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「Let's Enjoy Magic!」 チャンピオンズカップファイナルシーズン2ラウンド3/9-3 13位 プロツアー権利獲得

 2019年にMTGを始め、いきなり大規模な感染症の余波で休止。
 2021年末からテーブルトップに復帰し、2022年の日本選手権予選から競技の世界に飛び込んでから早2年



私は常滑の地で遂に念願のプロツアー権利を得るに至った



 まず全文無料であることをここに記する。
 その上で料金設定をさせていただいた。

 ご寄付などの目に見える形でご評価いただけると私自身が今後記事を執筆する上でのモチベーションになり、励みになる。
 また、今回はプロツアーへの旅費なども含め、今後活動していく上での費用として充てていきたいとも考えている。
 どうぞよろしくお願いいたします。


・競技マジックに対するスタンス

 はじめに私の競技マジックに対するスタンスだが、以前にも記事にした通り「楽しいから」の一言に尽きる。
 義務感などは一切なく、楽しいからやっているのだ

 まず、競技マジックは敗者として終わる日の方が遥かに多い

 例えばひとつの大会に100人が集まったところで、真の意味での勝者は優勝者の1人だけで、他の99人は端的に言えば敗者なのだ。
 1/100。小規模な大会でも1/20~30。毎回その1人になれるわけではない。

 だが、その中でもシングルエリミネーション、いわゆるSEと呼ばれるトーナメントでさらに戦う権利を与えられるのはスイスラウンドを勝ち抜き、Top8という一定以上の戦績を残した者たちである。

 このTop8から優勝に届かなかった7人もまた優勝という視点から見れば間違いなく敗者ではあるが、このTop8にすら入れなかった者からすれば敗者の中での勝者でもあるのだ。

 だからこそ、私は最初から優勝ではなくまずはTop8に残る事を目標にしている。これもまた一つの到達点だからだ。
 ……というより、優勝だけを目指すと心が折れてしまうだけの話なのだが。

 この辺りについては他の競技プレイヤーも同じ思考だとは思う。


 さて、話はやや逸れてしまったが、先述したように敗者となる日の方が遥かに多い競技マジックを続けている理由は、お互いの全力をぶつけ合う真剣勝負が非常に楽しいのである。

 構築の工夫であったり、ゲームプランの立て方であったり……いずれも勝利という目的へひたむきに向かって各々の思惑が交差する対戦へと臨む。
 そんなプレイヤーが集う競技マジックは私にとって挑み甲斐のあるものだった。

 敗者となった日でも「いや~~負けた負けた! あの人上手かったな~反省点はあれとあそこで……次はどんなアプローチしよっかな!」と既に次の事を考え始めている。

 つまり、レベルの高いプレイヤーと対戦し、切磋琢磨して楽しみたい。これが私の競技をするモチベーションの源泉の一つなのだろうと考える。

 こうして競技マジックを楽しんだ結果、Top8という入賞であったり、あるいは優勝という望外の結果であったり……これらの結果が後からついてくる、というのが私の認識である。

 無論やるからには勝ちたいし、結果を求めるのは当然のことだ。
 だが、結果を前提としてやってしまうといつか楽しさよりも息苦しさの方が勝ってしまう日が来るかもしれない。

 だからこそ、私はまず楽しむことを第一としている。その過程で皆さんと顔を合わせたり飲食を共にしたりするのもまた楽しみの一つで、これらをひっくるめて「エンジョイ・マジック」をしていると言えよう。


 こうしたスタンスで競技マジックに首まで浸かっていたところ、気が付けばプロツアー権利まで獲得してしまった。

 こうして競技マジックを楽しんだ結果、世界のプレイヤー達とも楽しむ機会を得られた。これより嬉しいものはない。



・アゾリウスコントロールを選択した理由


青白が板botだからである。


 ……冗談はさておき。

 スタンダードはそこまでやりこんでおらず、パイオニアで培ったアゾリウスコントロールの経験値を使えるという点が非常に大きかった。

 デッキの内容的にも《ドミナリアの英雄、テフェリー》がいないだけでほぼほぼパイオニアであり、サイドボードを含めたゲームプランの立て方もスムーズにできた。
 何らかの一強ではなく、各々のデッキが強いという群雄割拠の環境。環境を読むよりも練度の高さが重要であろうと考えた。

 これらの要因により、早い段階から本命としてアゾリウスコントロールを選択したという経緯がある。

 また、この決断をするにあたり、以前から交友関係にありチャンピオンズカップファイナルサイクル3でTop8という成績を残したマラソンマンさんに誘っていただいた調整チーム内で「アゾコンが強い」という話になり、それが後押しになった事も大きかった。



・スタンダードのアゾリウスコントロール

 スタンダードのアゾリウスコントロールはイニストラードの《記憶の氾濫》、ネオ神河の《放浪皇》から始まり、そこから《一時的封鎖》《太陽降下》《失せろ》《不穏な投錨地》《喝破》《推理》……と、強化に次ぐ強化を受け続けていた。

 2024年2月に晴れる屋トーナメントセンター高田馬場で行われたプレミアム予選でも、アゾリウスコントロールを使用し権利獲得するほど環境に食い込むデッキとなった。

 そして今回のサンダージャンクションの無法者で更なる強化を受けた。

 現代に蘇った《謎めいた命令》こと《三歩先》である。

 採用パーツはいずれもパイオニア級揃いの中、唯一のウィークポイントが3マナカウンターであった。
 アーティファクトがあれば《対抗呪文》になり得る《攪乱プロトコル》、《記憶の氾濫》などに対して追放が効く《雲散霧消》など。
 正直言って確定カウンターが欲しいから嫌々入れる程度のものだった。

 このウィークポイントが《三歩先》によって解消され、元々強かった長期戦がより盤石のものとなったのだ。

 この環境末期で遂にアゾリウスコントロールは完成されたと言ってよい。《三歩先》はそれほどまでの一枚なのである。

 基本的に3マナカウンターモード、3マナルーティングモード、そして5マナカウンター・ルーティングモードを選択することになるだろう。
 特に後者は「アドバンテージを得られるカウンター」というコントロール使いにとっては夢のような一枚。

 むしろ2枚引けて不要牌を1枚捨てられる点では《謎めいた命令》のカウンター・ドローモードより強いと言える。(《謎めいた命令》の真価はバウンスモード、タップモードなどのあらゆる状況に対応できる汎用性にあるのもまた理解しているが)

 さらに3マナカウンターモードがあまり有効でない早いアグロに対しても、3マナルーティングモードで回答を探し出すことができる点は他のカウンターにない非常に大きな利点。

 インスタントのコピーモードもかなり珍しい効果であり、《推理》の手掛かりトークン、《放浪皇》の侍トークン、地図トークン、なんなら《不穏な投錨地》までコピーできる

 サイドボードの《ティシャーナの潮縛り》《金属の徒党の種子鮫》《クチルの側衛》などをコピーしてもシンプルに強力。《船砕きの怪物》をコピーしたらこの世の終焉である。

 このように能動的に唱えることができて腐らないカウンターは革命的。
 総じてコントロール使いが考えた「ぼくのかんがえたさいきょうのうちけし」。まさしく令和の《謎めいた命令》である。

 つい《三歩先》について早口で語ってしまったが、それほどまでにこの一枚は本当に衝撃的の一言なのである。ありがとうございます。


 さて、このように大きく強化を受けたアゾリウスコントロールで現在環境において意識すべきデッキは下記のデッキ群。

・エスパーミッドレンジ
・ボロス召集
・ドメインランプ
・アゾリウスコントロール
・ティムールランプ

 この5つは間違いなくメタの上位に入ると考えており、特にエリア予選抜けが多かったエスパーミッドレンジとボロス召集がワンツーと予想した

 次点でゴルガリミッドレンジ、赤単などが続く構図になるだろうと考え、これを踏まえて構築したのが以下のリスト。

https://melee.gg/Decklist/View/400145
Deck
1 Tishana's Tidebinder
3 March of Otherworldly Light
4 Three Steps Ahead
1 Get Lost
4 No More Lies
3 Deduce
4 Memory Deluge
2 Depopulate
2 Sunfall
1 Farewell
2 Temporary Lockdown
4 The Wandering Emperor
1 Jace, the Perfected Mind
3 Adarkar Wastes
4 Deserted Beach
1 Eiganjo, Seat of the Empire
4 Field of Ruin
3 Island
2 Mirrex
1 Otawara, Soaring City
3 Plains
4 Restless Anchorage
2 Seachrome Coast
1 Sunken Citadel

Sideboard
2 Elspeth's Smite
2 Rest in Peace
2 Negate
1 Unlicensed Hearse
1 Kutzil's Flanker
2 Temporary Lockdown
1 Chrome Host Seedshark
2 Tishana's Tidebinder
1 Boon-Bringer Valkyrie
1 Hullbreaker Horror


 メインボードのほぼ確定枠に関しては割愛するとして、意識した点をピックアップして解説していく。


▼メインボード

・《完成化した精神、ジェイス》1枚

 これについては明確に対ドメインランプ、ミラーを意識した一枚。
 特にドメインランプ戦ではこれあるなしでメインボードでの勝率が2割ほど変わってくる一枚だと考えている。

 相手の攻め筋を要所で弾きつつ、-5の忠誠度能力で15枚削ることでライブラリーアウト勝利という明確なゴールを作る役割は唯一無二
 リスト公開制でもあり、たった1枚でドメインランプへの相性が良くなるというメリットから、これを入れないという選択肢はなかった。

 当初はドメインランプとミラーには絶対勝つという意思の下、これを2枚にしていた
 最終的には他の枠との兼ね合いによって1枚に減らした。
 結果論ではあるが今回当たったマッチアップを考えるとこれが正解だったように思う。


・《ティシャーナの潮縛り》1枚

 まず前提として現在の環境において単体除去はメインボードから最低でも5枚、多くて7枚ほど取られている。
 アゾリウスコントロールはクリーチャーを入れない事で、その除去を不要牌として腐らせる事が出来る点で優位に立つことができている。

 しかし、この《ティシャーナの潮縛り》に関しては通常のクリーチャーとは異なる役割を担っている。

 ドメインランプの《魂の洞窟》から《偉大なる統一者、アトラクサ》。
 ボロス召集の《魂の洞窟》から《イーオスの遍歴の騎士》、《イモデーンの徴募兵》。
 ティムールランプの《事件の分析者》や《樹海の幻想家、しげ樹》の起動能力……

 これらの《三歩先》などの通常のカウンターでは対応できない誘発能力、起動能力に対して睨める唯一の一枚
 《三歩先》と相互補完できる実質的なカウンター枠でもあるのだ。

 さらにいえば公開制における1枚差しは非公開制の1枚差しとは異なり、相手に対して「裏目が存在する」というプレッシャーをかけることができる。
 つまり、相手のゲームを簡単にさせない役割も担えるのである。

 特にアゾリウスコントロールは1枚差しであっても《記憶の氾濫》によって引き込みやすく、長期戦になればなるほどこの1枚差しの《ティシャーナの潮縛り》の存在は重くのしかかる事だろう。

 事実、メインボードの《ティシャーナの潮縛り》で勝ちを拾ったゲームは3つはあった。最後の最後で入れてよかったと思えた一枚である。

 メインに1枚入れることを提案・肯定していただいたむらっちょさん、テルテルさんにはこの場を借りて感謝の意を申し上げる。


・《推理》3枚

 一般的には4枚採用だが、ここの1枠を《ミレックス》に差し替えた土地28枚にすることとした。
 土地28枚とする理由としては、《記憶の氾濫》フラッシュバックや《喝破》ケアの《放浪皇》《集団失踪》といった基準になる土地7にノンストップで到達したいからだ。

 初手のキープ基準としても《推理》1枚の土地2枚、《推理》なしの土地3枚では大きく異なるのも大きい。

 とはいえ《推理》が弱くなるアグロ系がボロス召集・赤単・バントポイズンぐらいであったため、トータル的に見れば軽く動けるドローソースである《推理》は4枚にした方がよかったのかもしれない。


・《ミレックス》2枚

 28枚目の土地として2枚目を採用している。

 これは明確にアゾリウスコントロールミラーを意識したもの。
 理由としてはパイオニアと同じく、ミラーは土地が止まった方が負けるからだ。これに加えて《ミレックス》の差も加われば勝利へと大きく近づく。

 《廃墟の地》が4枚採用されているとはいえ、この《ミレックス》の差で勝つ事が多々あったためここで差をつけようと考えた。
 特にアゾリウスコントロールミラーは明確な脅威が《放浪皇》しかなく、長引きやすいことから引き分けを避けるために能動的にゲームを動かせる手段を増やしたい目的もあった。

 まあ、アゾリウスコントロールとは一回も当たらなかったわけだが。

 一応ティムールランプやドメインランプなどに対してもミラーほど劇的ではないにしろ、ある程度の効果を見込めると考えた。

 ただし、これには大きなリスクもある。
 2ターン目《喝破》、3ターン目《三歩先》《一時的封鎖》を唱えるにあたって色の出ないランドは増やしたくない
 とはいえ、もともと27枚に対して追加の土地枠であったこと、色カウント的にもそれぞれ18と基準を満たしていることから大丈夫だろうと判断した。

 結果としてこの《ミレックス》で勝ちを拾った試合も多々あったが、色が出ず困った場面もあった。一長一短。


・《告別》1枚

 これに関しては仕方なく入れた枠。可能であれば入れたくない一枚。
 なぜ入れたのかというと、4cレジェンズに対して劇的に効くからだ。

 4cレジェンズの強みとしては《見捨てられたぬかるみ、竹沼》と《大スライム、スローグルク》の無限に近いリソースエンジンによる長期戦の強さがまず挙げられる。
 これを完全にシャットダウンできるのがこの《告別》なのである。墓地もろとも《伝説の秘宝》も追放できるのが高評価点。

 しかし、4cレジェンズ以外だとやはり6マナという重さが気になるし、エスパーミッドレンジに対しても《婚礼の発表》《忠義の徳目》を追放しようとすると、こちらの《一時的封鎖》も巻き込まれてしまう点が一番気に入らない。
 「可能であれば入れたくない」のはこれらの理由から。


・《沈んだ城塞》1枚

 《不穏な投錨地》4枚、《廃墟の地》4枚、《ミレックス》2枚に加え、《皇国の地、永岩城》《天上都市大田原》と土地の起動能力が多かった事、また 色カウントも白・青ともに18枚ずつとギリギリ満たすことから1枚採用。

 隠れたMVPの一枚で、「あと1マナ」をよく需給してくれた
 とはいえ安定を求めるならば諜報かつ二色ランドである《行き届いた書庫》あたりに差し替えるのがいいだろう。


▼サイドボード

・《一時的封鎖》2枚

 主にボロス召集、赤単、バントポイズンなどのアグロ系に対する追加の全体除去。《ゴバカーンへの侵攻》に強いのが一つの評価点。

 白が含まれているアグロには当然ながらこの《一時的封鎖》を意識し、サイドには《失せろ》《邪悪を打ち砕く》などの対処札が入ってくる。
 さらに《一時的封鎖》の返しに《ウラブラスクの溶融炉》などで軸をずらしてくるため、過信は禁物。

 それでもやはり効果的な一枚なのは間違いなく、メイン2枚・サイド2枚の合計4枚をチョイスした。


・《ティシャーナの潮縛り》2枚

 直前になって1枚減らしたが、CCF後は3枚以外考えられなくなってしまった。これが真っ先に思い浮かんだ反省点。

 ゴルガリミッドレンジ以外のあらゆるマッチアップでサイドインする。

 先述した通りティムールランプ、ドメインランプ、ボロス召集の誘発・起動型能力を打ち消すだけでなく、アゾリウスコントロールにも《廃墟の地》を打ち消して実質ランデスにさせたり、シンプルに《放浪皇》を止めたりしても効果的。
 赤単にも《ウラブラスクの溶融炉》《レジスタンスの火、コス》《勝負服纏い、チャンドラ》を止めるなど活躍の幅が非常に広い。 

 さらに言えばサイド後では除去を減らしてくるため、メインと比べて生き残りやすいのも◎。
 《放浪皇》と組み合わせて逆に殴っていく展開を作れるため、メインサイドともに4枚にすべきだった。


・《船砕きの怪物》1枚

 ミラーを意識するならばこれは必須と考える。これの有無で勝敗が決まることも多々ある。
 《失せろ》が現在は1枚~2枚が主流であり、《放浪皇》に打たせることで安心して着地させられるのも一つの理由。出す際には《推理》で自身をバウンスできるように保険をかけておこう。

 ティムールランプに対しても強烈な一枚で、これに対して1枚で対処できる手段はほぼ存在しない。(手札8枚で《勝利の炎》ぐらいだろう)

 一回定着してしまえば速やかにマウントポジションを取り、そのまま押し切ってしまえるほどで7マナの重さに見合う力を持つ。


・《加護をもたらす戦乙女》1枚

 ボロス召集の《戦導者の号令》《ウラブラスクの溶融炉》、赤単の《火遊び》《稲妻の一撃》など飛び道具も多く、それに対してライフを高く保つ必要があったため採用。

 他の候補として《砂塵の憎悪》が存在していたものの、《一時的封鎖》に巻き込まれてしまう点が気になってしまった。
 またこちらは培養トークンや侍トークン、あるいは《ティシャーナの潮縛り》などに賛助として+1/+1を乗せて殴ることで出したターンに絆魂による回復を見込め、そのまま蓋しきることができる点などを評価した形。


・《エルズペスの強打》2枚

 こちらはアグロ系~ミッドレンジ系に対して幅広く入れるサイドカードとしての採用。

 対エスパーミッドレンジの負け筋としては《忠義の徳目》《フェアリーの黒幕》《ティシャーナの潮縛り》などの瞬速クリーチャーでのクロックパーミッションプランを遂行されることが挙げられる。

 《邪悪を打ち砕く》はキーカードとなる《策謀の予見者、ラフィーン》《婚礼の発表》に対応できるものの、近頃は《腐食の荒馬》を採用したリストも増えており、軽量クリーチャーに対する軽い除去が欲しいと考えた。

 探した結果、《策謀の予見者、ラフィーン》にも対応しつつ《三歩先》でコピー先にもなれる《ガラスの棺》という選択肢が真っ先に浮上した。
 ただし、《一時的封鎖》とのディスシナジーが強烈なのが大きな懸念点。

 やるならば《一時的封鎖》を減らした上で《ガラスの棺》の方が有効な相手には《一時的封鎖》と入れ替えるような形になるだろう。
 しかしながら、サイドボードの枠を大きく食う点、またボロス召集への勝率を担保するためには《一時的封鎖》の枚数は非常に大きいと判断した末にボツとした。

https://melee.gg/Decklist/View/399438

 余談として、Top8に入賞された小林遼平さんは《一時的封鎖》をメイン・サイドともに1枚ずつとし、《集団失踪》を3枚に増量としつつサイドで《ガラスの棺》4枚というアプローチをされていた。見事の一言。

 話を戻して、軽量除去として1マナ3点の《エルズペスの強打》に白羽の矢が立った。
 ゴルガリミッドレンジも一定数存在することから、《苔森の戦慄騎士》にも追放で対応できる点、赤単やバントポイズンなどのアグロ系にも幅広く入る点を評価した形。

 ただ、《腐食の荒馬》には1枚引かれてしまうし、この枠については4枚目の《冥途灯りの行進》でもよかったのではないかと今となっては思う。
 とはいえこの《エルズペスの強打》に救われた場面もかなり多く、この選択自体に後悔はしていない。


・《クチルの側衛》1枚

 ミラー、ティムールランプ、4cレジェンズなどの墓地対策兼クロック。
 赤単などにも入れられる幅広さが強み。パイオニアでもお世話になっております。

 《ティシャーナの潮縛り》と共にクロックパーミッションプランへとギアチェンジする一枚。

 当初は2枚だったが、《未認可霊柩車》を1枚入れるために1枚減らした経緯がある。
 ミラーやティムールランプに対して強いため、この辺りを意識するのであれば2枚にするべきだろう。


・《金属の徒党の種子鮫》1枚

 主にミッドレンジやアグロ系全般に入れる。

 定着すれば《記憶の氾濫》《放浪皇》に4/4のオマケがつき、マウント力が非常に高い一方で、瞬速を持たず《邪悪を打ち砕く》に引っかかるタフネス4など除去されやすいのが難点。

 とはいえ1ターンでも帰ってくれればゲームを決める力があるため採用した。


・《否認》2枚

推し絵柄

 主にミラー、ドメインランプ、ティムールランプなどに。
 特段説明する事はない気がするが、私はボロス召集や赤単に対しても入れている。

 ボロス召集に関しては後手3ターン目での《ウラブラスクの溶融炉》に間に合わせることができる点で採用している。

 また、他にも《ゴバカーンへの侵攻》《失せろ》《邪悪を打ち砕く》など、サイド後はメインボードの《上機嫌の解体》《戦導者の号令》なども含めて大体12枚~16枚ほどの幅で非クリーチャースペルが入ってくるため、それらに対するカウンターとして入れている部分もある。

 5マナでこちらの《一時的封鎖》キャストに合わせた《失せろ》《邪悪を打ち砕く》への打ち消しなど、案外仕事が多い。

 赤単に関しては当然ながら《ウラブラスクの溶融炉》だけでなく、《レジスタンスの火、コス》といったサイドカードが増えてくるためその対処としてサイドインしている。
 最悪《稲妻の一撃》を打ち消せば実質3点ゲインである。


・《未認可霊柩車》1枚

 ティムールランプ、4cレジェンズといった墓地利用デッキに加え、コントロールミラーでも《記憶の氾濫》を消しつつ育つクロックという役割を担える一枚。

 サイドボード後は侍トークンや《不穏な投錨地》に加え、追加の《ティシャーナの潮縛り》《クチルの側衛》《金属の徒党の種子鮫》などで搭乗要員が増えるため、そういった意味でも噛み合う。

 何よりこちらの《記憶の氾濫》を追放しない点がいい
 この理由でパイオニアのアゾリウスコントロールでは《安らかなる眠り》よりも《未認可霊柩車》の方が優先されてたりする。


・《安らかなる眠り》2枚

推しの絵柄

 正直言って一番迷走していた部分。
 全て追放するのに《未認可霊柩車》との同居はヤバすぎるって
 ターゲットは4cレジェンズおよびティムールランプへの狙い撃ち。

 着地すれば問答無用で墓地を全て追放し、それ以降も一切の墓地利用を許さず大きく減速させることができるのはこれしか出来ない役割。
 ただ、こちらの《記憶の氾濫》も追放されてしまう点が強烈なデメリットになってしまう。

 ティムールランプに対しては《安らかなる眠り》でシャットアウトしつつ、《クチルの側衛》《ティシャーナの潮縛り》《放浪皇》によるクロックパーミッションというプランを立てていた。

 対4cレジェンズに関しては正直練度不足。未だにわかっていない事が多すぎる。
 《安らかなる眠り》が一番効くとはいえ、こちらのクロックは乏しいためリソースゲームになる関係上、《記憶の氾濫》が追放される点を過小評価しすぎていた気がする。

 この枠を《未認可霊柩車》と《クチルの側衛》をそれぞれ2枚ずつにしてもよかったのではないかとは思うものの、結局スタンダードの経験が乏しいため何とも言えないところ。

 この辺りは他の方の記事に期待したい(丸投げ)

 結局この2つとは当たらなかったものの、練度不足による不安が一番大きい相手でもあったので幸運としか言いようがない。
 《安らかなる眠り》が御守りになってくれたと思い込むことにしている。これもまたマジック。


▼不採用としたサイドボード

・《機械の母、エリシュ・ノーン》

 ボロス召集、ティムールランプ、ドメインランプなど誘発型能力がメインになるデッキに対する強烈なアンチカード

 特にドメインランプに対しては万能除去である《力線の束縛》すら誘発させなくなるため、《太陽降下》などの除去を残さない限り対処不可能
 かと言って「これ一枚に対して《太陽降下》を残さないといけないのか……?」と悩ませることもでき、この一点だけでドメインランプ側のサイドボーディングをやりづらくさせる効果もあり影響力は絶大。

 イージーウィンも狙える点からドメインランプやティムールランプに対して意識を割くのであれば、これを入れるべきだったと感じている。


・《二重視》

 主に青白ミラーの《船砕きの怪物》コピー、それからドメインランプの《偉大なる統一者、アトラクサ》コピーによる役割を担う。

 いずれもアゾリウスコントロールにとってはどうしょうもない打ち消されないスペルだが、これが逆に好機になるのは唯一無二
 これがあるだけで大ぶりなアクションがしづらくさせられる点はは大きな利点。

 ティムールランプに対しても一定以上の効果が見込めることから次の機会があればサイドボードに採用したい一枚。


・《邪悪を打ち砕く》

 最後までかなり悩んだ一枚。
 エスパーミッドレンジの《婚礼の発表》《策謀の予見者、ラフィーン》はもちろん、ドメインランプの各種クリーチャー・《力線の束縛》を破壊できる。

 しかし逆に言えばそれ以外は微妙で、エスパーミッドレンジにも瞬速クリーチャーによるクロックパーミッションプランに対しては当て先がなく腐りがち。
 入るデッキも上記の2つとミラーぐらいで少ないため悩んだ結果、ビートダウン全般に入る《エルズペスの強打》に枠を譲ったという経緯がある。


・《砂塵の憎悪》

 今回は《加護をもたらす戦乙女》に枠を譲ったが、こちらはエスパーミッドレンジ、アゾリウスコントロールミラーにも入れることができる幅広さが魅力
 計画によって0マナで唱えられるため、《放浪皇》《喝破》《三歩先》といったバックアップの下に4/5飛行絆魂を出せる点は白眉。

 《加護もたらす戦乙女》とはお互いにない利点があるので、この選択に関しては他のサイドボードとの兼ね合いや何に着目するか次第になってくるだろう。


 以下は当日の試合を振り返る内容となっている。
 番外編として楽しんでもらえたら幸いだ。

▼チャンピオンズカップファイナル一日目

■1試合目:ディミーアミッドレンジ(泣島さん)

https://melee.gg/Decklist/View/398906

 初っ端から泣島さん。マジか~とお互いに笑いながら対戦。
 《腐食の荒馬》3枚、《敵意ある調査員》2枚と従来のディミーアミッドレンジより太くし、メインから1枚ずつ散らした《呪文貫き》《否認》も匠の技を感じる構成。

 じりじりとした試合展開の中、うっかり通った《ヴェールのリリアナ》から奥義まで決められる。
 土地8枚から《廃墟の地》2枚、《平地》《島》1枚ずつと二色土地4枚に分けられてしまう。

 《ミレックス》3枚、《不穏な浅瀬》3枚を確認していたため、《廃墟の地》2枚ある方を選択。
 そこから《推理》《記憶の氾濫》などのドローソースでなんとか挽回しつつも、ライフを1桁まで削られた上に《大洞窟のコウモリ》でこちらのハンドに全体除去がない事を確認し、並ばれてしまい終わりかと思った瞬間……

トップ全体除去ほど嬉しいものはない

 なんと《集団失踪》トップで全てを解決
 泣島さんの「マジかよ……」みたいな顔は今でも忘れられない。

 《記憶の氾濫》フラッシュバックまで行き、投了により勝利。この時点で残り20分ほどの熱戦。

 2ゲーム目は《放浪皇》定着からビートダウンで勝利したと記憶している。


■2試合目:赤単(加茂さん) フィーチャーマッチ

https://melee.gg/Decklist/View/399019

 論より証拠、ということで動画を貼る。3ゲーム目がかなりの熱戦でプレイしてて非常に楽しかった。

 2試合目・3試合目ともに特に不満はないが、1試合目の《アダーカー荒原》が利敵すぎたためダブルマリガンまでするべきだったな、と反省しきり。
 この際、横で眺めていらした野生の加藤健介さんに慰めていただいたのもよい思い出の一つとなっている。


■3試合目:スゥルタイリアニメイト

https://melee.gg/Decklist/View/399565

 アリーナのラダーでたまに当たるアーキタイプ。
 《戦慄の遁走》は《喝破》だけでなくマナコストが1扱いである《三歩先》まで当たるため、よいチョイスだなと感心した。

 相性的には《安らかな眠り》2枚、《未認可霊柩車》1枚、《クチルの側衛》1枚取っているため、正直言ってこちらがかなり有利なマッチアップ。
 《ティシャーナの潮縛り》どころか《否認》等のカウンターもなく、裏目なく自由に動ける事でより有利の認識。

 メインボードでは要所要所弾きつつ、最終的には《完成化した精神、ジェイス》で3ドローしながらライブラリーアウト勝利。
 サイドボードでは溜まった墓地に対して《安らかなる眠り》で完全にシャットアウトし、そのまま蓋して完了という順当な結果に。


■4試合目:エスパーミッドレンジ

https://melee.gg/Decklist/View/399485

 準備してきた仮想敵と対戦し、気合を入れて臨んだ。

 ワンマリガン、ダブルマリガンから何も引かず、何もできずで一瞬で負けました。ありがとうございました。
 反省点をひねり出そうにもどうしょうもない負け方だった。これもまたマジック。

 この時点で2-2。CCF出場5回目となればもう慣れたもので、「まあここからサブマリンする可能性もあるし、やっぱり楽しいから最後まで頑張ろう」と決意を新たに。


■5試合目:ボロス召集

https://melee.gg/Decklist/View/398991

 仮想敵その2。

 祈りながら振った先手後手のダイスは敗北したものの、相手がダブルマリガン。これは……と歯を見せかけるも、しっかり飛んでくる《イーオスの遍歴の騎士》
 さらに飛んできた《イモデーンの帳簿兵》で顔面をバチボコにされ、ライフ残り1点まで削られたところでこちらのラスが間に合い、《記憶の氾濫》まで繋がり命を繋ぐ。

 しかしそこからが非常に長く、土地を並べ続けて30枚ほど掘っても《放浪皇》を引かず。そして遂に飛んでくる《魂の洞窟》吸血鬼指定からの《ヴォルダーレンの美食家》……

やあ!

 メインに1枚入れててよかった《ティシャーナの潮縛り》様ァ~~~~~!!!

 《三歩先》もあり、コピーモードも出来ることで万全の体制。
 3枚目の《記憶の氾濫》を唱えたところで相手が投了。危なかった。

 2ゲーム目でもかなりの熱戦だったものの、最終的には《ウラブラスクの溶融炉》が止められず敗北。

 運命の3ゲーム目では《魂の洞窟》から《イモデーンの帳簿兵》でいきなり9点削られ、ライフが6まで詰められるもラスを連打して荒地になった盤面から《放浪皇》でマウントを取り始めるところで相手が投了。


■6試合目:スゥルタイミッドレンジ(ゴウさん)

https://melee.gg/Decklist/View/399676

 開封大好きよしひろさんの大会でよくTop8に入られており、エリア予選などでもしばしば対戦したりと顔をよく見かける方。
 ゴルガリミッドレンジに青をタッチした形で、《ドロスの魔神》による殴りきりをバックアップするような構成。

多分この試合だけで忠誠度能力を10回以上起動した

 《完成化した精神、ジェイス》が3ターン目着地から一生+1連打で盤面を食い止め、《完成化した精神、ジェイス》を倒すために並ばざるを得なくなり、そこに《告別》《太陽降下》《集団失踪》が刺さる構図。
 放浪皇も並び、盤面を制圧しきったところで相手が投了。

 2ゲーム目では2ターン目に《腐食の荒馬》を出されるも《冥途灯りの行進》をピッチコストで唱えて対処。
 すると《腐食の荒馬》で土地を引くつもりだったのか土地が詰まっており、その隙を突いて《記憶の氾濫》《放浪皇》といった大振りなアクションを通して勝利。


■7試合目:バントポイズン

https://melee.gg/Decklist/View/398959

 二日目進出を賭けた一種のバブルマッチでなんと不利対面。デッキ名を見た瞬間「うわあ~~~~」と声が出た。
 席に着くとどうやら二日目進出を優先したい方だったらしく、まさかのIDの提案をされる。確かに4-2-1なら二日目は確実。(4-3はオポネント次第)

 不利マッチで最低限の勝ち点1点が見えてくるという想定外の事態に悩み抜いた結果、「二日目には行けるが、ここでIDしたらTop16に残る目が薄くなる」としてIDせず勝負することを選択。

 ダイスで勝利し、先手。
 1ターン目から《敬慕される腐敗僧》

 返しで《冥途灯りの行進》

 2ターン目《ダニの巣》

 返しで2枚目の《冥途灯りの行進》

 3ターン目にこちらがタップアウトしているところにカウンターケアの《ダニの突撃》。

 返しで《集団失踪》

 全てのアクションに完璧な回答をし続け、攻め手がなくなったところに相手が土地を引き続けてマナフラッド。
 その隙に《ミレックス》を毎ターン起動し、まさかの逆毒殺による勝利

 2ゲーム目では様々なやり取りの結果毒カウンター5個の状況、《失せろ》の地図トークンで《渦巻く霧の行進》《邪悪を打ち砕く》を確認。

 盤面には《敬慕される腐敗僧》、《離反ダニスクレルヴ》、ダニトークンで相手の土地は4枚かつ手札は上記の2枚とドローした1枚の3枚。

 こちらの《一時的封鎖》着地に合わせて《邪悪を打ち砕く》、そこに《否認》。
 相手の土地が2枚なので《渦巻く霧の行進》はX=1のみ、かつこちらの毒カウンターは5。

 ここを凌げば手札にある《集団失踪》で一掃可能。(こちらの土地は5枚のため、《集団失踪》と《否認》ができない状況)

 しかし最後の1枚が青いカードでそれを追放して《渦巻く霧の行進》X=3! ということで敗北。
 後手なのでここでの敗北は許容範囲内ではあった。むしろここまで粘れた事で、3ゲーム目にも期待が持てた。

 運命の3ゲーム目、《敬慕される腐敗僧》のアタックにリスクを取った《ティシャーナの潮縛り》のブロックが成功し討ち取る
 返しで出てきた《スクルレヴの巣》に対し、こちらは《冥途灯りの行進》とトップした《エルズペスの強打》がある土地4枚。

 少考した結果、《呪文貫き》をケアして《エルズペスの強打》をピッチコストとして土地を3枚浮かせた状態で《冥途灯りの行進》X=2
 ここで相手の挙動が一瞬固まった事で《呪文貫き》がある事を確信

 そこから《ダニの突撃》でダニトークンが2体並ぶも、《ティシャーナの潮縛り》をブロッカーではなくライフを詰めていくプランに変更。15点、12点と削りこちらも毒カウンターが溜まっていく。

 《クチルの側衛》も引き、それを繰り出して《不穏な投錨地》をアクティベートしタップアウトで攻撃。それに《皇国の地、永岩城》で《ティシャーナの潮縛り》を除去されてライフ7点まで詰める。

最高の土地

 次ターンも《クチルの側衛》《不穏な投錨地》でアタックし、ライフ2点まで詰め、こちらも毒カウンターが6個。

 盤面には《クチルの側衛》、《不穏な投錨地》込みで土地6枚で手札には《否認》。相手は土地4枚でタップしたダニトークン2枚、ブロッカーはなしの手札3枚。

 《不穏な投錨地》と共にアタックすると《渦巻く霧の行進》X=2、それに合わせて《否認》しても《呪文貫き》をされてしまうという事で《クチルの側衛》のみでアタック。

 対応はやはり予想通りの《渦巻く霧の行進》X=1。そこに《否認》。相手は少し間を置き、手札にあった《呪文貫き》を公開し投了。

 不利マッチを覆し、5-2で二日目確定
 《スクルレヴの巣》を毎ゲーム出されたものの、《冥途灯りの行進》が駆けつけてくれ、一回もダニトークンを出させなかった事が勝因
 この試合のMVPは間違いなく《冥途灯りの行進》。


■8試合目:ラクドスミッドレンジ

https://melee.gg/Decklist/View/400157

 《ドロスの魔神》4枚、《無謀な嵐探し》4枚、これらをバックアップするメイン《強迫》3枚、《魂の洞窟》3枚と非常に攻撃的なラクドスミッドレンジ。
 この《無謀な嵐探し》4枚が見えた瞬間、このアプローチには素直になるほどと感心しつつ「マジか……」と頭を抱えた。

ヴォエ!!!

 こちらが後手で2ターン目《税血の収穫者》、3ターン目《魂の洞窟》人間指定から《無謀な嵐探し》。ヴォエ!

2マナ出ます!

 しかしこちらは《沈んだ城塞》込みの《皇国の地、永岩城》で対処。このシーンがここ二日間で一番噛み合った瞬間だと思う。

 《喝破》を構えていたところに二枚目の《魂の洞窟》、指定ファイレクシアンから《ドロスの魔神》。
 《不穏な火道》と共に殴りかかってくるところで《冥途灯りの行進》をピッチコスト込みのX=4で唱え追放するなど、ジリジリとライフを詰められながら凌いでいく日々。

対ミッドレンジの女神

 ライフが6まで詰められたところで《放浪皇》を引き、何とか-2能力で延命しつつ、さらに二枚目の《放浪皇》が駆けつけてくる
 女神様、ありがとうございます。

 30分ほどの熱戦の果てに《記憶の氾濫》フラッシュバックまで到達し、こちらの手札が潤沢になったところで相手が投了。


 2ゲーム目では《ヴェールのリリアナ》《腐食の荒馬》《未認可霊柩車》等が入ってくるようになるが、根本的にはビートダウンであるため《無謀な嵐探し》が絡まなければこちら有利という認識。

 《魂の洞窟》は出てこず、5マナで即《移り気な放火魔》キャストに《喝破》を合わせるなど順調な滑り出し。

 並ばれたところでもトップ《太陽降下》で4/4の培養トークンを生み出し、《大洞窟のコウモリ》への《無謀な嵐探し》の誘発に対しても《ティシャーナの潮縛り》。
 《放浪皇》もおり、盤石な盤面が出来つつあるところに《ヴェールのリリアナ》から-2能力。4/4の培養トークンか《ティシャーナの潮縛り》の二択。

ドモ! 1/1ッス!

 しかし《ミレックス》込みで土地を4枚立てていたため、《ミレックス》を起動してダニトークンを生贄にしたところ、相手が《ミレックス》の存在を忘れていたのか頭を抱えてしまう

 これによって盤面が膠着し、《記憶の氾濫》で《金属の徒党の種子鮫》、《太陽降下》を引っ張ってきたところで延長ターン。
 この時点で1-0であり、盤面もこちらが優勢かつ相手の手札も1枚しかなかったため時間切れによる勝利。


 8試合の結果、2-2から6-2のサブマリンで29位の二日目進出
 二日目を全勝の4-0ならばTop8、3-1でもプロツアー権利が見えてくる戦績。

 とはいえ、2023年11月のチャンピオンズカップファイナルラウンド2シーズン1でも同じ一日目6-2から二日目1-3という散々な結果だった。
 さらに言えば初めて二日目に進出した2022年11月のサイクル1でも5-3から1-4という非常にひどい結末であり、二日目通算が2-7の勝率22%

 そのため、そこまで期待しておらず「まだまだ柵の中で遊べる~~!」という思いだった。


 夕食を済ませ、たまたま同じホテルを取っていた調整メンバーであるマラソンマンさん、キツネさんにご協力いただき、対4cレジェンズの練習。

 やはりキーカードである《大スライム、スローグルク》と《見捨てられたぬかるみ、竹沼》のエンジンがかかってしまうとリソース負けしてしまうため、《ティシャーナの潮縛り》や墓地対策で止めてリソース勝負に勝つ必要があるなと改めて再認識。

 練習もほどほどに寝ようとしたところ、キツネさんから「これどうぞ」と差し出されたヤク……もとい、キューピーコーワヒーリング錠

 ありがたくいただき、服用したところまさかの熟睡。翌日の朝までぐっすりで、これまでにない快適な目覚め。驚くぐらいの効果だった。

 効果は私が保証する。というかもう買った


▼チャンピオンズカップファイナル二日目

■9試合目:エスパーミッドレンジ フィーチャーマッチ

https://melee.gg/Decklist/View/399630

 最大の仮想敵再び。一日目ではどうしょうもない負けだったが、フィーチャーマッチでもあるしこちらではしっかりプレイしていこうと気合を入れた。

 エスパーミッドレンジの勝ち方はこうするんだよ! と言わんばかりなムーブに対し、こちらはキーカードである《記憶の氾濫》をラストターンまで一切引けず、土地ばかりが並んでいくという悲しみを背負った結果となってしまった。

 特に2ゲーム目では《フェアリーの黒幕》1枚を嫌々《一時的封鎖》で対処したら追加の《フェアリーの黒幕》が2枚も出てくるという悪夢っぷり。
 この時の表情や《告別》を唱えた時の命乞いの瞬間は我ながら傑作だと思うので、是非録画を見てみてほしい。

《フェアリーの黒幕》を二枚出された時の顔

 この敗北により6-3。これでTop8の目はほぼなくなったと言ってよく、これからはロスタイム。出来るところまでやっていこう、と割り切るようになった。

 ちなみにこの対戦相手のNoah Maさんは元MRLの強豪であったことを後から知った。とても気さくで良い方だった。


 また、ここで再び加藤健介さんと遭遇。「今の戦績はどう?」と声をかけていただき、「先ほどフィーチャーでまた負けてしまい、6-3です……」と返したところ「PT権利は16位までだから8-3-1ならワンチャンあるよ、頑張って!!」といった激励をしていただいた。

 このおかげで肩が楽になり、気持ちも切り替えて次の試合に臨めたように思う。ありがとうございます。


■10試合目:エスパーミッドレンジ

https://melee.gg/Decklist/View/399988

 再度エスパーミッドレンジ戦。今度こそ!

 今回は《腐食の荒馬》2枚がメインから採用されており、コントロールやティムールランプなどに対してやや意識を割いているであろう構成。

 噂をすれば早速《腐食の荒馬》。
 メイン《冥途灯りの行進》で対処しつつ、のらりくらりとやろうとしたところ、こちらのエンド時に《フェアリーの黒幕》から《大洞窟のコウモリ》。
 手札には《三歩先》3枚、《廃墟の地》、《放浪皇》。

 もちろん《放浪皇》を追放され、《三歩先》のルーティングモードで回答を探そうとするとドローされてしまうな……と悩みながらドローしたところ、なんと《放浪皇》女神再び

 相手のアタックに合わせて祈りながら《放浪皇》を唱え、これが通り《大洞窟のコウモリ》を追放し《放浪皇》を戻す。

 無事7枚目の土地にも到達し、《放浪皇》と《三歩先》を構えられる状態になり、そのまま《太陽降下》や《記憶の氾濫》フラッシュバックまで辿り着いて《放浪皇》による蓋で勝利。
 勝利した時点でのライフは3点、まさしく薄氷の勝利であった。


 サイドボードでは《ティシャーナの潮縛り》が3枚に加えて《クチルの側衛》2枚も入ってくるため、青白コンが苦手とするクロックパーミッションプランを遂行しやすい形となってしまっている。

 2ゲーム目では《大洞窟のコウモリ》から瞬速クリーチャーによるクロックパーミッションプランをきれいに遂行され、順当に敗北。


 3ゲーム目の細かい内容は覚えていないものの、こちらの《放浪皇》に対して相手の《ティシャーナの潮縛り》、それに対してこちらの《ティシャーナの潮縛り》で止めてそのまま盤面を固め、勝利したと記憶している。

 対エスパーを意識した《エルズペスの強打》も強く使え、練習の成果が出た内容だった。


■11試合目:ボロス召集

https://melee.gg/Decklist/View/399640

 ここで来るか、ボロス召集。個人的には有利認識だが、決して油断できない相手。

 運命のダイスは……11! 相手は3、まずは第一段階突破。

 ハンドを見ると土地1枚。さすがにマリガン。
 相手は7枚キープ。心の中で頭を抱える

 マリガン後の手札が《ミレックス》《廃墟の地》《不穏な投錨地》《ティシャーナの潮縛り》《集団失踪》《喝破》《太陽降下》。
 ここにきて色が出ない!! せめて《喝破》が唱えられるなら遠慮なくキープできたのだが。

 7枚キープなので《冥途灯りの行進》《一時的封鎖》は最低でも欲しい。ただ先手でダブルマリガンはしたくない……
 ここではリスクを取り、次のドローが縦置きかつ色が出る土地であることを祈りながら《太陽降下》をボトムに。

 《不穏な投錨地》をタップインした後、運命のドローは《記憶の氾濫》。天を仰ぎながら《廃墟の地》を設置しゴー。

 当然ながら《ヴォルダーレンの美食家》から《上機嫌の解体》、そして《魂の洞窟》人間指定から《イーオスの遍歴の騎士》
 そして引っ張ってきたのは…………

やあ!
やあ!

 はい。

 人間指定の《魂の洞窟》から《イモデーンの帳簿兵》が2ターン連続で飛んできて無事死亡。
 今思えば普通にダブルマリガンをすべきだった。ここは反省点の一つである。

ボロス召集への特攻。エンチャント破壊は勘弁な。

 メインボードの先手で取れなかったのは非常に痛かったものの、サイドボードでは《一時的封鎖》が4枚になる

 さらに3枚《ティシャーナの潮縛り》で《ウラブラスクの溶融炉》《イモデーンの帳簿兵》《ゴバカーンへの侵攻》といった厄介なものを睨める事から相性的には有利から揺るがないという認識。


 2ゲーム目では初手に《喝破》《一時的封鎖》《集団失踪》満点
 《ゴバカーンへの侵攻》も飛んでこず、そのまま対応し続けライフ18のまま《記憶の氾濫》から《放浪皇》に繋がり終了。


 3ゲーム目も相手ノーマリガン。3回連続でノーマリガン!?
 こちらは土地1枚であったためマリガンし、マリガン後が《一時的封鎖》2枚、《集団失踪》、《ティシャーナの潮縛り》
 2マナアクションがないものの、《一時的封鎖》2枚で《ゴバカーンへの侵攻》ハンドであっても対応可能ということでキープ。

 《内なる空の管理人》から《魂の洞窟》人間指定、《毅然たる援軍》。ここまでは予定調和で、その次がどうなるか。
 7枚キープであれば《イーオスの遍歴の騎士》か、あるいは《ゴバカーンへの侵攻》のどちらかは必ずあるはずだが……

選ばれたのは《ゴバカーンへの侵攻》!

 《ゴバカーンへの侵攻》。よし!!!!!!!! 心の中でガッツポーズ。

 公開される2枚の《一時的封鎖》、今度は相手が頭を抱えるフェイズに。
 仕方なしで《一時的封鎖》が追放され、その返しに片方の《一時的封鎖》で一掃。

 再度繰り出される《ゴバカーンへの侵攻》。今度は《ティシャーナの潮縛り》を指定。
 《イモデーンの帳簿兵》で《ゴバカーンへの侵攻》を裏返してくるものの、ドローが《一時的封鎖》。そのまま唱え、次ターンに《集団失踪》で相手の攻め手がなくなる。

 こちらの手札に《イーオスの遍歴の騎士》を除去できる札がなくなったところで《イーオスの遍歴の騎士》をX=0で2回唱えられ、並んだところに《記憶の氾濫》。

 記憶が氾濫する中、そこには幾度なく救ってくれた《集団失踪》が

 必要なカードが全て駆けつけてくれた結果の勝利であった。

 これで8-3の21位になり、プロツアー権利が目前まで迫る。

 11ラウンド目終了時点でオポネメントが下から2番目で、トップ8はほぼ確定。

 しばしば対戦するモダン神の内藤さんと遭遇し、「権利繰り下がりあるよ!!」と声をかけていただき肩の力が程よく抜けた状態に。重ね重ねありがとうございます。
 プロツアー権利保持者はテルテルさんと原根さんの二人。つまり18位までがプロツアー権利

 IDをするには最低でも他の3卓が勝負する必要があるが、オポネメントが60%以上ある8-3ラインの方はおそらくID。
 IDをしてもお互いに落ちる可能性が高いラインであり、結局プロツアー権利を賭けた真剣勝負を行う事となった。


■12試合目:ドメインランプ

https://melee.gg/Decklist/View/399749

 運命の最終戦はドメインランプ。
メインで《完成化した精神、ジェイス》を入れてることからその分だけ有利の認識。

 《豆の木をのぼれ》から息をつかせる暇も与えずに脅威を連打されてしまうとかなり厳しいものの、それでも焦らず一つ一つ対処していけば《完成化した精神、ジェイス》でライブラリーアウトを狙える相手である。

 1ゲーム目は2ターン目《豆の木をのぼれ》をしてこず、こちらのハンドも《推理》2枚《記憶の氾濫》1枚の潤沢なドローソースがありこの時点でほぼ勝ちを確信

私のMTG始まりの地であるミント横浜の名前が入っているこれを愛用しています


 とはいえここから負けるのもまたマジック

 歯は見せずに《記憶の氾濫》を筆頭としたドローソースで土地を伸ばし続け、懸念点であった《装飾庭園を踏み歩くもの》や《怒りの大天使》も1枚しか出てこずこれも《冥途灯りの行進》や《集団失踪》などで対処。
 お互いにディスカードを行うまでの長期戦になり、こちらの土俵に。

 《魂の洞窟》天使指定から《偉大なる統一者、アトラクサ》を唱えられるもののこちらのハンドには《放浪皇》《冥途灯りの行進》《三歩先》《三歩先》《太陽降下》、墓地にも《記憶の氾濫》。

 十分に対処出来るハンドであったため10枚めくるのを気楽に眺めてから《冥途灯りの行進》X=7で対処。

 《群れの渡り》はサイクリングで2枚消費しており、残りの2枚も《太陽降下》《三歩先》で対処。

 相手のライブラリーが残り15枚ほどになったところで《偉大なる統一者、アトラクサ》、《装飾庭園を踏み歩くもの》、そして《魂の洞窟》人間指定から《イモデーンの帳簿兵》で勝負を仕掛けに来る。

その誘発能力、打ち消します

 そこに《記憶の氾濫》で確保しておいた《ティシャーナの潮縛り》を合わせる。そのまま返しで《集団失踪》、相手の勝ち筋がほぼ消滅したため投了。

 この時点で残り20分、2ゲーム目で時間切れ勝利も狙える時間帯に。
 とはいえ相手への敬意は忘れずに、プレイ速度を可能な限り上げる。


 2ゲーム目、《装飾庭園を踏み歩くもの》から土地を伸ばしたところで《魂の洞窟》ファイレクシア指定《金属の徒党の種子鮫》。そこに《冥途灯りの行進》で合わせる。

地味に青白コンで嫌な一枚

 そこから土地が7枚になり、《装飾庭園を踏み歩くもの》に4点ずつ削られ、《怒りの大天使》も出てきてライフが残り4点に。なんとか《集団失踪》で対処する。
 《豆の木をのぼれ》が1枚も出てこず、相手の手札も残り3枚とリソースが尽きかけ状態に。相手の手札には《力線の束縛》を筆頭とした除去と予想。
 手札には《船砕きの怪物》があり、《放浪皇》で圧をかけ《力線の束縛》を使わせる。

 2枚目の《金属の徒党の種子鮫》に対して《集団失踪》を切ったところ、《力線の束縛》《長い別れ》を空打ちし6/6と2/2の培養トークンが出て絶体絶命

 6/6培養トークンの起動に合わせて《ティシャーナの潮縛り》で止める。そして返しで《長い別れ》。6/6培養トークン起動、そのままアタック……

 《放浪皇》が追放されている《力線の束縛》に対し、残り2マナで1枚しかない虎の子の《失せろ》
 これが通り《放浪皇》の-2能力で対応し、なんとか生き長らえる。

 相手は地図トークンを起動し、トップはここで《豆の木をのぼれ》。これをトップのまま保持。

 次ターンに《豆の木をのぼれ》キャスト後、そのままターンエンド。

 そこに乾坤一擲の《プライム・マイアラーク・クイーン》こと《船砕きの怪物》を繰り出す
 手札には《ティシャーナの潮縛り》もあり、《力線の束縛》にも対応できる。

 この時点で相手のライフは28点

 《力線の束縛》もなく、無事こちらのターンに。

 アタック、残り21点

 2枚目の《豆の木をのぼれ》、そして《向上した精霊信者、ニッサ》。

 これには《放浪皇》を唱え、《船砕きの怪物》でバウンスするも2ドローされる。
 《力線の束縛》は引けなかったようで、こちらのアタックで残り11点

 《イモデーンの帳簿兵》の出来事《兵団の訓練》。
 相手2枚ドロー。

 《ティシャーナの潮縛り》、《船砕きの怪物》でバウンス。

 再度《イモデーンの帳簿兵》の出来事《兵団の訓練》。
 相手2枚ドロー。

 こちらの手札にはインスタントで動けるカードが《ティシャーナの潮縛り》1枚しかおらず、《力線の束縛》を持たれていた場合はかなり厳しくなる。
 これを通し、エンド時に《ミレックス》起動。

 ドローは《放浪皇》
 これまでにもここぞという所で駆けつけてくれた女神が再臨なされた

 相手の立っている土地は2枚。盤面には騎士トークン2体、《豆の木をのぼれ》2枚、《洞窟探検》、《力線の束縛》。墓地に《力線の束縛》1枚。
ライフは残り11点。手札は《豆の木をのぼれ》によって7枚。

 こちらの盤面は8/8の《船砕きの怪物》、1/1のダニトークン、3/2の《ティシャーナの潮縛り》、2/3の《不穏な投錨地》、そして忠誠度2の《放浪皇》。
 手札は《放浪皇》《太陽降下》《ティシャーナの潮縛り》。土地は11枚。ライフは残り6点

 相手の手札に《力線の束縛》がなければ、手札の《放浪皇》《ティシャーナの潮縛り》の2枚で2体の騎士トークンをバウンスしてからフルアタックで勝利する。

 しかし、しかし…………万が一《力線の束縛》があったら……?

 《船砕きの怪物》が追放され、出来事領域にいる《イモデーンの帳簿兵》の速攻付与で敗北するだろう。
 手札も7枚あることから、《怒りの大天使》なども引かれている可能性が高い。

 この時点で延長ターンに。
 プロツアー権利が懸かった大一番、さすがに長考に入る。

 《力線の束縛》があるとしたらおそらくブロック指定後に《力線の束縛》を打つはず。
 トランプルもないため、《力線の束縛》を持たれている前提で動くならばここは攻撃のみに留めるのが正着のように思う。

 そうでないと《力線の束縛》を持たれた時点で敗北するからだ。
 しかし、《力線の束縛》はすでに2枚見えている。残りライブラリーも30枚程度、確率的には半々といったところ。だが、《豆の木をのぼれ》によって齎された7枚の手札がある。

 もし《力線の束縛》を持っていなければ、オールインで勝てる。だが、持っていたら負ける

 ドメインランプでこの盤面を返せるカードは《群れの渡り》《偉大なる統一者、アトラクサ》《怒りの大天使》。土地は12枚で、2回ぐらいしかアクションできない
 こちらの手札には《放浪皇》と《ティシャーナの潮縛り》の2枚があり、対応自体は可能。
 《船砕きの怪物》さえ生き残れば返しでは負けないはず。リスクを取らない選択肢もあり得る。

 永遠に等しいような体感時間と思考の果てに、リスクを取らない選択を取った。

 《不穏な投錨地》をアクティベートし、《放浪皇》でダニトークンに+1/+1を載せてフルアタック

 当然ながら騎士トークンで《船砕きの怪物》と《ティシャーナの潮縛り》をブロックし、《力線の束縛》があるかどうかの確認。

 《力線の束縛》、なし。失敗したか。

 相手のライフは残り7点
 こちらの起きている土地は7枚。《放浪皇》と《ティシャーナの潮縛り》を両方とも唱えられる状況でターンを返す。


 相手も同様に長考。延長2ターン目であるため集うジャッジ、そして柵の一番端であったため、柵の外にギャラリーが集うのが横目に見える。そこには私の友人たちもいた。

 長考の末に相手が出した答えは、《偉大なる統一者、アトラクサ》

 《放浪皇》を唱え、《船砕きの怪物》で呪文をバウンス
 相手2枚ドロー。

 そして《洞窟探検》によってトライオームをアンタップインで置き、最後の残り土地6枚を捻り、《魂の洞窟》天使指定から……

《怒りの大天使》

最後の一枚である《ティシャーナの潮縛り》

《船砕きの怪物》によって呪文をバウンス

 土地はフルタップ、相手の盤面にはこの怪物を止めるものはもういない。

 柵の外にいた友人たちが湧くのが見えた。


プロツアーおめでとうございます

 対戦相手からスマホのメモ帳に書かれた言葉と共に手を差し出され、硬く握手を交わした。



9-3、13位。
プロツアー権利獲得。


 以上がプロツアー権利を獲得するまでの道程だ。

 アゾリウスコントロールを使う上で危惧していた引き分けがなかったのが一番よかった点。
 ここは間違いなくパイオニアで培ってきた経験値のおかげだろう。

 ラウンドの間で様々な方々に声をかけていただき、気楽に楽しむ姿勢で臨めたのも大きかった。ありがとうございました。


・最後に

 こうして夢の一つであったプロツアー権利を獲得でき、感無量の思いである。
 お祝いのお言葉も山ほどいただいた。本当にありがとうございました。


 次の舞台はアムステルダム。
 だが、日程が非常に厳しい。あと1ヵ月しかないハードスケジュール。
 さらに個人的な諸事情もあって物理的な参加すらも困難な状況であるため、可能であれば次のプロツアーに権利を繰り越せないかをお願いする所存である。


 最後に、これまでに出会った方々、大会でお世話になったジャッジの方々、大会の運営を担っていただいている店員さんやスタッフの方々に改めて感謝の意を申し上げたい。
 あなた方との出会いがなければ今の私はいませんでした

 本当にありがとうございます。
 これからもよろしくお願いいたします。


 競技マジックを経てマジック・ザ・ギャザリングを楽しみたい
 私はこれからもこの思いを胸に、このマジック・ザ・ギャザリングというゲームを楽しみ続けるだろう。



Let's Enjoy Magic!





 本記事「Let's Enjoy Magic!」 チャンピオンズカップファイナルシーズン2ラウンド3/9-3 13位 プロツアー権利獲得」はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。
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