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味噌つくり実験 レポート

味噌つくりの実験
 ここ数年色んな形で味噌つくりの活動に参加させてもらったりしているのだけれど昨年は実験的にいろんな味噌を作ってみた。食についての探究、これも色んな方向性があるだろうけれど、私の場合は一つだけ自分で食べ物を作るとしたらなにかと考えた時に行きついたのが味噌だった。
 田舎で仙人みたいな暮らし、または孤島でサバイバル的な生き方をしよう考えた時に、米と豆、塩と乾燥した魚や肉あたりを備蓄、その辺で採取できる野草等や野菜などを時たま採取して生活するだろうなぁとそんなところに発想に至った。で味噌に至っては米麹、豆、塩のみで構成される事を考えると、これ一つでほとんど必要な要素を満たせるじゃないかとはたと気づいた。山形県の南側エリアのご当地の食べ物として味噌と砂糖ともち米を練りこんで作る「みそもち」なんてのもあるが、改めて考えると凄い到達地点だと思う。
 しかしもっと味噌だけもりもり食べて生活できないかなぁとそんな風に考える、でも味噌を積極的に食べるとなるとどのようにどれくらいが適量なのか中々イメージが難しい。
 とりあえずある程度減塩した方が沢山味噌を食べられるんじゃないかという事塩分濃度を変えたものをいくつか作ってみた。この辺の塩分濃度については普通の味噌は10~12%とされているので8,10,12.5の3つで実験的に作ってみた。麹は1分づきの玄米麹。大豆については北海道からよく使われるユキホマレ、黒豆、地元の秘伝豆の3種で実験してみた。ちなみにケースはダイソーの保存容器、1L程度のもの。塩についてはこだわるなら天然塩が良いが今回はひとまず精製塩を用いた。自分の好みの味かどうかと毎日モリモリ食べられるかというのが一番気になるポイント。
 しばらくこれらの味噌を主食とした食生活とかしたらどうなるだろうとか気になっているがそれはまた別にでやるとして、今回はそれぞれどんな出来になったか書いていく。

今回仕込んだ味噌


2023年2月12日に仕込んだ味噌
2023年2月12日に仕込んだ味噌

各種感想

①分量シンプル田舎味噌(麹歩合10歩、濃いめ12.5%)
 雑菌の繁殖が少なく光り輝く見た目、ピリッと染みる塩辛さ、刺激的な味噌汁やスープを作るのにおススメ。塩分が多いとやはり雑菌の繁殖は押さえられるので長期熟成や失敗のない味噌づくりにはいいかも、沢山食べるのには全然向いてなさそう。

②分量シンプル田舎味噌(麹歩合10歩、普通10%)
 シンプルイズザベスト、味噌汁に入れてもそのまま食べてもバランスがとりやすい。そのまま沢山食べるにはこれでもちょっと塩辛すぎるので、もうちょっと薄い方がいいかも。そもそも用いる塩の問題も改めて考える必要を感じた。

③分量シンプル田舎味噌(麹歩合10歩、減塩8%)
 ここまで減塩するともっと雑菌が繁殖した感じになるかと思ったが、重石代わりに使った塩の周辺の黒ずみが前述のものより増えた程度で全然許容範囲、大量に作れば入り込む余地も減りそう。しかしながら1年以上の長期熟成には向かなそう。味噌汁に使うにはちょっと薄すぎるかなという感じもするが、そのまま食べるにはこのくらいの方が良いかもしれない。むしろもっと塩分を薄めても良いかもしれないが、それは今後の課題。

④関西風味噌(麹歩合20歩)塩分10%
 麹が多くて甘めという事で関西風としたが、実際の所分量は各地によっていろいろ異なるっぽい。麦麹とかもあるし。味はちゃんと甘くなっていて、あぁこんな感じに変わるんだという事を実感できた。あと麹の量が増えた方が色が濃くなっているのも以外な発見だった。

⑤関西風味噌(麹歩合20歩)塩分8%
 塩分も減らしているのでちゃんと甘い、田楽的な感じで用いたり、たっぷりときゅうりにつけたりするのによさそう。食べる味噌的な事を考えた時に一番イメージに近いのはこのお味噌で、おやつのように食べる事もある程度想定できそう。

⑥分量シンプル田舎味噌(黒豆バージョン)塩分12.5%
 手作りの味噌って腐敗していないかどうかが重要、そう考えた時黒豆は見た目でのデメリットが大きすぎる、黒い皮が何か悪い菌か変なものを混ぜたように見えてしまう。味は大豆とはちょっと違うなとは思えるが、そこまで大きく変わる事はなかった。塩分は濃すぎて味がわかりにくかった。

⑦分量シンプル田舎味噌(同上、秘伝豆バージョン)塩分12.5%
 秘伝豆は普通は枝豆で食べる緑の豆だが、感想させた状態でも美味しい。秘伝豆の味は大豆と比較するとやっぱり枝豆の風味の名残りのようなものが残っていて、これがいい感じのアクセントになる。味噌にするとどうかというとやっぱり大豆で作ったものとは明らかに違う味がする。ただ変な味ではなくなんか美味しい、そもそも荒つぶしなので枝豆感も多少残る。ご当地感のある癖のある味を出すならコッチかも。

⑧秘伝豆の豆板醤
 ついでに作ってみた副産物的なものだけど、美味しいかどうかで言えばこれが一番おいしかった。本来豆板醤はそら豆で作るのだけれど、枝豆でもちゃんと美味しい、というかちょっとしたアクセントになっていて手作りしがいがある。最近辛みが欲しい炒め物にはとりあえずこれを加えていた。食べれるようになるまでは一か月~という事で味噌よりお手軽でより失敗のないのも良い。唐辛子もその辺にあった適当なものを用いたが、今度はちゃんとした唐辛子を用いて作りたい。唐辛子が入っている都合上長期熟成に向くので、熟成された高級豆板醤を今度食べてみたいなとそんな事を思った。

番外編 ジップロックであまりを混ぜたやつ
 加工したあまりを全部混ぜてジップロックに入れて一緒に置いてみた。色もそうだけれど納豆みたいなかおりと、なんかやばそうな味がしたので廃棄した。

まとめ
 結果として②の普通のレシピ、⑤の甘めのレシピ、⑦の秘伝豆を用いたレシピがいい感じかなぁという結果だった。あと豆板醤は普通に美味しかった。実際のところ6%くらいまではやっている味噌屋もあるみたいなので、今度はそのあたりも実験してみたい。
 開封してからこれを書いている最近は味噌を食べまくっている、白湯で溶かして沢山のむのが一番いい、けれどさすがに塩分取りすぎ感がある、自覚症状はそこまでないけど流石に体にはあまりよくなさそう。
 料理も含めて自分で作る事のメリットは中身に色々こだわれるところだけれど、あくまで自分の健康だけを考えるなら、作るよりも全体の献立やレシピを科学的に沢山のレポートも集め、総合的に考えていく方がよいかもなーなんて思う今日この頃。自分で作るとどうしても食べすぎちゃう。
 ただしこの辺で手に入る素材の良さはピカ一なのでもっと地域の素材とか文化を元に最高の献立を作って、都会に暮らす人でも気軽に食べられるような商品化する。そんな事をプロジェクトとしてやりたいなー。という事で味噌つくり実験のまとめレポートでした。

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