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教えてもらったサーカズム

「サーカズム」という言葉を知っていますか?
私は友人 H に教えてもらうまで知りませんでした。
それもそのはずで、一言では日本語訳できない概念なんですよね。
広く知られた言葉でもないと思うので、ご紹介も兼ねてお話します。

【サーカズムとは?】

まず、サーカズムについてです。
英語圏では日常的に使われるコミュニケーションらしいです。
検索をかけると「皮肉」とか「イヤミ」と出てきます。
もちろんそういった使い方もあるんですが、それだけではありません。
「事実とは違うとわかったうえで、事実と反対のことを言う冗談」とでも言いましょうか。
やっぱり日本語だと一言では表せないんですよね。

具体的な例をお話したほうがわかりやすいかと思います。


とあるレストランにて
食事を終えた客 ( 客 ) と、完食したお皿を見たウェイトレスさん ( ウ ) の会話

ウ「あら!お口に合わなかったですか?!」
客「そうなんです!あんまりまずかったんで、その辺の野良犬に食べさせたんですよ!」
ウ「そうでしたか、それは失礼しましたwww」
客「いやいや、また来ます!」


どういうことかというと、まず「あら!お口に合わなかったですか?!」というのがお笑いで言うフリみたいなもので、開始の合図になっています。
完食しているわけですから、口に合わなかったなんてことはないのは、見ればわかります。
それに対して「野良犬に食べさせた」というのが、フリに気付いたうえでの答えになります。

【友人 H との会話】

H とは、最近はなかなかタイミングが合わないので頻度が減ったものの、それ以前はよく話していました。
とても優秀なので、こちらとしては ( あ、この言い回しでは伝わらないかも… ) などが一切なく、数少ないストレスなく話せる友人です。
H はアメリカに留学し、そのまま数年暮らしていました。
ですから、ネイティブのサーカズムもたくさん見てきたことだろうと思います。
今は元気 ( ? ) に外資系企業で働いています。

そんな H と話していたときのことです。

「マスミさん、サーカズムって知ってる?」

そのとき初めて聞いた言葉でした。
それで、前項のような説明を受け、内心「だからなんなんだろう?」とは思いました。
おそらくそこから繋げて何か話題が展開されるのだろうと思いながら話を聞くことにしました。

すると、意外なことを言われました。

「知らないのかー、じゃあ無意識だね。
マスミさん、よくやってるよ?」

全く自覚はありませんでした。
ただ、「サーカズム」という呼称こそ知らなかったものの、言われてみれば確かにやってました。

たとえば私が、「私、純粋だからね!」と言ったとしましょう。
H は私のことを不純だと思い込んでいます。
不純だと決めつけている相手が、「私は純粋だ」と反対のことを言っている…… つまり、H としてはサーカズムが成立するわけですね。

「純粋」に関しては本気で言ってるんですけど?!

【注意点】

このサーカズムというおふざけは、「相手もソレと知っている前項のもと成立する」というコミュニケーションなので、相手や場面を選ぶ必要があります。
そうしないと、「冗談なのか本気なのかわからない人」になってしまうので、要注意です。

私はよく「真顔で変なこと言うよね」とか「冗談なのか本気なのかたまにわからなくなる」とか言われることが多いです。
やはり、H の言うように「無意識にやっている」のだと思います。

…なんかごめん。


ちなみに、サーカズムに似たものでアイロニーというものがあります。
違いは何かというと、アイロニーは自虐的な要素が強く、サーカズムは他者に対して使うことらしいです。
その辺りの差異は、私にはまだわかりません。

コミュニケーションって奥が深いなぁと再確認させてくれた H に感謝ですね。

以上
本日はこの辺で。

ありがとうございました!



P.S
今回の記事も、近しい人絡みの話題でした。
私の周りの人シリーズが好きという感想をいただいたので、マガジンを作ってみました。

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