日記①(2018.12.24)
月曜だというのに、人がごったがえしていた。それは今日が、クリスマス・イヴだから。
どこかに行きたい、と思った。そして、いつか六本木を散策してみたい、と思っていた。それで決まりだった。
とはいえどこに行くかなんて全く決めていなかった。確か美術館がたくさんあったことを思い出して、とりあえずミッドタウンにはいった。
明るくて、まぶしくて、それでも歓迎されていないという印象は受けなかった。ずっと前に来たことがあったけれど、こんなに密度が高いのには驚いた。クリスマスってすごい。あ、イヴか。
エスカレーターにのって三つくらい階を上がって美術館に入った。源氏物語を勉強したいと思った。
それからそこを出て、イルミネーションを冷かそうと思ったのに、その待機列が舞浜ランドぐらいの長蛇で、さすがにやめた。
けやき坂というところがイルミネーションが綺麗だと聞いたことがあった。だから向かった。ちょっと迷った。
けやき坂を下っていると、東京タワーが見えた。小さく見えた。イルミネーションは盛ったり弱まったりを繰り返していた。自撮り棒がたくさん立てられていた。
さすがに寒くなって、六本木の丘のなかにはいった。トロンボーンとかサックスが演奏していて、そのまえで踊る人がいた。こんな冷えるなか吹くなんて、地獄だろうな、と思った。たまごのカフェに入った。
そこでしばらくしてーーバナナケーキを食べて、今日の分のナンプレを解いてーー、外に出た。二十一時を少しすぎていた。
どうしようかと逡巡していたら、東京タワーがしつこく視界にうつった。
「そういえば、東京タワーに行ったことがない」
行く先はきまった。
『東京タワー』で芝公園とかが出てきていたから、憧れはあった。江國香織のね。
それからまっすぐ歩いた。道はだんだんさびれていった。かなり歩いた。
反対側の歩道に、喫煙所をみかけて、駆けて道路を渡った。幸い車は通らなかった。女性が二人いた。一人は外国人だった。ぼくを含めて三人とも、同じ方向(車道側)を見つめていた。いつもよりゴールデンバットがおいしかった。
それからまた歩いた。歩けど歩けど、全然近づかない。新手の東京タワー詐欺だ。あの、仲良さげな雰囲気出しておきながらそんなに近くなかった、あのかんじ。
東京タワーは大きかった。侮ってごめん。
それから芝公園にはいったけれど、暗くて全然わからなかった。
グーグルマップを開いてみると、海が近かった。奥へ動かすと、竹芝ふ頭と書いてあった。ふ頭。ドキドキした。
真っ暗ななか、ふ頭を目指した。とても寒かった。すれ違う人たちはみんな楽しそうだった。
浜松町駅をくぐった。久しぶりだった。確か二年前だかに徳之島に行ったとき以来だ。
またずっとまっすぐだった。潮の香りは全然しなかった。ちょっとがっかり。
ふ頭なんて、グラセフでしか聞いたことなかった。密売とかそういうのが行われてるのかな、と思った。
結論からいうと、海の直前までは行けなかった。船乗りば、だったから。ベンチには、一組のカップルがいた。聞いたことのある音楽を流していた。でも多分、クリスマスのそれではない。
それからすることもなくて、浜松町駅に引き返した。明るいときに来るべきだった。
由比ヶ浜にいきたい。
ついこの間書き上げたものを、章をつくって投稿します。お楽しみに。酔って書いたこんな駄文をよんでくれてありがとうね。
今まで一度も頂いたことがありません。それほどのものではないということでしょう。それだけに、パイオニアというのは偉大です。