真っ白な手『転がる石』
君の真っ白な手を握るとき
僕は少しだけ躊躇ってしまう
君が抱えている傷を癒せない
もどかしさがあるから
傷つくことで成長するなんて
嘘はやめておくれよ
心に負った痛みなんて
いつまでも治るはずがない
新しいものを手に入れても
古い記憶は消えてゆかない
未来に期待したとしても
過去が綺麗になるわけじゃない
それでも僕は君の真っ白な手を
そっと握りしめる
僕にも君にも必要なのは
静かな温もり そして光
消せども消えない闇を
拭えど拭えない黒煙を
二人なら乗り越えていける
そう信じているけど
君の真っ白な手を握るとき
僕はこの先を見据えている
それは君と共に生きること
そして僕自身が君といること
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