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エッセイ 風が身体のどこかを通り抜け、ひんやりとした感覚をもたらしてくる

新劇場版「エヴァンゲリオンQ」を見終わった瞬間、大きい声で「意味がわからん!」と叫んだ。直後、こだまが呼応するかのように「意味がわからんのはお前だ」と、どこからともなく言われたような気がした。

やる気が出ないのはいつものことであるので、今日は気ままにドライブを堪能した。田舎道というのは、面白いものであり、細道を気まぐれに右折するだけで、風変わりな景色を見ることができるのだ。田舎至上主義かつ都会ニヒリズムを自称する私にとって、これは趣味の1つと言える。

発汗した身体に対して潮風が吹きすさぶ。お金のかからない家庭的な清涼剤である。

時折、その風が心臓のあたりを突き抜け、ひんやりすることがあったのだが、あの現象は一体何なのだろう。

身に覚えが無いとも言いきれず、

昼の時間帯、中学校の2階のトイレから、自転車小屋を見る時、なぜか部活帰りの放課後の情景が目に浮かぶことがよくあった。その度に身体のどこかが弛緩して、ひんやりと感じていた。

今日抱いた感覚は、中学校の時のあの感覚とよく似ている。

「何かが私の中を突き抜けようとしている」

こういうエセ文学的表現で、感情を誤魔化すのはとても嫌いだが、現段階では形容できそうにない。しかし、1つ言えるのは「ひんやり」としている。

「一体、この感覚は何なのだろう」

疑問に思いつつ、なぜか手放したくもないのである。

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