見出し画像

春のカジュアル試飲会開催~みんな違ってみんなワイン~

ますたやワ活の本丸、3000円ワインがたくさん飲める、ワインの試飲会が開催されました🌸

主催はワインのインポーターであるセパージュ株式会社さん。今回ますたやにお声をかけていただきまして、当日までの宣伝&当日楽しく参加する役をおまかせいただきました。アッハッハ、いちばん得意ですがなにか?(真顔)

会場は自由が丘にあります、こはくどきさんです。みて、白い邸宅みたいな瀟洒な外観なんですが、ここワインショップ&バーらしいという噂なんですよ信じられる?

噂はホントだった

なにはともあれ、こんなにたくさんの3000円ワインが一堂に介することなんてあとにも先にもない……!(ない………ッ!!!)というわけで、わたしもワクワク待ちわびていた今回の試飲会。終わってみたら、ワインのことだけじゃなく、あらためてワインとの向き合い方を考えるいい機会となりました。

せっかくなのでみなさんにも共有したいんですが、ちなみにこのnoteは、特にだれにも頼まれず、勝手にかいてます。勝手に書いているということはここから先は案件ではないということで、つまり、ただの趣味

ただの趣味も仕事もおなじくらい、いや、なんなら趣味のほうに若干ちからを込めがちなわたくしますたや。遊ぶように仕事して仕事くらい本気で遊ぶ、が人生のテーマなんですが、ますます遊びと仕事の境がなくなって来ている気がしてなりません。

まあ………いっか!楽しいから。

というわけで、今回もわたしの本気遊びにお付き合いくださったみなさん、ありがとうございました!おかげで人生が楽しいです。よかったらついでに、ことの最後までお付き合いください~!

こちらは当日の反省会の様子。なにも反省するつもりがない(最高)

セパージュさんのワインについて

今回の試飲会を開催されたセパージュさんは、もともとは南仏の小規模生産者がお得意なインポーター。日本では「ラングドック・ルーション」とひとまとめに呼ばれがちな南仏エリアを、あえて「ラングドック」と「ルーション」にわけているところからも、南仏産地への一家言が垣間見えます。

これにはどうやら会社を立ち上げた社長さんが南仏ご出身であることも関係しているようですが、現在ではスペインやイタリアなど、各地のワインも仕入れているんだそう。

余談ですが、今回のイベント担当をされていたセパージュのスタッフあきもとさんによると、社内スタッフはフランスの方がいちばん多く、社内ラインではフランス語と英語が飛び交ってるんだって。最近、そこにイタリア人が加わったそうで、英語とフランス語がいけるフランス人、フランス語しかしゃべれないフランス人、英語と日本語しかしゃべれない日本人に、ときどきイタリア語……という非常にカオスなタイムラインが爆誕しているそうです。なんか…地球だな

さて、会場にずらりと並ぶワインたちは、一見してポップでカラフル。

いわゆるナチュラルワインっぽい雰囲気もあるので、あきもとさんにそのあたりについて伺ってみました。

いい笑顔!

「セパージュのワインでいちばん多いのは、ビオロジックやビオディナミ農法によって栽培されたブドウをもちいたワインです」

「一方で、醸造になると、亜硫酸はもちいる生産者が多いんですよ」

なるほど。ナチュラルワインの定義はさまざまですが、この「栽培」か「醸造」か、それとも両方か、という点に焦点をあてると理解がシンプル。

あきもとさん、終始こんな風に説明がシンプルでわかりやすいので、ついなんでもかんでも聞きたくなります。すき。

心に残ったワイン8選

それではここで、試飲した全24種類のなかから心に残ったワインについて書いていきます。

ちなみにセパージュさんは、小売(酒屋など)での販売よりもレストランへの卸がお得意なインポーター。今後はわたしたち自宅飲み勢にももっとお届けしたいとのことでしたので、朗報をお待ちしております!

カヴァ・マノス・ブリュット/ラベントス・ロセル[¥2800]

こちらは1杯目のカヴァですが、しっかりとした果実味を感じました。カヴァで¥2000台後半ってややお高いほうなんだけど、その分厚みのある飲みごたえを感じるワイン。柑橘とほんのりハーバルな雰囲気がまた爽やかでいいい。最後まで飲んだうえでもう1回飲みましたが、やっぱり美味しかった。かけつけ1杯にちょうどいい!

エフェ・パピヨン・ブラン/ロック・デ・ザンジュ[¥3251]

こちらはグルナッシュ・ブラン主体の白ワイン。グラスから香りを取った瞬間に「ウワ華やか!」と思わずこぼれるほどのアロマティックさ。白い花の香水のような、飛び抜けた香り高さがありました。あきもさんによると、本来はグルナッシュ・ブランってもっと香りが強いんだそうです。へ~!ということは、どちらかというとエレガント寄りとも、いえるのかも。

▶ ちょうちょセット赤白、どちらも美味しかった

ソーヴィニヨン・ブラン/ヌアラ[¥3400]

グラスから香りを取って1秒で「これはニュージーソーヴィニヨンだな!」と宣言したこちら。ザ・ニュージーランド感あふれるパッションフルーツ系ソーヴィニヨンブランです。一方で、綺麗な酸はどこか旧世界的で、青みは柔らか。どうやらフランス人がニュージーに渡って造っているらしく、フランスではもっとも売れているNZSBらしいですよ。へ~!

白ワインは全体的に、ふくよかで華やかなアロマがありながらも、硬水のようなミネラルを感じるワインが多かったように思います。あきもさんによると、特に沿岸部で造られたワインにはそういったミネラルの雰囲気が出やすいのでは、とのこと。スペイン沿岸や南仏地域が多かったので、そんなワインが集まったみたい。

なにせお食事と合わせやすそうなワインばかりなので、ワインを飲むほどお腹がへりました。ぐぅ。

ラ・トレメンダ・ティント/ボデガス・エンリケ・メンドーサ[¥3251]

さて、赤ワインゾーンに入っていきます。赤ワインは全体的に、ジューシーな果実味を感じるワインが多かった印象です。そう、そこはわたしの主戦場。ええい、全員まとめてかかって来いや!

というわけでひとりめのこちらは、スペインのモナストレルです。モナストレル、あんまり飲むことは多くないんですが、わたしは好きな品種なんですよね~。じゅくじゅくした果実味が感じられて、そのうえ酸も伸びやかで…今回は2本のモナストレルがありましたが、わたしはこちらの、全体的にまるみのあるほうが推しでした。やはり酸を感じる赤い果物系の口当たりなんですが、タンニンはありながらもシルキーな印象。ややシックで、ちょっとお上品なモナストレルでした。よいよい。

クリアンサ/ズアゾ・ガストン[¥3400]

今回はそこまで樽が強い赤はなかったのですが、こちらはほの樽を感じたワイン。酸味を感じる果実味ジューシー系ではあるんですが、全体的にはどこか軽やか。一方で、タンニンやアルコールはしっかり感じるという、「重」と「軽」が混在した不思議なバランスでした。何回か飲んで、重心の所在を確かめたくなる。

レ・ザリジエ・シラー/メゾン・ヴァントナック[¥3000]

アッハッハ!きみはシラーだ!」とこれも、飲んだ瞬間宣言したワイン。お化粧のお粉のような色気むんむんの香りが、グラスいっぱい広がります。ほんのり黒コショウのスパイシーなニュアンスも。昔わたしにワインを教えてくれたソムリエが、「シラーって、夜のお姉ちゃんと遊ぶようになって覚えたんだよねアッハッハ!」って高らかに笑ってたのを思い出します。ワインより夜のお姉ちゃんのほうが気になる(雑念)

カセーズ16/ルスタル・ブラン[¥3251]

グラスから立ちのぼる、ドライフルーツのような熟成の香り。これは間違いなくちょい熟してる、と思ったら2016年でした。飲んでみるとまだまだ若々しく、酸も綺麗で果実味も豊かに感じられます。この酸化熟成香とフレッシュな口当たりのバランス、わたしはすごく好きで、今回こちらをお持ち帰りしました。フレッシュジューシー大好きだけど、たまにちょっと熟成が進んだの飲むと「やっぱいいなぁ…」と思っちゃいます。なんでも好きか(しあわせ)

コート・ド・トング・ルージュ/ドメーヌ・モンローズ[¥3000]

キャンディみたいなチャーミングな香りと、フルーツの凝縮感。素朴ながらどこか上品さもあって、「田舎娘の結婚式」という感じでした。好きなんですよね~こういう、ちょっとあか抜けない素朴な感じのワイン…どことなく郷愁を感じます。あたしが田舎育ちだからかな。

ラ・ベルジェリ/ル・クロ・デ・サントネール[¥3350]

締めの1本。ここまでくるともはや味の記憶はあいまいですが、全体のバランスはまるく、優しい印象だった覚えがあります。それでいて果実味も感じられ、食事と合わせるのも楽しそう。なんせブレンドは、安定感があっていいですよね。

というわけで、心に残ったワイン8選でした。あー、美味しかった!3000円ワイン、やっぱおもしろいな…!!

みんな違ってみんなワイン

実はこの日、試飲した1本のワインに強いブレット香を感じたんです。

いわゆる「馬小屋臭」と呼ばれる香りで、この酵母の香りが、わたしはあんまり得意じゃないんですね。だからこそこの香りが出やすいナチュラルワインには積極的には手を出さないんですが、今回はひさしぶりに「おっと?」と思うくらいかなり強いブレットを感じたんです。

でもね。このワインが、1番美味しい!って、おっしゃるお客様がいらっしゃったんです。

正直、びっくりしました。好みかどうか、という範疇を超えて、もはやわたしにとっては「おっと?」と思うようなワインでも、好きだ(しかも1番だ)とおっしゃる方がいる。その方は、「ブレットを感じなくもないけど、その奥のワインがちゃんと美味しい」とお話してくださいました。これ、わたしにとっては、ハッと目が覚めるような体験だったんですね。

わたし、わかってるつもりだけど、全然わかってなかったんだな、と思いました。ワインの好みって本当に、まじで本当にひとそれぞれで、生まれ持った感性も、育ってきた環境も、出会ってきたワインも、全員ばらばらなんだ。そしてそれはおそらくワインだけじゃなく、たとえば絵画でも、音楽でも、小説も、演劇も……とにかくいろんな分野で、こういうことが起こるんだな、と、あらためて思ったんです。

たとえば将来、わたしがお店を開くとして…と、最近はそんなことばかり考えてるんですが、わたしが美味しいと思うワインと、お客さまが美味しいと思うワインはたぶん、微妙に、そしてときにまったく、衝撃的に、違う可能性があるんですよね。

それはもちろんワインだけじゃなく、食事や、雰囲気、わたしのサービスについてだって、わたしが最高と思うものを、いまいちだと思うお客さまがいらっしゃる。その差分を、どんな風に埋めていくのか、あるいは、埋めないとしてもどのように自覚していくか。そのあたりって、めちゃくちゃプロフェッショナルの仕事じゃん…!と、なんというか、身震いしました。

世界って本当に多様だと、わたしはワインに教えてもらったんです。コロナ禍で世界がどんどん小さくなり、そして分裂していくような痛みを感じていた頃、ワインはいつだって「それも、OKじゃん」って、言ってるように聴こえていた。

それを、忘れているつもりはなかったのに、いつのまにこんなに凝り固まっていたんだろう。どうして世界がひとつだなんて思ってしまうんだろう。自分から見える世界が人からも見えているはずだなんて、どうしてそんな風に感じてしまうんだろう――

でも。

だからこそ翻って、わたしが好きなものは好きだ、と胸を張って言いたいとも思いました。「好き」は100人100色、全員違っていて当然。だったらわたしは、わたしの「好き」に胸を張りたい。誰がなんといおうと、わたしが好きなんだ。そして、おなじくらい、あなたの「好き」も理解したい。そうやって凛と、この場に立っていたい。そう、強く思ったんだけど、わたしは一体なんの話をしているんだ。

ただ試飲会に参加しただけで人生の話になる、しめっぽいますたやのいつもの癖です。すみません。ワインを語ることは、人生を語ること。文句あるか、海賊王!(CV 中井和哉)

というわけで、そんなしめっぽいますたやを引き続きよろしくお願いいたします。もっとみんなの「好き」を聞きたいし、何度だってハッとしたい。それがわたしにとってのワインの楽しみのひとつなので、ぜひまたどこかで乾杯してください!

あ~、楽しかった。セパージュさん、呼んでくださってありがとうございました!ワインの解像度どころか人生の解像度があがりました。今後とも、美味しいワインライフのおとも、よろしくお願いします!🥂

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワイン好きが高じて、2023年3月から都内のワイナリーで働きはじめました。
2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得/2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得し、現在はWSETLevel3を英語で挑戦中。

▶ 詳しいプロフィールはこちら!TwitterやInstagramもフォローお気軽にどうぞ♪

▶ メンバーシップ【Bar3000~ママの小部屋~】へのご参加はこちらから

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この記事が参加している募集

イベントレポ

サポートでいただいたお駄賃は、バッカスへの課金に溶かしていきます!