万人の傷　『マストピア』

この世界を生きる人間は
みんなどこか傷ついている
どうしようもない痛みを抱えて
それでも明日を信じて生きている

傷が癒えないときは
空を見るといい
そこに鳥が飛んでいるなら
その鳥になればいい

人生色々　どんなことも起こり得る
動けば傷つくとわかっていながらも
心の奥底でどこか期待してしまう
それが人間って生き物だったりする

苦しくて死にたいときは
近くの川を覗き込めばいい
そこに魚が泳いでいるなら
多分死ぬ気も失せるだろう

鮮やかな絵具は　きっと胸の内にある
隠されているなら歩くのを止めて探すといい
きっと自分に合う色の絵具が
自分に彩を与える絵具があるはずだから

また　今日も傷つく人がいる
鋭利な牙で噛み付かれて
血だらけになってしまう人がいる
なぜだろう　僕は悩み続ける

だけど　それが人間だとするならば
僕にできることは傷ついた人間を
治癒することくらいしかできない
そう　この言葉で　この詩で

僕は　今日も万人の傷を癒す