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黄金を抱いて翔べ

本小説は映画化もされているという事でどんな作品に仕上がっているのか、監督の本作品の解釈はどうなのか気になって観ることにした。

やはり、モモの死を前に立ち去らねばと思う幸田は自分が何者であるのかはっきりと自覚して死と生の間を彷徨い、限りなく死に近いところで生きてきた幸田が生へ向かって歩きだしたのか、死んでしまったのか、それをどのように映像にしたのか知りたかった。

本作の魅力はハリウッド映画を意識したような作品ではなく、日本の犯罪の現場のリアリティを追究したような「色温度」「言葉回し」になっていて、ある意味退屈なのだが、俳優の力量、原作の秀逸さも相まって「面白い」と思えるエンターテイメントに仕上がっていた。

原作は日本推理サスペンス大賞を受賞したベストセラー作家・高村薫の最高峰ミステリーで、井筒和幸監督のもと映画化されている。長年に渡り構想を練りあげた本作でハードボイルドな男たちの「究極の賭け」を描き出し、邦画史上最高峰のフィルム・ノワールを創りあげられている。

書籍はこちらで紹介しているので、興味がある人は読んで欲しい。小説も非常に魅力的だ。

ストーリーは公式を抜粋する。

過激派や犯罪者相手の調達屋をしている幸田は、大学時代の友人・北川から、大阪市の住田銀行本店地下にあるという240億円相当の金塊強奪計画をもちかけられる。北川が幸田とともにメンバーに選んだのは、システムエンジニアの野田、爆破工作のエキスパートで元・国家スパイの裏の顔を持つモモ、北川の弟・春樹、元・エレベーター技師でチームの相談役でもあるジイちゃん。だが、計画が進むにつれて彼らの周囲で謎の事件が次々と発生。次第に見え始める彼らの過去、裏切り、陰謀…。それぞれの思惑が交錯するなか、計画は思いもよらぬ方向へと進んでゆく。
大阪の街を舞台に繰り広げられる、想像を超えた命賭けの金塊強奪作戦。大胆不敵な計画の裏に隠された<衝撃の真実>とは―。

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