見出し画像

若者よ、バンドでお金を稼ごうとするのはやめよ

※この記事は個人的な意見、見解が多く含まれております。
 予めご了承ください。

こんなタイトルの記事を出しておいて言うのもなんなんですが、6年間しっかり全国周ってた元バンドマンです。

どんな活動をしていたのかは以下記事を参照。

そんな私が、これからバンドをやってお金を稼ぎたいと夢見る若者に伝えたいことがあります。

バンドで金なんか稼げるわけねぇ!!!!時間と金を切り売りした挙句、仲間とかもどんどん増えてなんか辞めづらくなって、それで成功しなかったら貴重な20代を棒に振ることになるぞ!!!!そんでこれを見ている99%のバンドマンは成功しないから覚悟しておけ!!!!!!

これは私の経験を通して知ったことです。
夢を見ることは良いことです。
ですが、現実を見ることも同時に重要なことです。

何故バンドで稼いでいくことはできないのか?

私も10年前は「バンドで飯食ってやる!」と意気込んで、鳥取県の田舎から上京してきた身です。
特に根拠のない自信を胸に、音楽で飯を食おうと頑張る気持ち、お兄さんはよくわかります。

が、6年間全国各地で活動して、様々な人と関わり様々な話を聞いて
様々な経験をして知ったことがあります。
バンドで稼ぐことが難しい理由をいくつかお話しします。

そもそも需要がない

バンドをやっているあなたはきっとバイトや正社員として働いていることでしょう。
職場の人にどんな音楽を聴くか聞いてみてください。

EXILE、ジャニーズ、AKB、YOASOBI…沢山名前が出てくることでしょうが
バンドはどれくらい出てきますか?
バンドが出てきたとしても、POPSに近いようなバンドじゃないでしょうか?

ラウド系だったり、ポップパンクやらメロコアだったり
海外の人が好むようなバンドの名前って、たまーに好きな人いるけど
あんまり出てきませんよね?
その中で更にライブハウスに足を運ぶ人って何人いますか?
下手したら1人もいないのではないでしょうか。

あなたがやっているジャンルがPOPS系では無いとすると、国内での需要が低いマーケットでビジネスをやることになります。

業界全体としてお金がない

需要が無ければ、もちろんお金は市場に出ていきません。
市場にお金が出ていかなければ、その業界に関わる人たちの賃金が安くなったり、設備投資がしづらくなったりします。
そうすると資金繰りが悪化します。
最終的にどこにしわ寄せが行くか。
アーティストです。

よくアーティストのカネの問題って見かけますよね?
どこもかしこもアーティストに還元するお金が無いのです。

音楽業界でなくても、アート系の業界は「アーティストにお金を多く出さなくても大丈夫。なぜなら彼らはお金で動く人たちではないから」みたいな考えが蔓延っているのではないかと個人的には思っています。
確かにお金じゃないんだ!って言ってるバンドマンも多かった気がしますが
貰えるならできる限り貰いたいよね…。お金…。

売れないバンドほどお金がかかる

ライブハウスには「チケットノルマ」という制度が存在します。
出演する代わりに、〇枚チケットを売ってね。〇枚目から〇%バックするよ
というものです。
これが駆け出しのバンド、集客ができないバンドにはかなり重くのしかかってきます。
大体チケットのバックは10枚以上とかそれくらい捌かないと貰えません。
3000円のチケットが10枚のノルマで、50%バックだった場合は15枚売っても1500円×5枚=7500円です。

1度のライブで15人呼ぶのはかなりきついです。
インディーズ且つ事務所等に所属していない場合は、お金をかけて広告を出すことも難しいですし、基本的にはこちらからSNS等で声をかけて
毎回集客することになります。
それで頑張って15枚売っても7500円の利益にしかなりません。
スタジオ2回入ったら消えるレベルです。本当に雀の涙…。

機材にもお金がかかるし、練習するにもお金がかかるし、ライブで集客できなければお金がかかるし
お金は出ていくばかり。収支をプラスにして稼ぐなど夢のまた夢なのです。

世知辛いですね…。

以上で述べたような理由と、他にもまだまだあります。
これはほんの一部に過ぎません。
音楽は基本的に稼げないものと認識してください。

この記事で伝えたいこと

筆者は別にバンドをやるな、とは言っていません。
むしろ音楽をやること自体は大賛成です。
音楽は素晴らしいものです。
それは音楽をやっている皆さんが一番わかっていると思います。

ですが、「音楽で稼いでやる!」と意気込んでその6年後に潰れてしまった私の教訓を皆様にお伝えしたかったのです。

これは若い時には考えていないことでしたが、お金を稼ぐ=ビジネスをする、ということです。
音楽はあまり良いビジネスができるフィールドではありません。
残念ながら、そういうものです。

ポルカドットスティングレイというバンドは、ボーカルの方がマーケティング関係の仕事をしていて、マーケティングの知識を生かして売れていったという話がありますが
お金を稼ぐつもりでビジネスのつもりでやるなら、もちろんビジネスとしてやる必要があるでしょう。
ビジネスに関する様々なことを学んで、お金を稼ぐ勉強をする必要があるでしょう。

ただ、勉強したくないしサラリーマンにもなりたくないから現実逃避みたいな感じで音楽をやってる。
みたいな方、結構多いのではないでしょうか。
私はそうでした。

そういった考えの人間はそもそも音楽で生計を立てる前提で、音楽をやるべきではないと、私は今頃になって思います。

最初から音楽で生計を立てるつもりなら、ビジネスライクに音楽をやるべきだし
そうでないのであれば、「まあ売れたらラッキーだけど」くらいで自己表現の一つとして音楽をやる方がいいのではないかなと思います。
でないと、私のように心も身体も壊してしまうかもしれません。

長く音楽活動をやっていきたいのであれば、どちらの方向性にするのか
バンドで話し合っておくべきだと思います。

なんか売れたらすごいみたいな感じになりますけど、まあ確かにすごいんですけど
アートって自己表現なんですから。
別に売れることが全てではありません。
他の売れているアーティストを横目に音楽をやるのはやめた方がいいです。
ビジネスライクに音楽をやるわけでなければ、自由に音楽をやりましょう。
そうやってとにかく自由に音楽をやって、とにかく夢中になって活動しているうちに気づいたら音楽が職業になっていたなんて方も沢山います。

だから若者よ、バンドでお金を稼ごうとするのはやめよ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?