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2/12-2/15のごちそうさま〜京都大阪①

この週は特別版。4日間京都→大阪→京都→大阪にて、息子と過ごして来ました。息子、5年ぶりに私の両親祖父母のお墓参り。そして、かなり遅くなったけれど、北野天満宮さんへ行き大学受験合格のお礼を。美味しいものいろいろ、それ以外もいろいろいただいた日々でした。

2/12日曜日 お墓参りと焼肉と再会

曇り空の横浜を出て、京都へ。途中富士山は見えず。ここ数年、のぞみに乗っても富士山は見えない。京都駅着いて、荷物をホテルに送ってもらう手続き済ませて、在来線に乗る。山崎駅に着くと、毎度の急な上り坂を登り、お寺に到着。この日は暑くて、汗までかいた。

息子と二人で丁寧に墓石や周りを掃除して、ろうそくに火をつけ、お線香あげる。空を見たら、遠くにとんびが飛んでいた。観音様、閻魔さん、大黒さん、お不動さん(ぎょうさんいてはるお寺なのだ)に手を合わせて、お寺をでる。息子は久しぶりやのに、なんやゆっくりできへんかったなあ、と思いながら大阪行きの電車に乗る。

大阪駅やグランフロントはかなり人多め。兄夫婦と待ち合わせの焼肉屋さんへ。

写真は撮らず、食べてしゃべる。
サシの入ったお肉が好きだった兄は、赤身を選ぶようになっていた。
兄がホルモン盛り合わせを頼んだ。
あれ? ホルモン好きやったんや。
子どもの頃、私が近所の定食屋さんでホルモン定食食べてたら「げっ。お前ホルモンなんて食うん?」言うてたのになあ。そんな私も「アルコール飲まれへんねん」って言うて兄夫婦に驚かれたから、まあみんな年を重ねていろいろ変わるのだ。

お母さんと一緒じゃなくても、こっち来たら連絡してな。

別れ際、兄夫婦が息子に言うてくれていた。家から離れた土地に頼る人がいるのは心強い。息子が家を出た時に、そのありがたさがわかるだろう。

息子は父親(元夫)に会いに行き、私は久しぶりのnote仲間さんと待ち合わせ。
午後3時の大阪梅田界隈、ゆっくりお茶できるところはどこも満席。意見合致してホテルのラウンジに行ったら、大正解。私たちが座ってしばらくしたら、人が並び始めた。タイミング良かったね。しかも、他のテーブルと距離があるので、お互い安心していろいろ話ができた。
時間制限2時間って言われていたけど、なぜか急かされることなく、じっくりたっぷり話せて聴けて。いい時間だった。

話して、聴いて。自分のなかから放していく。
楽しかったねー!って言いながら、軽やかに駅まで歩く。
急やったけど、お声かけてよかった。

息子と京都烏丸で待ち合わせするも、デパ地下で食べたいものもなく、結局ホテル近くのコンビニでおにぎりや唐揚げ、カップ味噌汁など買って、ホテルの部屋で晩ごはん。食べながら、久しぶりに会った父子の話を聴く。息子がちょっと重たいエネルギーになっていた。
夫婦はきっぱりさっぱり別れられても、親子はなかなかそういうわけにもいかんのかなあ。

2/13月曜日 朝の清水さん〜大谷さん〜北野天満宮〜夜の祇園

清水さんで龍に会う

自宅ではそんなことないのに、なぜか朝6時前に自然と目が覚めた。
ベッドから出て立ち上がると、不思議な体感がある。なんか来てる。

龍のエネルギー

って言葉が出てきて、

いやいや、なにそれ。
あやしいって。
やばいって。

とパシパシ叩いて消そうとするが、ここは京都東山。
そんなあやしい話などてんこ盛りな土地ではないか。

着替えて、出かける用意して、息子に「清水さん行ってくるわ」と伝えて、ホテルを出た。

7時前の清水エリア。

ホテルから清水寺までは歩いて5分。朝早いが、参拝する人たち、終えた人たちもぽつぽつおられた。
「人多いから」と敬遠すること30年。久しぶりで、初めての早朝清水さんは、気持ちよかった。

外国人6割強だった
山と京都市中

清水の舞台からさらに歩き、市中の方向見て驚いた。


え。すご。
京都の町の上におっきな龍雲が。

写真だとインパクト弱まる。昔々の京の風景にも見える。
大きな龍が京の空に横たわる

しばらく眺めていたが、やがて大きな龍は消えた。歩き進めて、有名な滝にて、お水をいただく。

効果効能はどれも一緒らしい。
清水の舞台。下から見上げるのも迫力があった。
ホテルに戻り、ラウンジでコーヒーもらう。五重塔が近くに見える。

部屋に戻り、息子を起こして、母方の祖父母のお参りに向かう。ホテルから歩いて10分ほどだが、コンビニで朝ごはん食べてから向かったので、30分かかった。

いつものお店でお花とお線香を買って、祖父母にご挨拶。
「もうな、おじちゃんらも京都までお参り行かへんようになってしもて、共同埋葬にしてもろたんや」
父の葬儀の時、久しぶりに会った母方の伯父に言われた。それでもこの大谷本廟が祖父母と私と息子の待ち合わせ場所になっている気がして、京都に来たら会いに行く。
おじいちゃん、おばあちゃん、また来るね。

天満宮のうどんとポルトガルのカステラと粟餅

次に向かうは北野天満宮。バスを乗り継ぎ、天満宮のバス停に着いた頃にはお腹減ってきた。バス停降りたら目の前がうどん屋さん。雨も降ってきたし、ここでええやんと言うて入った。

京のたぬきうどん。刻み揚げと九条ネギのあんかけうどん。

あんが硬めやなあ。そやけど、お出汁は美味しいし、おネギも揚げも美味しい。
半分くらい食べ進めたら、あんがちょうどいい感じにゆるくなった。これ計算されてるんやろか。それやったら、凄いわ、ここのご主人。
途中でお腹いっぱいになってきたので、カレーうどん食べ終えた息子に食べてもろた。

ようやく、北野天満宮さんへ。
遅くなってしもたけど、息子の希望大学合格のお礼と、なんとか3年頑張りましたのご報告。

梅が咲き始めていた。
息子撮影

観光バスが止まり、2月だが修学旅行らしき学生さんたちもいて、境内は賑やかだった。
自販機とベンチのある休憩所。上を見ると、「え、ここ宝物殿ですか⁈」と思うような絵がずらずらと並んでいた。しばし息子と見入る。

あ、龍だ。今朝清水さんから見た龍みたい。

天満宮さんを出ると、息子がちょっと先を見ながら「ポルトガルの国旗や」と言う。
なんやろ。レストランかな。近くまで行ってみる⁈ と話して、鳥居横の道路を渡った。

国旗があったのは、ポルトガルカステラのお店だった。

ポルトガルのカステラに魅了された女性が、「これは日本にも紹介したい!広めたい!」という熱い想いで始めはったお店らしい。ポルトガル出身の職人さんが焼くカステラ。食べてみたい。2人ほど並んではるけど、すぐ店内に入れそうなんで待つことにした。

店内は古いお家をリノベーションしたような感じ。

2階がカフェスペース。居心地よかった。
地域によってカステラが違うらしい。日本のお雑煮みたい。
せっかくなので3種盛りを頼んだ。
右は素朴な味。左は日本のカステラに近い。奥のプリンみたいなのはトロッとしてて初めて食べるカステラだった。
苦味強めなカフェラテ。カステラが甘かったのでちょうどよかった。こちらもおいしかった。

お店を出てバス停へ。
「俺、あそこの餅も食いたい。ホテル帰って夜に食う」と息子がいう。
さすが『妖怪ハラヘッタ』。数分歩いたら、ポルトガルのカステラを忘れている。

昔から有名なこちらのお店、私も買うたことなかった。粟餅は好きやし、買うてみよう。
店内に入り、持ち帰り用のいちばん小さい5個入りを頼む。おねえさんたちが慣れた手つきで餅を丸めて、きな粉つけたりあんこつけたり。

私達の他は、修学旅行生たち、お参り帰りか近所のご婦人が、静かにお餅を食べていた。
時間の流れがゆっくりしていて、あったかくて、寝そうになる。

お餅を買うてバス停へ。平日午後の市バス、車内は静かでのんびりしていた。
夕食までホテルでしばし休憩。
日が暮れて、さらに冷えてきたが、再びバスに乗り祇園へ向かった。

祇園でおでん

中学校の修学旅行で京都に行った息子。祇園には行かなかったそうで、この機会に一度行ってみたい言うた。

彼が言うところの『祇園』はそのエリアを指すのか、クラブやバーに飲みに行くことなのか、お茶屋遊びを意味するのか一瞬考えたが即一番目と理解した。後の2つは京都で働いていた頃、上司に教えてもらったのだ。1度だけ二番目に連れて行ってもろて、人生で初めてブルーチーズを食べた。

最近の祇園はずいぶん変わって、お手頃価格の美味しい居酒屋さんも増えていた。食べログで探して、おでんの写真が美味しそうなお店を見つけた。息子と意見一致し、カステラのお店で予約しておいた。

バーやクラブの看板だらけの小さなビルが並ぶ花見小路通。「夜の新宿三丁目ってこんなんやったで」息子に言われるが、私は夜の新宿三丁目がわからん。あんたいつ行ったんやとは聞かないでおいた。

お店に入ると、カウンターに席を用意してもらっていた。私は日本酒、息子は烏龍茶頼んで早速料理を頼む。

豆腐サラダとおばんざい盛り合わせ

豆腐サラダの野菜も美味しかったが、豆腐がめっちゃ美味しかった。おばんざい、切り干し大根など煮物は自分が作った味になんや似ていた。桜エビ使ったピンクのポテトサラダかわいくて、ちょっと和風なお味で新鮮。

アボガドの酒粕漬け

これ美味しかったなあ。息子に注文任せると「おかず」ばっかりなので、日本酒に合うかと思い頼んだのだ。酒粕は、味醂と日本酒も入っているかなと、酒粕だけ舐めながら考えていた。おつまみ作るん苦手やけど、これは自分でも作れるといいなあ。

おでん盛り合わせ

メインのおでん。久しぶりに透明なお汁のおでん。大根、ちくわ美味しかったが厚揚げと玉子がとんでもなく美味しかった。赤いのはこんにゃく。こちらもよかった。

「ご旅行ですか?」

ちょっと手元が落ち着いた頃、ご主人が声をかけてくれはった。
横浜に住んでいるが、実家は高槻(京都と大阪の間にある)だったこと。
両親と祖父母のお参りに、久しぶりに息子と来たこと。
明日は鞍馬まで行くことなど話した。

その話の流れから、ずっと気になっていたことをこそっと聞いてみた。

ご主人、どちらの方ですか?

僕ね、出身仙台なんですよ。

えー!そうなんですか? 
標準語使うてはるけど、料理いただいてて「関西の方かなあ」思うてたんですよ。

仙台出身だが、家で食べていたごはんはずっと薄味だったこと。
京都に出たいと思い続けて、京都に来て。ここでお店を始めたことなど教えてくれた。

3年前くらいかな。昔通っていた京都のお店、少し味が濃くなってて寂しかったのだ。
地元の人でなく、他府県からの旅行者がお店にたくさん来はると、その人たち向きの味に変えるお店も多いそうだ。なるほどなあ。

そやけど、凄いですね。おでん、昔はこうやったもんね。
お汁が透明で飲めるくらいの濃さやないとね。

と話すと「そうなんですよ!」とご主人嬉しそうだった。
カウンターの他のお客さんたちが、おでん盛り合わせ注文しはった。

私はそろそろお腹いっぱい。
息子のオーダーはまだ続いた。

から揚げ。食べる前からいい香り。

1個だけもろた。中がめっちゃ熱々で美味しかった。

この後は、だし巻きと冷奴、おでん出汁の出汁茶漬けを息子が頼んだ。それぞれ一口ずつもらった。

出汁巻きは、カウンター向こうで料理するおにいさんが、延々と焼き続けていた。うわー、あんな強火なんやなと息子に話しながら、おにいさんのきれいな動きをずっと見てた。

「ごちそうさまでした」

と支払い済ませてカウンターから出る。靴を履いてたら、ご主人が「ありがとうございました」とわざわざ来てくださった。

美味しかったです。またこっち来たら寄せてもらいます。

と言うてお店出た。

あーさんやっぱコミュ強やなぁ。
あのおっちゃん、あーさんと喋ってるとき嬉しそうやったで。

そうか。それやったらよかったな。

俺、最後に『ごちそうさま』って言うたらよかったな。

そう思うんやったら、次からちゃんと言うたらええやん。

話をしながら四条通り渡り、反対側の花見小路通も歩く。

なんか人おらへんで。
お店、ほんまにあるん?

先ほどの通りと違い、暗いわ、人おらわで、息子が「え?これが祇園?」と言うていた。

お茶屋さんいうんはな、表からはわからんようになってるねん。

子どもの頃母から聞いた話やら、イメージやらで答えておいた。

カメラにおっきなバツ印がついた『写真など撮影禁止』の看板が、『祇園』エリアにどーんと立ってて、写真撮ったのはこの1枚だけ。

暗いなか唯一撮った写真。ドラマのおふたりは、青森から京都来てはったなぁ。

ホテルでお茶飲みながら、粟餅いただいた。賞味期限本日中の粟餅。息子のおかげで、全て期限内にいただいた。

粟餅。こし餡ときな粉。
息子、こし餡フライング。

あんな。あんたはお父さんのことも、あーさんのことも捨ててええねんで。
気にせんと、どこでも好きなとこ行って、好きに生きや。

朝起きたとき「この子は親を捨てていい」って、息子見て浮かんだ言葉。忘れんうちに、その日のうちに、伝えられてよかった。

翌日は朝から鞍馬へ。なんと雪まで降り出した。


5,000字超え。長くなったので、3日目からは②に続けます。

美味しいはしあわせ「うまうまごはん研究家」わたなべますみです。毎日食べても食べ飽きないおばんざい、おかんのごはん、季節の野菜をつかったごはん、そしてスパイスを使ったカレーやインド料理を日々作りつつ、さらなるうまうまを目指しております。