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とある俺の無駄話。

 

 とある店員が言っていた。
「うちのコロッケにはコオロギが入ってます」
 あー、最近そういう時代だっけか。そういう時代。
 俺は悩んだ挙句、隣にあったメンチカツを買った。

 とあるミュージシャンが捕まった。
「悪いことだとは思っていなかった」
 彼は幼児を誘拐した罪に問われているらしい。
 俺はスマホを開いて 彼の曲たちを抹消した。

 とある国で大統領選挙が行われている。
「俺はこの国を一番に考える!」
 拍手喝采。まあ、そりゃそうだよな。
 自国のリーダーが外国人と握手する姿ばかり見たくないよな。

 とある家族の話を聞いた。
「うちはね、ゲームをさせないの」
 いるよね。ゲームをくだらないって思っちゃう大人。
 まあいいや。そのうち答えがわかるだろうし。
 
 とある高校生は放つ。
「大人ってのは身勝手だ!」
 そうだそうだ! って同意する人たち
 みんなおじいちゃんおばあちゃん。若者どこ行った?
 
 とある活動家は熱弁する。
「男女の壁を取り払うべきです」
 そういや、俺は男。でも、男らしくは生きたくないなあ。
 壁を取り払ったら、俺は何になるんだろう。

 とある知り合いが死んだ。
「心不全で死んじゃったらしいですよ」
 たしかに、寒暖差が酷かったからねえ。  
 でも、彼ってまだ五十代でしょう? 若いね。

 とある俺の人生を歩む。
「変わっていく社会と、変わらない自分の価値観」
 結局、最初から決まっていたのかもしれない。
 変えられない自分の気持ちを押し通すから。

 なんだかんだ、みんな自分のことが大好き。
 だからどんなに社会が変わっていこうとも
 変わることのない本能が存在している。
 それを信じて生きればいいんじゃない。
 たとえそれが間違っていたとしても、
 自分の気持ちを折り曲げてまで生きる
 理由なんてないでしょうって、
 俺は思うけどね。とある俺の無駄話でした。

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