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[3000円ワイン]世界のワインに恋したい。〈スイス/シャスラ〉

世界中のワインが飲みたいです。

今となっては、あの一大ワイン大国フランスに”ワ旅”に出かけるような、「いかにも」なワインスキーに仕上がっているますたや。

ブルピノ飲ませていっちょ上がり!ってな具合ですっかりできあがっちゃってますが、もとはといえば…というか今でも断然、世界中の知らないワインを飲むことが大好きです。

知らないワインというのは、飲んだことのない国のワイン、そして飲んだことのない品種のワイン、ということ。

・・・と、いうとなんだかリベラルな感じがしてかっこよく聞こえますが、そのような高潔な精神からこの方針が打ち立てられたわけではありません。


ますたや家がワインにハマりたての頃。品種や国の特性もほとんどわからない中、わたしたちが唯一指針にできたのが、「今まで飲んだことがないやつを探す」という方法でした。

今となっては、「なんだって?!シャブリで樽をきかせてる?!一体なぜ、そして、それってどういう味わいなんだい?!」みたいなハイテクニカルな飲み方ができちゃうますたやですが(ドヤ顔)、飲み始めの頃はそんなの、全然わからないわけですよ。
「フランスのシャルドネ?ああ、飲んだわ、こないだ」みたいな。

そして、飲みはじめの頃のわたしたちは、できるだけたくさんの「知らない」を知りたかった。

なので、わかりやすく「知らない国」とか「聞いたこともない品種」とかを探す方が、断然「知らないワイン」に出会える確率があがりました。知らないことを知るのって、やっぱり楽しいじゃないですか。

だから、地元のそごうの『ワイン&チーズフェア』とか、新宿伊勢丹の『世界を旅するワイン展』とか、そういったワインの催事に行くと、どうしても「今回はどこの国のワインを開拓する?」っていう感じになりやすいんです。

ちなみにこの買い方、今の私たちにとっては「買いすぎ防止」という非常に重要な役割をになっております。
うっかりフランスコーナーなんかに立ち入ると危険ですからね。「この国」って決め打ちしたほうが安全なわけです。どうせそうやってたって、予定外のワイン、買っちゃうんだから。(いつものこと)


そんな我々夫婦が、これまでにこつこつ飲んで来たワイン生産国は、31か国。

国連加盟国だけでも196か国あると考えると、いやぁ、まだまだですね。全然まだまだだ。まだまだこの世界には、知らないワインがたくさんある。
これから新しいワインに出会っていけると思うと、生きていくことが楽しみになります。

ちなみに我が家で「1本だけ」飲んだことがあるワインを、ちょっと集めてみました。

レバノン(ソーヴィニヨン・ブラン)、ハンガリー(フルミント)、インド(シラーズ)、チェコ(アンドレ)、ベトナム(シャルドネ)、マケドニア(ヴラネック、メルロー)、ボスニアヘルツェゴビナ(ジラフカ)、ロシア(シビルコビー)、ブータン(シラーズ)

(  )の中は品種

こんな感じ。

ハンガリーとか、チェコとかは、もっと飲んでてもよさそう。ボスニアは一度通りすぎたことがあるよしみで買ってみました。

ベトナムワインは、夫が出張中に現地ではもっと飲んでたそうです。「ダラットワイン」って、桑の実でフレーヴァーをつけるらしいですよ。これはそんなに気にならなかったですが。

ベトナムの中では冷涼な気候であるダラットで造られるワイン、国内では結構有名になってきてるそうです。

あとは、今となっては新ヴィンテージが手に入りづらそうなロシアのワイン。品種は「シビルコビー」。
これも美味しかったですねぇ。わたしが好きな、ドライでふくよかで塩っぽい感じの風味でした。黒海にほどちかい街、ロストフ・ナ・ドヌというところで造られているそうです。

「ロシアでワイン?って思いますよね。でも、実はボルドーと同じくらいの気候なんですよ!」と、販売してくださったソムリエが、嬉しそうに話してくださったことを覚えています。

当時は、ロシアにも行きたいねって話してました。ウラジオストクとか、すぐそこですからね。世界を自由に飛び回れる日がいちにちも早く来ることを、いつも、心から願っています。

ボルシチ合わせにしてみました

あまり見かけなさそうなところとしては、ブータンとか。

これは現地で買いました。国を訪れたのは2017年。当時はまだワインにどっぷりではなかったんですが、おみやげで持ち帰ってました。

敬虔なチベット仏教国
岩に張り付くように建てられたタクツァン寺院の標高は3100m。ほぼ富士山。
ゆるいガイドのタシくん、元気かな

そうそう、あまり見かけない国で言ったら「タイ」も2本飲んでます。これも現地で買いました。

バンコクからタクシーをチャーターして、グランモンテとPBワイナリーという、ふたつのワイナリーをまわりました。これが2020年のお正月。

このあと世界が一変することを、このときは誰も知る由もなかった――というモノローグがぴったりの、楽しげなブドウ畑の写真がわたしのフォトアルバムに残っています。切ない。

東南アジアの土壌と天候って、どう考えても全然ワイン造りに向いていないと思うんですよ。どう考えても暑い。いくら高原とはいえ、暑い。
それでもやっぱりワインを造るんだ!という、熱い思いを感じて好きです、南国のワイン。

人類ってほんとにワイン好きすぎて、かわいいですよねぇ…
ほんと、ワインひとつにこんなにムキになるなんて、かわいい生き物だなァ人類って…!(人のこと言えない)

ファンダン・ヴェトロ・レ・テラス [¥3300]

<ワインdata>
国:スイス 種類:白ワイン 品種:シャスラ(ヴァレー州シノニム:ファンダン) ヴィンテージ:2020 生産者:ジャン・ルネ・ジェルマニエ インポーター:やまきゅういちスイスワイン

<バランス>
酸味★★★★☆ 糖度:★★★☆☆ 香り:★★★☆☆

さて、今夜もそんな「1本だけワイン」、スイスのシャスラです。
「スイスワインを初めて飲むんですが、どれがいいですか?」とうかがいながら選びました。

毎度おなじみ、世界を旅するワイン展です

スイスのヴァレー州では「ファンダン」と呼ばれるシャスラ。以前、ロワールのシャスラをいただいたことがあったのですが、シャスラといえばスイスが本拠地。
「スイスを初めて飲むなら、やっぱりシャスラかな!」と力強いお墨付きもいただき、お持ち帰りしました。わくわくしますね~!

さて、抜栓です。

外観はやや濃いめのイエロー。ちょっと粘性を感じます。

香りは最初柔らかいです。それでも、りんごのようなふくよかな果実味が感じられます。温度があがるとともに、スイカズラのような華やかな白いお花の香りが漂って、後半ははちみつのような、糖度の高い香りに変化していきました。

この味わいがおもしろくて、くちに含むとまずシュワッと微弱発泡を感じます。これは単に若いからだと思うのですが、くちあたりはかすかに残糖を感じるんですよね。かすかに甘い。

でも、それを覆い隠すほどの厚みのある酸がじゅわっと流れ込み、うわあ、酸だ!と思った後で、苦みをともなった余韻がぐーっと後を引いていきます。

なんか、あまり他で感じたことのない不思議な感覚です。

これ、なんていうか、まるで花火みたいだなって思いました。
最初にドン!と打ちあがって、わあ綺麗!と思った後、ぱらぱらと糸を引いていく余韻のような。

鮮やかな第一印象で、「おっ?!キラキラ系?!」と思わせておいて、実は後半に実直な雰囲気があって「え、まじめだったんですね?!」みたいな。そんな感じでした。

これが、いい感じに和食とマッチしてたんです。
白身魚のネギ焼きといただいたのですが、魚の「塩み」と「苦み」の部分に綺麗に重なる感じで。全然、どっちも、嫌な感じになりませんでした。

そうそう、こうしてみると、ちょっと日本酒みたいな感じもするな、と思いました。
最初、樽香?と思って、いや、ぺトロール香?って思ったんですが、なんかそういう、吟醸香みたいな、ちょっと粘度の高い香りがするんですよね。不思議。

ロワールのシャスラにもナッツ感やヨーグルト感を感じましたが、たまたまなのか、こちらのほうが切れ味のいい酸味をともなっていました。うーむ、おもしろい!

というわけで、我らの「ワインで世界旅日記」に、また1か国が追加されました。これで32か国め!

出会うたび世界を好きになって、また愛おしい場所が増えていきます。

スイス、いい国なんだろうなあ!

それでは、ここまでお読みいただいてありがとうございました!
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それでは、また次の #3000円ワイン か、 #ワ活 でお会いしましょう。3000円台のワインをこよなく愛する、3000円ワインの民ますたやでした(^○^)🍷

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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)、夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得、2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得、現在はWSETLevel2を英語で挑戦中の、ワイン大好き夫婦です!

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