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人生を競争だと考えている人には、"永遠に平穏はやって来ない"。/『明けない夜が来ることはない』槇原敬之

人生を競争だと考えている人には、"永遠に平穏はやって来ない"。

競争をして順位をつける世界では、100人いれば、99人は必ず負ける。
一位だったその人も、別の場所に行けば必ずいつかどこかで負ける。

競争を煽るということ。

例えば塾のような場所にいる大人たちが、子どもたちに競争を煽るならば、
そこにいる子どもたちに、"自分(たち)には永遠に平穏がやってこない"ことを暗に示してしまうことに、もっと自覚的にならなければならない。

残念ながら人生は競争ではない。

人生は、まるでゲームのようなものでもあり、役割を演じる舞台のようでもあり、道を歩む僕らに、興奮や悲しみや喜びを与えるだろう。
時にそれが競争のように見える瞬間、場面もあるだろう。

しかし人生それ自体は、断じて"競争そのもの"ではない。

考えてみてもらいたい。

不安に苛まれ"自分の人生は、一体どんな人生になるのだろうか"と答えを探し求め彷徨い歩くのではなく、

"自分こそが自分自身の人生に答えを与えるのだ"という態度をとる時、

果たして、それが競争のような体をなすだろうか、と。

適切な態度で人生と向き合うことで、
僕らは自身に平穏が訪れることを知るだろう。

『明けない夜が来ることはない』

フランクルの「夜と霧」をも連想させる言葉である。

僕らは、艱難辛苦のその道の中に、わずかな希望を見出し、そのわずかな希望の中に未来を見る。

長くなったが、胸を打つ、槇原敬之さんの、この曲を紹介したい。

特にイントロからの流れは素晴らしすぎる。(アルバムバージョンではなくシングルバージョンがおすすめ)

このイントロからAメロにかけての、音数の少なさと静けさ、そこに流れる"したたかな力強さ"が、この曲を象徴しているように思う。

ふと何かを思い出したように、時々聴きたくなる、そんな曲。


以下、歌詞を引用。


窓に映るのは一つ 頬杖を付きながら
明けない夜を信じてしまいそうな僕だけ

同じような過ちを誰もが持っているのは
他人を許せる広い心を持てるため

窓の外に植木の葉の先にふるえる朝露
一滴の水も誰かと分け合いたいと今思える

この暗闇を切り裂くように光の筋が走って
この心で生きていく世界に明ける事のない夜はない

槇原敬之『明けない夜が来ることはない』



「明けない夜が来ることはない/槇原敬之」


(おわり)

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