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あたらしいニッポンのかたちを考える1



 世の中の価値感が、有形資産から無形資産へシフトしていく時代。人材教育では、データ分析やデジタル技術を学んだ方が良いという声をよく聞く。これからそれらを学び、遥か先を行く中国やアメリカに追いつき、追い越す。僅かな可能性を探らなければならない。しかしそうでなくとも、日本には日本らしい形があるんじゃないかなぁ。

 今まであったモノやサービスがデータ化されると、単純に考えて、産業がなくなる。製造工場や販売店舗は必要なくなるし、働く人もいなくなる。しかも、形を持たないデータは管理するのにも手間がかからない。そうなると日本で労働者が得る給料はどんどん減っていく。人は基本的に給料所得からモノやサービスを買うわけで、当然市場は狭くなる。

 これからの社会は、多くの人が貧困化していき、モノが少なっていくと予測できる。

 そうなると、我々消費者はどうするだろうか。明らかにお金を使う回数は減るだろう。お金をかけるものは、自分にとって本当に必要なものにだけに絞られるし、今まで以上に満足するものを選ぶようになるだろう。

 消費者を満足させるのは、本物のモノやサービスだ。それらは、くらしに必要なものであり、人がゆっくり時間をかけて1個ずつ丁寧に作り上げたものたちだ。野菜だったり、器だったり、衣だったり、空間だったり。消費者は、この人がこだわって作ったものが欲しいと思う。

 格差社会から貧困化が広がり、市場が縮小され、人口減がさらに加速するなら、最終的には「本物」しか残らないじゃないかなぁ。そう思う。

続く

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