戦争という蕩尽

コソボ空爆を思い起こす。
70日間で延べ3万機がおこなった空爆のコストは5000億とも言われる。それによる被害者の4割は子供だったという報告もある。
劣化ウラン弾、クラスター爆弾、その後人道的見地から猛烈な批判を受け、使用できなくなったものもあったのだが、この空襲では使わていた。中国大使館が誤爆されたことも大きな事件であった。
この際、在庫セールだ、という風刺画をどこかでみたのだが、それがどこだったかわからないので、もしかすると私の妄想かもしれない。しかしそれほど苛烈に必要以上に空爆したことは、当時も今も強い批判がある作戦であった。
この空爆はNATOの作戦であった。もちろんアメリカも参加している。

ロシアのウクライナ侵攻に対して、ドイツがとるべき軍事力の支援を巡っての上記の考察のなかで、ところてん方式という言葉が使われている。
よくわからないが、私にはこの話で大変腹落ちしたのである。今回のこの戦争がいつ終わるのかはこの「ところてん」が灰燼に変わるまでだろうと妙に確信をもったのである。

ロシア側では特別軍事作戦と称しているようだが、その作戦におい地対地ミサイルの発射しているとされる映像等で、かなり頻繁にでてくる車両がかなり年代物なのではなかと思っている。わざわざ70年代の車両をもちだす宮崎アニメでてくるようなボンネット型のトラックが良い例だ。
私は専門家ではないのであくまでフィーリングなのだが、旧ソビエト時代のもののしか調達できなかったのか、それしかなかったのか、いずれかの理由でてきものかもしれない。
北朝鮮や中国ではロシアの前進が余りに遅いため、大変失望しているという記事もあった。こんなの使っているようでは、ということなのかもしれない。
その年代物の兵器はアメリカが供与したハンディなミサイルなどで破壊されているらしい。それは無理もない話だ。
言い換えればソビエトから引き継いだものを、アメリカの最新テクノロジーが壊してる。アメリカはずっと戦争をしているから、開発して実践で使い、さらに改良、というサイクルがある。アフガン、イラクで何兆円も税金を使ってやってきた。圧倒的な性能の差があってもおかしくない。
航空機や大型ミサイルについてはそうでないのかもしれないが、ウクライナ軍の奮戦が伝わってくると、そもそもウクライナ兵が強靭あるのに加えて、高性能の地上戦兵器という世界に稀にみるパッケージの良さを思ってしまう。
ウクライナ大統領をはじめとする政権首脳は口をそろえて、武器を要求している。最新だと使い慣れていないので旧式のロシア製のものが良いとも言っているらしい。ポーランドやドイツ連邦軍が古いのをウクライナにだして、そのあとは新しい兵器がNATOとして配備する、という流れとなるようである。
スウェーデンがNATOに加盟できればすぐにでもNATOとして、どこかの国の戦力が配置されるであろう。

石油や天然ガス、鉱物資源、穀物など価格が高騰という記事は連日でているのだが、単純に兵器の相場もあがるであろう。日本政府も国防費を増額の方針をだしているが、反対するものはおらず、むしろ遅いと言われている。おそらくアメリカはかつてのように日本の軍事力増強に口をはさんでこないであろう。F3の開発には待てがかからないからそう思うのであるが、極東の小さい市場などどうでもよいからなのかもしれない。大陸から来るのは、航空機でもなくましてや大上陸部隊でもない。ミサイルであろう。

ロシア外相がユダヤ人に関して不適切な発言をしたとして、プーチン自らがイスラエルに謝罪したという報道も妙な感じである。
日露戦争において、旧日本陸軍はロシア国内のユダヤ人が抑圧されていることに着目し、反政府ユダヤ人組織を支援したことは事実として語られている。現在のロシアにおいてもユダヤ人の動向はかなりの影響力をもっていることがプーチンの動きをみるとわかる。
ユダヤ人の影響力という点ではアメリカも相当である。

以上のような理由で、なにをしたいのか、という目的としての戦争は蕩尽であり、それを実現するための政治がおこなわれていると考えるのである。
核使用の可能性は否定できないが、それでは目的が達せられない。
とにかく火と煙のあとに黒焦げの兵器の残骸ができるだけ多く残されないとこの戦争は終わらない仕組、その後の兵器市場への資金の流入という物語へ続くということになる。
トルコ製のドローンが戦果をあげた、なんて記事を読むと、そのドローン管理のシステムがなんの上に構築されたのか、それはアメリカのもちもののうえですよね、ってことで、基軸通貨としてのドルを失っても、その次どうなるのかって争いがこれまで以上に複雑化するだろうということ示していると感じる。

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