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パン屋と口コミとそれを見る人の心理

口の中にクミンと豚肉の後味が残る。

久しぶりに寝起きが良かった土曜日の朝。
パンを買いに行こうと、近くのパン屋をGoogleMapで検索。

この前行った一番近くのパン屋。評価が微妙(味はそんなに悪くなかったと思う)
自転車で8分とちょっとだけ遠いパン屋。評価良しでこちらも一度だけ行ったことあるけど味も良かった。

でも、評価が微妙のパン屋、GoogleMapのキビシメなコメントにまでえらく丁寧にリプライしている。
「パサパサ」「子供も美味しくないと言っていた」などパン屋にしたら自信喪失しそうなコメントに、「厳しいご指摘ありがとうございます」なんて一生懸命返しているのが、なんというか不憫に思った、とはちょっと違うな。応援したくなった、みたいな軽くて純粋なものでもない。とにかく「今日はこのパン屋にしよう」と思った。

(お店の扉を開ける)
「いらっしゃいませ」女性の店員さんがニコッと笑顔で迎えてくれる。奥の厨房では男性が朝の窯で忙しそうにしている。

目に飛び込んできたのはライ麦パンのポークサンド。紫キャベツと黄色いチェダーチーズで食欲をそそる見た目をしている。クミンが隠し味になっているようだ。一瞬、朝から豚肉か・・と思ったけど、GoogleMapのコメントで「ライ麦のクリームチーズは美味しかった」とあったのでライ麦パンに惹かれていた。

その後、そんなに買う予定じゃなかったけど、もともとパン好きだし、夫が好きそうなカレーパンも・・とか口実作ってるうちに財布の紐が緩んで、結局たくさん買ってしまった。

お店出る時も、いつもより愛想多めで「ありがとうございます〜」なんて言いながらお店でた。

歩き出してすぐに、心の中で立ちどまった。
あれ、、私がしてることってなんだろう。

ネット上の口コミに勝手に反発心を抱いて、お店が少しでも「いい客もいたから頑張って続けよう」と思って欲しいなとか、そんな濁った気持ちで愛想振り撒いてた、、

本来は朝食のパンがほしかっただけで、このお店で、こんなにたくさんパンを買うことが目的ではなかった。

真摯なリプライを見て、純粋に応援したくなった、でもない。それならまだ潔かった。

痩せた野良猫をみて可哀想だから餌をあげる。みたいな感覚かもしれない。一時的な心の痛みが自分の善意によって満たされるための行為。猫がその後どうなるかなんて気にしていない。

・・まあパン屋がどうなるかと私は関係ないだろうけど。

自分の行動心理に気づき、ハッとした土曜日の昼前でした。

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