新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症やコロナワクチンについては、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

スタートアップが組織コンセプトの言語化に踏み切るタイミングをどう見極めるか?heyがいま、バリューを策定したワケ

masumi_t

heyのPX(People Experience)部門 カルチャー本部の高橋真寿美です(heyでどんなことをしているかは、ぜひこちらを読んでいただけるとうれしいです!)。

先日、heyのバリューができました!

バリューにこめた想いは、ぜひなおこさんのnoteをご覧ください。

なお、バリュー策定プロジェクトの歩みと、本連載の関係性はこちらの図の通りです。

今回は、企画フェーズを中心に人事目線で書いていきます。「スタートアップでバリューをつくるタイミングって?」「どんな風に進めると良いんだろう?」などなど考えている皆さんに、少しでもヒントになることがあると良いなと思っています。

それでは、「Just for Funな組織のバリューを決める旅」連載第1回目はじめるよ!

いま、バリューの言語化が必要だったワケ

heyのミッション・ビジョン・バリューの定義

はじめに、heyにおけるMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の定義について整理しておきます。

  • ミッション(私たちは「こうありたい」という意思。変わらないもの):「Just for Fun」

  • ビジョン(中期的に実現したいこと。変わりうるもの):言語化しておらず

  • バリュー(heyにいる全員が大切にすること。行動指針):今回言語化した部分

現時点でheyはビジョンを言語化していません。「覚えることが一気に増えると、覚えられないよね」というシンプルな理由です。中期的に実現したいことについては中期経営計画や毎年の戦略コンセプトとして言語化されていることもあり、このタイミングではあえて言語化する必要性が薄いという判断です。

スタートアップにおける、「言語化」について思うこと

言語化はすれば良いというものではない、ということは、短いながらスタートアップの人・組織に関わってきて思うことです。「言語化する」ということは、「言葉にできない色々なことを削ぎ落とす」ということと時に同義だからです。

特にスタートアップ初期の集団凝集性の高い段階(組織規模の小ささ・共有時間の長さ・共通の困難な課題に向き合っていることなどに起因し、メンバーの帰属意識が高い状況)では、その「言葉にできない色々なこと」こそが大切だったりもするので、「いつ・どこまで言語化するのか」は結構センシティブな問題なのではないかとも思います。

なぜいまバリューの言語化が必要だったのか?

では、heyにとって、なぜいまバリューの言語化が必要だったのか?

一言でいうと「heyの組織が急拡大する中でも、heyらしく、かつ最速でJust for Funに向かっていくため」です。

バリュー策定プロジェクトを立ち上げた2021年8月当初のheyを、インタビューや組織サーベイ結果を踏まえて捉えると、ざっくり以下のような状況でした。

  • ミッションである「Just for Fun」の共感度はとても高い

  • 公式なバリューはなかったが、「敬意と疑念」「お客さんを尊敬し、お客さんから学ぶ」という、経営陣からの発信(社内ブログ)を通して生まれた言葉が、非公式なバリュー的な位置づけで浸透していた

heyは2021年1月にホールディングスと事業会社3社が集まってひとつになった会社です。前述のような状況は、組織の融和を重視して意識的につくった面もあります。

「Just for Fun」というシンプルな合言葉と、お客さんを思う気持ちという共通点で、カルチャーの異なる組織の人たちが目的を共にすることこそが大切でした。

また、お互いの背景や事情を知らない者同士で共働するためには、「敬意と疑念:相手の仕事や考えに対して敬意を持ち、自分の考えに対する疑念(客観的な視点)を持つこと」が必要でした。

こうした状況の中、さらに具体的な行動指針の言語化が必要なタイミングが「いま」でした。

事業が急成長するスタートアップにおいて、組織の成長は事業に対してどうしてもビハインドしがちです。さらに、heyの場合は会社の統合により、組織規模が一足飛びに大きくなりました。そのため、統合後の規模での組織の最適化が急務です。

その中の重要テーマの一つが、現場で自律的な判断ができる組織を維持することです。

統合前の組織の規模であれば、経営チーム・シニアマネジャーがメンバーと直接コミュニケーションでき、現場の一次情報を把握した上でのメッセージングや意思決定ができました。

ですが、組織の統合とその後の急激な人員増を経て、今はミドルマネジャーも含めたマネジメントが方針の翻訳機能を担ったり、意思決定を行う必要があります。

その中で、各々が自律的に判断しつつも、ミッション・戦略の実現に向けて一緒に前に進むためには、具体的な行動指針・意思決定基準が必要でした。

こうした背景のもと、heyではバリューづくりをはじめとする組織方針の言語化に取り組みはじめました(今回はバリューの記事なので割愛しますが、並行してheyの人材像やマネジメントポリシーの言語化にも取り組みました)。

いろいろあるけど、1番は経営者の意思

ここまで人事目線で「なぜ今だったのか?」について書いてきましたが、バリューをつくるにあたって1番大切なことはやはり経営者の意思だと思います。

プロジェクト立ち上げ時に、CEOの佐藤さんがSlackにポストした内容を一部抜粋・編集して、「なんで今だったのか?」セクションを締めくくりたいと思います。

もともと「バリュー があって行動が変わる」という話が、経験的に信用できていませんでしたが、先日10年後のheyについて経営チームで会話をしていた時に気づいたことがあります。
(中略)
10年後の組織の理想に言語的な輪郭を与えて、使えるようにする、頭に浮かぶようにする、発話しやすいようにしておくことで、その言葉が事実化していくのではないかなーと思いました。

プロジェクト立ち上げ時の佐藤さんのポストを一部抜粋・編集

320人でのオンラインワークショップの開催を決めたワケ

バリュー浸透のステップ

バリューは策定後、実際に日々の仕事の中で行動指針や意思決定基準として使われなければ意味がありません。

そのため浸透施策が肝になるわけですが、メンバー一人ひとりが日々の行動にバリューを活用するようになるまでは、一般に以下のステップを踏むと言われています(実際のところ、順番は前後することもありますし、行き来しながらスパイラルアップするものだと思ってます)。

  • STEP1 理解する:バリューの内容や、その背景について理解する

  • STEP2 共感する:バリューと自分との共通点を見出し、共感する。あるいは、これまでの行動や意思決定を変えるモチベーションを持つ

  • STEP3 行動する:日々の仕事の行動規範や意思決定基準としてバリューを活用する

バリュー策定・浸透プロセスを決める時に考えたこと

こうしたことを踏まえ、heyのバリュー策定・浸透のプロセスには、大きく2パターンあると考えていました。

<トップダウン型>

  • バリュー策定は経営チーム中心に行い、完成したバリューを元にメンバーの理解・共感プロセスを進める

  • これをプロセスに落とすと、例えば以下のようなやり方が考えられます

    1. ミッション・戦略に基づき、ありたい組織の姿(=バリューの前提)を経営チームで議論

    2. ありたい組織の姿を実現するための行動指針(=バリュー)を経営チームで議論・決定

    3. バリューを、メンバーに対して公開

    4. 各種浸透施策の実施(完成したバリューを元に、理解・共感のためのワークショップを各職場で実施・ツールの展開・人事制度への反映・モニタリングなど)

<ボトムアップ型>

  • バリュー策定プロセスからメンバーを巻き込むことで、理解・共感を策定時から高めて浸透フェイズにつなげる

  • これをプロセスに落とすと、例えば以下のようなやり方が考えられます

    1. ミッション・戦略に基づき、ありたい組織の姿(=バリューの前提)を経営チームで議論・決定

    2. メンバーも含めて、バリューワークショップを開催。ありたい組織の姿を提示した上で、行動指針(=バリュー)のタネをみんなで出し合う

    3. ワークショップで出たバリューのタネを元に、経営チームで議論。最終化する

    4. バリューを、メンバーに対して公開

    5. 各種浸透施策の実施(完成したバリューを元に、理解・共感のためのワークショップを各職場で実施・ツールの展開・人事制度への反映・モニタリングなど)

ボトムアップ型は、策定プロセスからメンバーに関わってもらうことで、メンバーの意見を取り入れやすく、また「みんなでつくったバリュー」という感覚を持ってもらいやすいことで、理解・共感を促進しやすい進め方です。

こうして並べるとボトムアップ型が良さそうですが、やはり時間と労力がかかります。トップダウン型でも、浸透施策の設計によって理解・共感を促進することは十分可能なので、人数が一定以上になった組織では、こちらのやり方を選択することが多いように思います。

当時のheyの社員数は約320名。さらに、コロナ禍によりオフラインでのワークショップの開催が難しいことを考えると、オンライン開催の必要があります。ですが、この人数で長時間・オンラインでのワークショップを成功させるためには、相応の工夫とアイディアが必要です。

こうした選択肢がある中で、heyではボトムアップ型でのバリュー策定、さらに320人でのオンラインワークショップ開催を意思決定しました。

この意思決定の背景には、以下のような想いがありました。

  • バリューは「これから」に向かうためのものではあるが、「これまで」のheyや「いま」どんな人がどんな想いでheyにいるのかを知る・共有するところからスタートしたい

  • 当時の社員の約3割が入社1年未満。シンプルに、部署を超えてお互いを知り合ったり、交流する機会をつくりたい

こうして、全社を巻き込んだバリュー策定・ワークショッププロジェクトを立ち上げることになりました。

経営×デザイン×人事企画のプロジェクトチーム

プロジェクト体制

プロジェクトのコアメンバーは以下5名です。

企画にあたっては経営チームに、実行にあたっては名前を挙げきれないほど沢山の人に関わってもらったのですが、コアメンバー&連載の執筆を担当するメンバーをご紹介します。

  • プロジェクトオーナー:なおこさん(VP of PX)

  • プロジェクトリーダー:まっつさん(ブランドデザイン:第2回執筆担当)

  • プロジェクトメンバー:たっきーさん(ブランドデザイン:第3回執筆担当)・わいすけさん(人事企画:第4回執筆担当)・私(人事企画)

heyではプロダクト開発をするように「Just for Fun」な組織をつくっていきたいと思っています。プロダクトとして組織を捉えた時に、その中のメンバーの体験を設計するにあたって、デザインの知見は欠かせません。そして言わずもがなバリュー策定に経営の意思は欠かせません。

ということで、プロジェクトのコアメンバーは経営×デザイン×人事企画で構成しました。

第2回は策定編!

ここからの先の、「2週間にわたる全社でのバリュー策定プロセスの体験と場をどのようにデザインしていったのか!?」については、第2回のまっつさんにバトンを渡し、私のパートを終えたいと思います。

次回更新は5月20日(金)を予定しています!お楽しみに!


<次回予告>
第2回:「たのしそう!」を出発点に。全社での2週間にわたるバリュー策定プロセスの体験と場のデザイン (執筆者:デザイン部門ブランドデザイン本部 松本隆応  @stam_mat2

全社でバリューを考えていく上でまず何より重視したことは「たのしそう!」と思ってもらえること。自分ごと化と一体感を演出するために、目指したのはオンラインカンファレンス並みのワクワク感。2週間にわたる全社でのバリュー策定プロセスの体験と場をどのようにデザインし、実行へと結びつけていったかをご紹介します。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
masumi_t
スモールチームのデジタル化を支援する「STORES」プラットフォームを展開する hey という会社で、人事やってます!