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『更年期川柳』で俵万智を目指してみた

同世代note仲間のEmikoさんが、なんやら楽しい川柳を書いてはった。

Emikoさん、うまいし、楽しい。
私も書きたくなってきた。どうやらこちらの方の企画らしい。

クロウサさん、初めまして。いきなりですが、企画参加します。と、心の中であいさつした。

更年期かあ、、、とぼんやり考えていたら、なんやトイレ入るたびに浮かんでくる。
浮かぶままに下書きに入れて、順番を考えてたら、

俵万智さんの短歌集みたいやん!

と思ってしまった。

この辺りの厚かましい発想と、それをこうして書いてしまう心持ちが、すでに更年期なのだろう(更年期『障害』ではない)。
延々と前置き書いてしまいそうなんで、そろそろ本題に。

同世代で渦中にいてはる皆さんも、更年期なんてまだ先やわと思うてはるお方も、自分には関係ないて思うてはるひとも、よろしかったらお読みください。

更年期 やたらと脅す 年長者

私がギリギリ30代だった頃。
時々晩ごはん食べに行く5歳年上の友人がいた。
当時彼女は更年期障害真っ最中で、とにかく家事をするのも辛い日があると話していた。彼女の周りには更年期障害強めな人が集まるようで、それはそれは、さまざまな『怖い話』を聞かされた。

洗濯物干すのも辛い、仕事行って帰ってきたら横になる、それでも夫は家事を手伝わない、他の病気にもなり入院する。

更年期はこんなに恐ろしいものである。

と、いう話をさんざん聞いていた。
恐怖の世界である。

そういえば。私の母や親戚のおばちゃんたちも、更年期に入ると体調崩したり、病気したり、入院してたよなあ。
やっぱりみんなそうなるんかなあと思っていた。

そして、40歳を過ぎた頃。やはり5歳ほど年上の女性と知り合い、仲良くなった頃聞いてみた。「更年期障害って出てます?」

え? 私ほとんど体調変わんないよ。
人によって全然違うよ。更年期障害ひどいひともいるけど、私やうちの母なんかは、元気に過ごしてるよ。

なんやてー!あの脅しはなんやってん!

それ以降、やたらと脅すご婦人に会っても、全く聞かなくなった。私は恐怖の世界より、楽しい世界に行くことにした。
やたらと脅す年長者には要注意。そして自分も気をつけよう。

『障害』の 自覚無けれど 更年期

40代後半になった私は、再婚して引っ越してと、生活環境と人生が大きく変わった。それに伴い、身体も変わった。

体重増加

しかも、増加しても減らない。
これが預金通帳の残高なら嬉しいのだが、残念ながら体重である。

数年経つと、毎月きちんと来ていた生理が来たりこなかったり、
予想もしないところで来たりと、かなり不順になった。
毎月きちんとくるのもしんどかったけど、不意にやってくるのも辛い。
そしてパタっと来なくなった。
向田邦子ドラマに出てくる、『不倫してる男性演じる火野正平』のようである。

(向田邦子さん、ファンの皆さん、ごめんなさい。私は向田さん尊敬してますから!そして『芋たこなんきん』再放送で、(今や自転車おじさんの)火野さんを楽しく観てますので!)

体重増加と止まったと思われる生理。
ホルモン注射も打ってないし、『病気』ではないし、『障害』とは思えなかった。だが、先日、食事改善講座の先生にそのことを話すと、言われたのだ。

ますみさん、それは更年期障害のひとつです。

これ、更年期障害やったんかーーー!

以来『体重増加』という障害を乗り越えようと、この夏は取り組んでいる。

更年期 前と後ろを 想う渦中

更年期前ってどうやったっけ?と思い出そうとするが、思い出せない。
更年期後はどうなるのかと思うと、モデルになる母もこの世におらず、親戚のおばちゃんたちとは何年も会えていない。

とりあえず、スーパーや銭湯、出かけた先で更年期後と思われる人たちをチラ見する。

元気やん!めっちゃ元気やん!

まぁ元気ちゃう人は外に出てこないやろうけど。

でも、
どうせなら、元気な方をイメージしたいこの後は(なんとなく五七五)。

銭湯に 毎日行けるぞ 更年期

うちの近所には天然温泉露天風呂を持つ銭湯がある。スーパー銭湯より近いし安いので、たまにいくのだが、平日午後3時とかにいくと、平日午前の鍼灸院並みに、ばあさんたちがいる。

ばあさんたちと入る天然温泉銭湯。

温泉とは違う効能もある気がする。

最初は不思議だった。なぜ、このばあさんたちは毎日銭湯に来れるのか?いろいろ理由はあるだろうが(市が発行してるクーポンとか⁈)

更年期の渦中またはそれを経て、生理がない

これに尽きるのではないか。

そういう私も、行きたい時に銭湯いける身体になった。私もあの温泉に、効能を溶かしているかもしれない。

締めるのも 寄せて上げるももうヤダと 身体が叫ぶ 我れ更年期

20代の頃、胸も気分も上がるブラジャーを選んでいた。背中に映るは細いライン。ホックが3つの方が安定するが、そんなんよりまず見た目!そして、自分の胸がどう見えるか!それが大事だった。

妊娠したころ、体型が変わり、ブラジャーラインに細さを求めることをやめた。出産して授乳していた頃、布だけでできた『授乳ブラジャー』なるものを使い始めた。

なんやこの、締めない、寄せない、上げないブラジャーは!!

授乳期がおわり、普通のブラジャーに戻っていたが、それから10年ちょっと経つと、ブラジャーがつらくなった。

肩紐で肩は凝るは、夏はアンダーバストに汗疹できるわ、化繊やとかぶれるわ。授乳用ブラジャーをまた使おうかと考えた。

その頃には、ユニクロや無印で、『しめない寄せない上げない』ブラジャーが買えるようになっていた。さらに、友人が布と紐だけでブラジャーを作り使っていると聞き、こっそり頼んで作ってもらったりしてた(大人の事情により、こっそり)。

思えば。お肉を寄せて、胸を上げて、キュッと締めて、とにかく『どう見えるか⁈』を優先させていた20代。身体の声など、全く聞いていなかった。その頃から小さい声で「いやそれ、無理ですて」とか呟いていたのかもしれない。
更年期になり身体の声は大きくなり、時には叫ぶ。それを聞いていくことが、生きやすいことだとわかってきた。

ブラジャー変わり、
身体が変わり、
生き方も変わるのが、更年期なのだ。

女性用トランクスなるもの買うてみて
勝負と無縁の更年期なり

銭湯から、ブラジャー、そして、パンツへと流れる私の更年期川柳。全く俵万智ではない。

快適なブラジャーを見つけた私。次に来たのは、パンツへの不快である。

鼠蹊部を締めてはいけないと、いつの頃からか目にするようになった。
鼠蹊部などという身体の場所を意識するようになったのも、更年期。
更年期になると、20代前半のような小さいパンツや、ちょっとお値段高めのかわいいセクシーな「勝ちにいく!」パンツなど履いてられない。
それでも、勝負の世界からまだ降りていない30代、40代は、「これなら勝てる!」パンツを履いていた。すでに20代からみたら大負けパンツなのだが、勝負の世界に踏みとどまっていた。

そうして、40代後半になり始まった更年期。Vラインのゴムすら不快になってきた。さらに夏は、命の危険すらある猛暑。
鼠蹊部を締めない、履いてて涼しいパンツはないものか。
息子と夫のパンツを畳んでいて、ふと気がついた。

トランクスやったら、ええんちゃう?

こう発想した瞬間、勝負の世界から離脱確定。

スマホで早速検索すると、ユニクロメンズ用トランクスを愛用する女性もいると知った。Tシャツは息子や夫と交換しているが、流石にパンツは嫌だ(彼らもな)。画面をスクロールすると、『女性用トランクス』という文字を見つけた。

その言葉でさら検索すると、まさに、トランクス型の女性用パンツが出てきた。『ナイトパンツ』とか『くつろぎパンツ』などの名前がついていた。試しに夜寝る時用に2枚買ってみたところ、

快適。

鼠蹊部を今までどれだけ締めていたのだろう。
ごめんね、私の鼠蹊部。
もはや勝負の世界に、勝ちにいくパンツに、なんの未練もない更年期である。

更年期 終われば魔女になれるらしい 魔女なら生きれる あと200年

最近、生理が不順やねん。今までめっちゃきっちり来てたのにな。
もうそろそろ『上がり』なんかなあ。

そうか。更年期のお年頃やもんなあ。でもな、女の人は生理終わって、更年期終わったら、魔女になれるねんで。

7年ほど前だろうか。まだまだ若い、絶賛子育て中の凄腕ヒーラーな友人と話していた時、彼女にそう言われた。

え⁈ 更年期終わったら、魔女になれるん⁈ 何なん、その楽しそうな情報!!

生理不順の解決にはならなかったが、『魔女になれる』にワクワクした。魔女になれたなら、100歳なんて楽勝ちゃう⁈ そういえば、夫の母は90歳だが、元気に一人暮らししている。私が子どもの頃は珍しかった『100歳のおばあちゃん』も、今は結構多いらしい。彼女たちは、魔女だったのか。

それならば。

私が70代になる頃は、150歳のおばあちゃんも増えているかもしれない。

人生の残り100年以上、魔女で生きるなんてめっちゃ楽しそうではないか。

更年期の今も、その後の人生も、なんだか明るくなってきた。





美味しいはしあわせ「うまうまごはん研究家」わたなべますみです。毎日食べても食べ飽きないおばんざい、おかんのごはん、季節の野菜をつかったごはん、そしてスパイスを使ったカレーやインド料理を日々作りつつ、さらなるうまうまを目指しております。