子どもの『間』に、ひそむもの
ずっと子どもが苦手だった。
3人兄妹の末っ子で自分より小さい子と接する機会が少なかったし、性格的にも面倒見のいいほうではなかったからだと思い込んできたけど、きっとどちらも根本的な理由ではなかったような気がする。
子どもをただ眺めているだけだったら、ああ可愛いねえ、元気だねえ、と心がほくほくするのだけど、いざ対面して話をすると、なんだかいつもドギマギしていた。
何が苦手だったのかというと、あの『間』だ。
「すきなもの、なあに?」
なにか話しかけると、子どもはピタリと固