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授業参観、若手教員はどう向き合う?

 延びに延びたが、ついに迫って来た授業参観。学校の設備と、教員と生徒の日常を保護者の皆さまにお見せする時期だ。今日は若手教員が授業参観にどう向き合うか、というテーマで書いていきたい。

1.まず、大前提として

 保護者の皆さまは、「自分の子ども(生徒)がどのような様子で過ごしているか」を見に来ている方が大半。つまり、教員の粗探しをしに来ているわけではない。従って極度に緊張する必要はない。ただし、当日のスムーズな授業運営のために事前に仕込みをしておくことは大切だ。僕がやっている準備は次の通り。

①授業参観2週間前からいつもより少し授業態度の指導を引き締める

 僕は基本的に内職等は口うるさく咎めはしない。教員が支配的に管理するのは嫌いだからだ。しかし野放しというわけにもいかない。それとなく注意したり全体に向けて諭して「それでもやるなら勝手にどうぞ」と言うと大抵生徒はやめてくれるので授業参観前を引き締め週間にしている。2週間位それを継続すると授業参観の頃には生徒たちも慣れてくるので、ちょうどよく落ち着いた教室の雰囲気が完成する。

②使用する教材、教科書の予告をして、忘れ物を防ぐ

 授業参観当日に単元開きをするなら最も力を入れるべき項目。「家にあります」「ロッカーに忘れました」という声が沢山上がるクラスは、保護者の皆さまを不安にさせる。なるべく早めに予告して、当日の忘れ物ゼロを目指そう。皆がしっかり持ち物を持っていれば、「教員と生徒のコミュニケーションがとれている」ことの証になる。

③当日の手の挙げ方の打ち合わせ

 なるべくたくさんの生徒を当てようと考える教員も多いだろう。そんな時、生徒と手の挙げ方の打ち合わせをしておくとよい。「当ててほしくないけど、保護者の方には手を挙げている姿を見せておきたい」という生徒は少なからず存在する。

2.授業計画を作成しよう

 普段綿密な授業計画を作らない人も、若手であるなら特に授業計画を作っておいたほうがよい。指導案を作成する必要はないが、①大まかな時間配分 ②簡単なト書き ③板書案 の3点は考えておこう。また、普段使わない備品(プロジェクターなど)を使用する場合は、使用申請書や鍵の場所、セッティングの流れを確認しておこう。

 生徒が書いたワークシートの共有や、図像を見せると生徒は盛り上がるし、保護者の皆さまも生徒がどのような活動をしているのかが分かって好感触だ。学校の教育設備をお見せする機会にもなるので、様々な教具を積極的に活用しよう。

 とはいえ、予定では難なく通過するはずの発問になぜか躓いて大幅に時間がかかってしまう事もあるので、臨機応変に対応できるようにしよう。あまり授業計画に固執することがないように。生徒が納得していないのに無理やり計画通りに授業を進めようとするのは普段であってもご法度なのだから、授業参観という特殊な環境では尚更やるべきではない。

3.当日の心構え

①身だしなみ

 僕はなるべく事前に髪を切る。(ボサボサ頭の若手教員の心象が良いわけがないので。)盲点なのが爪だ。爪を切ろう。あとは皺のないスーツとシャツにネクタイでどうにかなる。直前に歯をホワイトニングする同僚もいる。

②教材の用意

 僕は使用する教材のコピーを数部廊下に置いておく。(「国語は教材が無いと何が何だか」という声を受けたため。)前日までに刷っておいて、当日「使用する教材です。お持ちください」と書いた紙とともに椅子の上に設置すると丁寧な印象を与えることが出来る。

③授業中の出入りに関して

 保護者の皆さまの中には、兄弟が同じ学校にいる方、予定の関係でどうしても途中入りor抜けされる方がいる。その日自分の子どものクラスの授業はないが、子どもが話していて気になった先生の授業を観に行く保護者の方も少なからずいらっしゃる。途中で抜けられたとしても、「自分の授業はつまらないのだろうか」などと悲観する必要はない。もしかしたら「この先生は心配ない」と思っていただけたのかもしれないのだから。教員が気にすると生徒も保護者の皆さまの動きに気を取られてしまうので、あまり気にせず授業に集中しよう。

④保護者の皆さまへの対応

 廊下ですれ違ったら必ずご挨拶すること!!!!(別の若手教員が挨拶しなかったとかで指導されていた。)当たり前のことは当たり前にやろう。「こんにちは!」で十分なのだから。

 授業後に保護者の方からお声がけ頂くこともある。生徒の普段の様子を伝えつつ、にこやかに対応しよう。生徒と保護者の方の関係性を知れる良い機会であるし、こちらの授業をどのように思われたのかを知れるチャンスでもあるので、コミュニケーションをとっておこう。

⑤授業中の態度

 いつもの1.2倍くらいの声を出して、元気よく授業をしよう。教科の担当が若手教員だと不安に思われる保護者の方もいる。せめて元気よく明るい授業空間を作って、不安要素を取り除こう。

4.授業参観の後は

 まず、授業参観の日に生徒に発表をさせた場合は、その次の授業で生徒をたくさん褒めてあげよう。いつも以上に緊張したはずだ。そうでなくても、「元気よく発言できたね」「あの質問は良かったよ」「聞き取りやすい声で音読できたね」など、振り返りながら褒めてあげると生徒は喜ぶ。

 学校によっては保護者の皆さまにアンケートを書いて頂くこともあるだろう。あまり良くないことを書かれても、気にしすぎないこと。ただし、ご指摘はしっかり受け止めよう。僕は「板書の字が下にいくほど小さくなって気になった」というご指摘を受けたことがある。実際そうだったので、改善した。ありがたいご指摘だったと感謝している。

5.授業参観、恐るるに足らず!

 ほとんど備忘録になってしまったが、若手教員の僕がどのように授業参観に向き合っているかを書いてみた。誰かの参考になれば嬉しい。授業参観は確かに緊張するが、自分を見つめ直す良い機会だと思えば怖くない。授業参観という非日常空間を楽しんでいこう。

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