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酒屋が教えるワインの教科書 ワインの醸造 2

 ロゼワインの醸造

 ロゼワインは色として赤ワインを薄くして、味は白ワインに近い。ロゼワインは赤ワインと白ワインを混ぜて造ることはしないがシャンパーニュ・ロゼの場合は該当しません。

 ロゼワインの造り方は複雑で技術を要します。セニエ法と言う、最も使われている方法は黒ぶどうをごく短時間で発酵させて、目指す色調になったところでタンクからぶどう果汁液を取り出します。その後は白ワインと同じ醸造をします。

 直接圧搾法を用いている醸造所は少ない。黒ぶどうを破砕して、薄く色が付いてきます。その後、圧搾して白ワインと同様に醸造します。色の薄いロゼワインはヴァン・グリ(vin gris)と呼ばれています。

シャンパーニュ醸造

 スパークリングワインの醸造

 スパークリングワインにはいくつかの製造方法があります。その中で代表とされているのがシャンパーニュ地方における醸造方法で、シャンパーニュ方式と呼ばれています。

 シャンパーニュの原料ぶどうはシャルドネ種、ピノ・ノワール種、ピノ・ムニェ種の3種でそれぞれ別々に手摘みされます。収穫されたぶどうはシャンパーニュの伝統的な垂直型圧搾機や水平型圧搾機で品種ごとに搾られます。圧搾される果汁量は品質管理のため収穫量160㎏あたり最高100ℓまでと決められています。第1次発酵のためにぶどう果汁を醸造タンクに入れ、発酵させます。各ぶどう品種や村ごとの分けて出来上がった白ワインはキュヴェ(仕込み、ブレンドの意)の作業としてある種の割合で調合されます。

 収穫年度の入っていないシャンパーニュのキュヴェでは品質の安定したシャンパーニュを造るため、収穫年度の異なる辛口白ワインを混ぜ合わせることが認められています。特にで優れた年に収穫されたぶどうのみでつくられたワインは収穫年度を表示できます。

 キュヴェ作業が行われたのち、ティラージュ(添加作業)をします。キュヴェの時点でリキュール・ド・ティラージュと呼ばれるワインに蔗糖を混ぜた液に酵母菌を加えリキュールを添加します。そして、瓶詰めされ、白亜層のカーブで10℃から12℃で第2次発酵(瓶内発酵)させます。瓶内で発酵が進むと炭酸ガスが発生します。これがスパークリングワインの泡になります。泡の発生が止まると死滅した酵母菌が瓶内に溜まります。その状態で最低でも12か月置かなければいけないという規則があります。

 発酵期間が終えたシャンパーニュはピュピトルと呼ばれ、瓶の口を下向きにして周期的にて振動させ、4分の1づつ回転させます。この作業をルミュアージュ(動瓶)と言います。最終的に瓶を垂直にして澱を瓶口に集めます。そして澱抜きをします。澱抜きは瓶口をマイナス20℃前後の塩水に着け澱を凍りさせます。瓶の栓を抜くと炭酸ガスの圧力で凍った澱が出ます。この澱を出す作業をデゴルジュマン(口抜き)と言います。

 澱を取り除いたシャンパーニュはコルク栓をする前にシャンパニュと蔗糖を混ぜた液のリキュールワインを目減りした量の補充とシャンパニュの味のタイプに合わせて加えます。この時にシャンパニュの味のタイプであるブリュット、セックなどに分けられて造ります。年号のつかないシャンパーニュは添加作業後1年の保存、収穫年度を記載されたシャンパーニュは3年以上の保存がされなと出荷できないと言う規則があります。

 シャンパーニュは伝統の作りで手作業により長い年月を必要とされ、それなりの価値があります。


 次回はワインの熟成についてです。


マガジンにしました。 酒屋が教えるワインの教科書https://note.com/masutaka_note/m/m49ac080d0803


 

 


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