「顧客視点」という意味で面白い話があるので、書いてみる。
先日こんなニュースが流れてきた。詳しく読むと冷凍餃子がフライパンに貼り付いてしまうというSNS投稿を発端に、味の素が3520個のフライパンを回収し、分析すると言う狂気のような企画らしい。
その時のストーリーはこちら。
そして、フライパンの提供を呼びかけた結果、3000個超えるフライパンが集まったという。
届けるお客さんもすごい。確かに冷凍餃子は美味しい。日本中の情熱がここに集結したかと思い、感動したのであった。
その後の結果はnoteで報告されており、段ボールの箱の写真はインパクト大であった。このnoteも一つ一つ面白いので、ぜひ読んでいただきたい。
ということで、すでに味の素面白い、大手企業がこんなに顧客と一緒に事業を作っているのかと思い、感動したわけである。
なぜこの話を取り上げようかと思ったかというと、味の素の顧客目線は今に始まったわけではなく、昔からずっとだったということを伝えたかったのである。
すごく美味しく何度も食べたくなる冷凍餃子、今では「油」も「水」もなくて焼けるわけだが、油も水もなくて焼けるのだろうかと思ったことはないだろうか。そこにはそれなりの理由があったのである。
冷凍餃子が発売したのは1972年。それ以降、“永久改良”を掲げて、味覚やパッケージデザインをリニューアルしながら販売を続けてきたのが味の素の冷凍餃子である。
1997年にまず「油なし」で焼けるという、冷凍餃子革命が起きる。
そして2012年にはとうとう「水なし」に。このときのストーリーが面白い。
顧客のリアルを知るため、実態を把握しようと考えた味の素。まずリアルを見ようとする姿勢が素晴らしい。
そして、フライパンを持参し、目の前で焼いてもらうと、パッケージの説明が伝わってないことに気づく。確かに水の量は難しいだろう。
そのために、水を計らなくても良い商品設計を考え始めたわけである。2010年から開発しているので、販売まで2年かかっている。
1日100個食べたり、調理したり命がけである。
その結果、2012年に「水」なしの冷凍餃子が発売されたというわけである。
こんなに顧客の現場に寄り添って一緒に事業を作られているのが素晴らしく、今回は紹介させていただいた。
ぜひみなさまも関連する記事を読んでいただきたい。
1年に1回ぐらいは改良しているようで、これまで通算50回以上改良されているらしい。二月発売の新商品ぜひ食べてみよう。