ取ったこと、そして茶道を含めた人生のちょっといい事をnoteしていけたらと思います。

ですから、茶道をすでに何十年、何百年されている方からみると
まだまだ「ほんとに小粒は知らんのだ・・」的な部分や荒削りな知識が出てくると思います。
そんな時はタイトルは「おい、小粒!まあ〜なんちゅうこと!」とコメント下さい。
できる限り先生に必死について、耳をダンボにして書き続けたいと思っています。

いつまで書き続けるか

【noteを辞める潮時】
1 先生が「もう年だから教えるのやめる」と言われる
2 私が「老眼でパソコンが打てなくなった」まで
そして
3 noteの提供社の(株)piece of cake様が「サービス停止ね」と言われる

この3つの条件の1つでも充てはまった時が私のnoteの辞めどきかな、と。
逆にいうとそれまでは、書き続けていけたらと思います。


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