見出し画像

親鸞 五木寛之

先日ご紹介した「歎異抄」が腹落ちしなさ過ぎて、親鸞を生い立ちから学ぼうと図書館で借りてきました。

突然に息子が留置場にぶち込まれて心配したであろう両親が差し入れしてくれた本なのでちゃんと読みたいのだ。

歎異抄は親鸞の思考の先に行きついた考えに共感するためには、ストーリーや生い立ちを知っている方が分かりやすい。

馬糞の辻で行われる競べ牛を見に行った幼き日の親鸞。怪牛に突き殺されそうになった彼は、浄寛と名乗る河原の聖に助けられる。それ以後、彼はツブテの弥七や法螺房弁才などの河原者たちの暮らしに惹かれていく。「わたしには『放埒の血』が流れているのか?」その畏れを秘めながら、少年は比叡山へ向かう。

浄土信仰を哲学化し完成させた親鸞(1173-1263)の波乱にとんだ人生を描く
大河小説(全6巻)の第一巻目となっており、年齢で言えば生まれてから29歳ころまでをカバーしている。

宗教という堅苦しいテーマを扱っているが、著者は史実にとらわれず、親鸞の周りに魅力的な架空の人物を多く配置して伝奇小説的な楽しさもあった。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?