#英国史
オペラ《王様の会議 Le Congrès des rois》(1794)
1794年、イギリス首相ウィリアム・ピットはジャコバン派の台頭したフランスの状況について語る中で、こう述べた。
「(パリでは今)ローマ教皇の結婚など、あらゆる茶番が上演されている」
理性崇拝を掲げ、キリスト教教会の破壊に及んだ国民公会は、国王ルイ16世を断頭台で処刑したのみならず、公共のモラルや社会的常識までをも覆した。
こうした中、劇作家や音楽家は時世の要求する作品を猛スピードで書き上
「この世に永遠の敵は存在しない」:小ピットの言葉とオペレッタ《コシチューシコ》
1786年にイギリスとフランスが長年の敵対関係を解消して通商条約を締結したとき、当時のイギリス首相ウィリアム・ピットは「この世に永遠の敵は存在しない」と議会で述べました[1]。イギリスとフランスは非常に長い間敵対関係にあり、両国の間に灯る憎悪の炎は消すことができないと思われていました。ところが、ピット首相は通商条約によってこの関係を改善させ、共にに財政危機を乗り越えることを目指し、議会に承認を求
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