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杓の柄窓

今日は神奈川県小田原市にて竣工した茶室の写真撮影に立ち会った。この茶室には面白い窓がつけられている。写真の窓は茶道で使用する柄杓の柄を切り取って藤の蔓で固定して作られているもの。通常の下地窓は木舞下地の細竹が見えているが、杓の柄とは面白い。

このデザイン、元々は京都にある裏千家今日庵の茶室群の中にある寒雲亭と大水屋との間にある六畳、溜精軒にある窓である。これは玄々斎の好みで、逆勝手出炉。風炉先の下地窓が使いふるしの柄杓の柄でつくられていて、「杓の柄窓」と呼ばれている。

このような設えひとつとっても、創意工夫で色々なものが作れるのが建築の面白いところなのだと思う。

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