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[3000円ワイン]草原をわたる、フランスの風〈南アフリカ/ソーヴィニヨン・ブラン〉

さて、イベント後の心地よい疲れの残る週末の夜。まったりとした時間を彩る #3000円ワイン に、南アフリカのソーヴィニヨン・ブランを選びました。

▶ コミティアでワインエッセイ本を売ってきました

このソーヴィニヨン・ブラン、先日のアフリカーさんの店舗でおこなわれた試飲イベントで出会って、そのままおうちまでお連れしたワインです。

ちょっと試飲会の振り返りですが、この会は「焼き鳥に合うワイン」ということで、南アフリカ産の「焼き鳥にあう」ワインがずらりとご用意されていました。

そして焼き鳥もご用意されていました

赤ワインは「ねぎま」の「ねぎ」に合わせて、青っぽいニュアンスの出やすい「カベルネ・フラン」をメインに。
そして白ワインもおなじく、「ねぎっぽい香り」にあわせてソーヴィニヨン・ブランが3本チョイスされておりました。

ここでワインビギナー向けのワイントリビアですが、ソーヴィニヨン・ブランって、「ねぎ」「草」みたいな青い香りがすることがあるんですよね。
特にニュージーランド産のソーヴィニヨン・ブランは、このねぎ香のもととなる「チオール」という香りの化合物を強調するような醸造方法を意識的に推し進めており、結果的に「ニュージーランドのソーヴィニヨンブランといえば、これ!」って言いたくなる、さわやかな草原の香りをまとうことが多いのです。

この、ソーヴィニヨンブランの「草感」、わたし、大好きなんですよ。

もともとわたしはそんなに香りに敏感なほうではないと自覚しているので、なんていうか「品種特徴香」って『言われてみれば、そんな香りもするような…?(しないような…?)』っていうことも、全然ある、っていうか、だいたいそうです。

え、菩提樹…?(って、どんな香り…?)みたいなこと、全然ある、っていうか、いつもだいたいそうなんですよ。

夜な夜なワイングラスを傾けながら、「かすかなバニラ香に、ラズベリー、ブルーベリー、若干薔薇のようなフラワリーな雰囲気もあって、そこにちょっと動物的なニュアンスが…」って言ってる夫氏を横目に、とりあえず飲みますからね、わたし。

飲んでから考える。そして美味い。それがわたしのジャスティス!(う、うるせ~!)

ってなわけで、そんなわたしにも「わかりやすい」ソーヴィニヨン・ブランの香り。
しかも、わたしの大好きな酸味じゅわっと、フルーツ丸絞りフレッシュ!みたいなテイストになることも多く、舌にのってくるほんのりとした塩みも含めて、目下「推し品種」に認定されているのでした。


さて、こちらのワインを試飲させていただくとき、「これがいちばん、ソーヴィニヨン・ブランらしい香りがします」と、田邉ソムリエからご案内いただきました。

確かに、グラスに鼻を近づけた瞬間、ふわあっ!と草原が広がっていきます。う~~~ん、ジャスティス!(う、うるせ~!)

さすがのねぎまペアリングも大成功で、ワインも美味しい、焼き鳥も美味しい、至福の時間。

楽しかった1日の終わりに、そんな楽しかった試飲会の思い出が重なり合い、「よし。今夜、あれ行くか」「うむ。行こう、大草原」とあいなりまして、食卓にご登場!というわけだったのでした。

ライナカ バイオダイナミック ソーヴィニヨン・ブラン 2019 [¥3069]

<ワインdata>
国:南アフリカ 種類:白ワイン 品種:ソーヴィニヨン・ブラン ヴィンテージ:2019 生産者:ライナカ インポーター:株式会社マスダ

<バランス>
酸味★★★☆☆ 糖度:★★☆☆☆ 香り:★★★★☆

それでは早速ですが、グラスに注いでいきます。

試飲会でいただいた思い出がまだまだ鮮明ですので、新しい驚きというよりは、思い出をなぞる形になっていきます。これはこれで、楽しいワインの楽しみ方。

イエローが強いですが、かすかにグリーンがかった若々しさがあります

グラスに注いだ瞬間から、たちのぼる草原の香り。

あ~~~そうそう、これこれ!
嬉しくて思わず「ふふっ(笑)」と笑ってしまいます。ふふっ…いいなこれ、知ってたけど、美味しそうだなぁ、知ってたけど…!

くちに含んでみると、じゅわっとした酸と、グレープフルーツのようなジューシーさが満ちていきます。ほんのりとした苦味は、きっと「うまみ」と呼ばれるやつ。いやあ、相変わらず、美味いワインだな~

で、ここまでは想像どおりというか、「思ってた美味しさのところに、思ってた美味しさがやってきて、美味い」っていう感じだったのですが、じわじわと時間をかけて飲んでいくうちに、なんだか表情が変わっていくのです。

・・・あれ、なんか、ちょっとエレガントな雰囲気、ない?

そうなんです。あけたてのフレッシュな草原感ももちろん好きだったのですが、後半になるにつれてこの香りは穏やかになっていき、後半はむしろ液体の綺麗さというか、クリアな印象のほうがどんどん前面に出てくる感じがしたんですよ。

ああ、そうか。香りの豊かさに隠れていたけれど、実は奥ゆかしく、上品なひとだったのね、あなた…!

え~~~、なにこれいいワインじゃん…!

ソーヴィニヨン・ブランって決して「安品種」ではないですが、お安く手に入れても十分に美味しいポテンシャルを発揮してくれる品種ではあります。だから3000円台を出して買うとなると、それなりに「いいソーヴィニヨン・ブラン買ったな!」感があるのですが、

確かにこのワインは時が経てば経つほど、「いいソーヴィニヨン・ブラン」感が立ちのぼっていき、そういうわけで、なるほど3000円ワインにふさわしい、凛としたお姿を見せてくれたいいワインだったのでした。

まるでフランス、ロワール地方のソーヴィニヨン・ブランみたいな――などと言えるとかっこいいので、覚えておいてください!

白身魚のネギ焼きともマッチ!

それでは、ここまでお読みいただいてありがとうございました!

また次の3000円ワインでお会いしましょう、3000円ワインの民、ますたやでした^^

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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)、夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得、2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得、現在はWSETLevel3を英語で挑戦中の、ワイン大好き夫婦です!

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