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高畠熱中小学校事務局 おすすめ図書15選 (第12期授業のふりかえり)

 こんにちは、高畠熱中小学校事務局の長谷川です。普段あまり熱中小学校スタッフとしてブログ書いていないのですが、色々と紹介したい事があるなと思い熱中小学校の内容で記事にしています。という事で今回はオススメ図書の紹介です。
 熱中小学校の授業の際には、先生の著書やおススメの図書を用意して、事務局内で予習や復習させていただいているのですが、とても良い本ばかりなので皆さんに知ってもらいたいと思い今回記事にしてみます。ちなみに高畠熱中小学校は現在第13期生徒募集中ですので、興味のある方は是非HPご覧になってみてください。


という事で改めて本の紹介させていただきます。

「大丈夫、働けます。」

 4月10日に授業いただいた、成澤俊輔先生(NPO法人FDA理事)の著書。 
 人に言えない障害やメンタル不調を抱えた方と成澤先生の出会いやその先の社会復帰の様子を漫画を交えて描かれています。続いて成澤先生ご自身体感された視覚を失っていく過程と葛藤、そして今に至るまでのお話。そして実際にFDAで行われている就労支援のお話やそのポイントとなるノウハウが書かれています。障害だと思っていたことが強みになる、多様性こそが新しい時代の切り口になるそんな事を感じさせていただく本でした。


「人新世の資本論」

 5月8日(土)に授業いただいた仙道富士郎先生(介護老人保健施設 紅寿の里施設長)の推薦図書。
 SDGsやカーボンオフセットなんて大きなテーマだけが掲げられる中、このままの資本主義の流れで根本的な変革なく大丈夫なのだろうか。そんな疑問に対して現在の社会や取り組みに対して根本から欺瞞を暴き否定し、やっぱりそうだよねと感じさせてくれる一冊。ただ本書に書かれたことを踏まえた上で、そうは言っても思い通りにならないであろう事も多く、実際に一人一人が取り組むべきことは何だろうと考えさせられます。仙道先生からは是非熱中小学校でも、未来へ向けた取り組みを実践していって欲しいなんてお話もいただきました。


「超図解・新しいマーケティング入門
~“生活者"の価値を創り出す「博報堂の流儀」~」

 5月22日(土)に授業いただいた、兎洞武揚先生(㈱博報堂ブランドデザイン副代表)の参考図書。
 一般的によく用いられているマーケティングの基礎的なお話や図解から、博報堂ではどのように取り扱っているか等が書かれた本、授業の中でもこれからの時代Purpose(社会的存在意義)が重要になってくるというお話がありましたが、そういった部分も図解されています。


「博報堂のすごい打ち合わせ」

 同じく兎洞武揚先生の参考図書。
 「正解より別解」を大切にする博報堂のすごい打ち合わせの本、博報堂の打ち合わせの50%は雑談で出来ているという話から始まり結構驚きでした。新しい発想は頭の中ではなく会話の中から生まれると書かれており、雑談にこそ意義があるからこのバランスとなっているそうです。一方で筋道立てて決められる事やまとめられる事についてはきちんと体系化され、スムーズに完結できるように用意されています。本当に重要で面白い発想が生まれるパターンは様々です。そのきっかけとなるルーティンや質問の仕方など実践的な工夫が沢山あり、プロジェクトをまとめたりすることの多い方にはとてもおススメです。


「12歳の少女が見つけたお金のしくみ」

 5月22日に授業いただいた泉美智子先生(子どもの環境・経済教育研究室代表)の著書。
 泉先生が「子供のためのお金セミナー」行われていた際に、出会った小学6年生の少女の「モノの値段を考える」というレポートが元になって書かれた本との事で、セミナーから15年越しに出版されたという想いのこもった一冊です。当時の少女が書いたレポートをベースに漫画を交えながら素朴な疑問からお金について色んな視点で捉えて考えていくという内容です。大人も改めて考えさせられますし、絵が多いので子供にも読みやすい本です。


「節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本」

 こちらも泉美智子先生の著書。40万部超えのベストセラー本です。
 「お金の超基本」とあるように、お金を稼いだり増やしたりという以前にそもそもお金って何だっけとか、お金の機能という所から入って、実際には人それぞれにあるお金との向き合い方が書かれています。「大人のリテラシー」というのが表紙にも書かれていますが、ただ闇雲に稼ごうとか殖やそうという発想ではない基本的であり本来的な内容が書かれています。


「日本疫病図説: 絵に込められた病魔退散の祈り」

 6月12日(土)授業いただいた菊地和博先生(東北文教大学人間科学部人間関係学科特任教授)の参考図書。
 現代のような医療や生物学や科学的見地の無い時代の社会において、はしかや疱瘡など流行り病に対してどのように向き合い対応してきたかという事を今に残る絵や伝統文化を交えて紹介している本。アマビエ伝説のお話や赤べこと天然痘のお話など、身近だけど実は知らないエピソードなども書かれています。カラーの資料が読みやすい一冊です。


「SDGsが生み出す未来のビジネス 」

  6月12日に授業いただいた水野雅弘先生(株式会社TREE 代表取締役)の著書。
 SDGsが大事とはよく言われるようになりましたが、SDGsが実際にビジネスの現場でどのように役立つかというお話と実践例が17のゴール毎に丁寧に書かれています。SDGsの項目の多くは一人一人にとって重要とは思えず他人事かもしれませんが、共有して目指すべきテーマであることは変わりません。SDGsにせよ脱成長にせよただ掲げるだけのテーマやメッセージで留まっていては意味がありません。地球や人類の持続性と人の普段の営みを結び付けるにビジネス化し、実践されている事というのはとても重要に思います。


「ブルーチーズドリーマー 世界一のチーズをつくる。」

 6月26日(土)に行われた伊勢昇平先生(伊勢ファーム社長)の著書。
 夏は30度以上、冬はマイナス30度を超え、後継者問題が深刻になる江丹別の地で伊勢先生がブルーチーズドリーマーとして世界一のチーズを作ろうと思い立ったきっかけと、実際に納得の行くものが出来るまでの葛藤、軌道に乗ってきてからの展開が書かれています。最後に現在進行形で江丹別で行われている「世界一の村づくり」についても触れられています。江丹別は熱中小学校姉妹校としても活動いただいているので、ユニークな拠点として今後更なる発展にも期待ですね。

「人類と建築の歴史」

 6月26日(土)に授業いただいた渋谷達郎先生((株)アーキテクチュアランドスケープ一級建築士事務所 代表取締役)のおすすめ図書。
 マンモスを追いかけて来た時の「住い」の形のお話、磨製石器が誕生し、木を切り倒せるようになった事から農業が広がり、家が作られるのもここからという話から人類と建築のお話が始まります。そこから現代に続く建築のお話となりますが、「森を大量に殺したのは、十九世紀以降の近代工業ではなく、自然破壊の現在は農業にある。」というような一節もあるように、信仰や環境そしてその時々の暮らしについてもダイナミック想像し言及しており、未来の暮らしを考える上でもとても興味深い本です。


「研究者が本気で建てた ゼロエネルギー住宅
: 断熱、太陽光・太陽熱、薪・ペレット、蓄電」

 こちらも渋谷先生のおすすめ図書、こちらの本の著者の三浦秀一先生も熱中小学校の講師であり何度か高畠でも授業をいただいています。
 研究者として三浦先生が2011年8月に完成させたゼロエネルギー住宅のお話を住宅のエネルギー自給と快適さの両立やバランスのお話を書かれています。家の要素一つ一つについてデータを交えながら、実際の使い勝手と共に詳しく述べられています。特に冬の寒い山形でのエネルギー消費を考える時、熱と電気のバランス等については重要なポイントと感じます。


「グラスホッパー」

 7月10日に授業いただいたアフロりゅうじ先生のおすすめ図書。
 youtuberをやるうえでストーリー作りというのがとても重要で、小説を参考にする事が多いという事で、伊坂 幸太郎さんの名作小説グラスホッパーを紹介いただきました。私も大学時代に読みましたが、一見バラバラなストーリーがどう繋がってくるか、後半にかけての疾走感が楽しい作品です。

あらすじ
妻の復讐を目論む元教師「鈴木」。自殺専門の殺し屋「鯨」。ナイフ使いの天才「蝉」。3人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!


「資生堂で学んだまごころの仕事術」

 7月24日(土)に授業いただいた関根近子先生の著書。
 関根先生ご自身が資生堂の美容部員として学び実践されてきたまごころの仕事術。現在では「歩いたあとに一輪の花を咲かせたい」そんな言葉をモットーに活動される関根さんの現在に至るまでの苦労や葛藤を交えながら「おもてなしの心」の大切さについて書かれています。ズボラな私からすると多く普段考えない着眼点にハッとする事が多くありました。


「最強の野菜スープ 40人の証言  (がんや感染症に負けない免疫力&抗酸化力をつける)」

 7月24日(土)に授業いただいた山口美香先生の参考図書。
 野菜に含まれるファイトケミカルと呼ばれる化学成分は抗作用を持ち、細胞の老化予防が期待できるほか、代謝の促進、免疫力向上、脳機能の強化などその種類によってさまざまな働きがあると言われています。多種類の野菜の成分を効率よく摂取するために、スープにする事がおススメされています。その他野菜の持つ多面的な健康効果について野菜の色ごとにどのような効能の違いがあるか紹介されています。ただ山口先生の授業では食べるのが一番よく学べるとの事でした(笑)


「サイボウズ流 テレワークの教科書」

 8月7日(土)に授業いただいた松村克彦先生(サイボウズ株式会社 社長室クラウドソーシャルデザイナー)の参考図書。
 「チームワークあふれる『社会』を創る」事を企業理念に掲げて来たサイボウズが、自社で培ってきたノウハウを元に、テレワークの種類や導入の仕方、テレワーク導入による多面的な効果について書かれています。オンライン会議やテレワークについても大分一般的になってきましたが、改めてICTの力を最大限に活用するヒントが沢山書かれている本です。


高畠熱中小学校の図書室の利活用も検討中

 という事で、第12期高畠熱中小学校をきっかけに今期入荷した本の紹介でした。授業当日もそうなのですが、授業をきっかけに事務局として予習、復習をしてて考えが広がるし深まるなぁと改めて感じている所です。ちなみに紹介の所で著書、おすすめ図書、参考図書と分かれていますが、著書はそのままの意味で、おすすめ図書は打ち合わせや授業で推薦いただいた図書、参考図書は授業前後で学びを深める為に事務局で検討し購入した図書です。授業によって冊数もまちまちなのですが、今後は各回1冊は紹介できるようにしていく予定です。オンライン読書会というのは最近すごくいい発明だなと感じた所なのでこれもやっていきたいですね。

 オンラインが多くなり現地で集まるのも難しい中、高畠熱中小学校の図書館の利活用についても様々検討中です。そもそも、以前から貸し出し管理などに手が行き届かなかったり、入校期によっては受けた事の無い先生の推薦図書だったり、また紛失したりという事もあるので、今後いい感じにアップデートしたいなと思っています。要望や反響があれば本の紹介とか貸し出しも力入れていきたいと思いますので、生徒や関係者の方でご意見があれば是非コメント等いただければ幸いです。

高畠熱中小学校生徒募集中、詳しくはHPをご覧ください


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