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パーソナライズサプリメント『FUJIMI』をマーケティングトレースしてみた

こんにちは。まっすんです(@massun_subsc
こちらの記事では、トリコ株式会社が行っている「カスタマイズサプリ(パーソナライズDtoC)について分析した結果をまとめたいと思います。

出典:通販通信より

日本のマーケットでもパーソナライズ化粧品の市場規模は大きくなってきています。株式会社富士経済の調べによると、2020年の市場規模は119億円を見込むほどとのこと。(*コロナの影響で少し下がっていますが、今後も成長傾向にありそうです)

この記事を通して、トリコ株式会社(fujimi)の商品コンセプトの考え方などをまとめたいと思います。これからECなどをご契約の方に少しでも参考になればと思います。

トリコ株式会社について

まずは、簡単にトリコ株式会社についてまとめです。

■トリコ株式会社/会社概要
会社名:トリコ株式会社
所在地:東京都新宿区新宿1丁目16−9 3F
設立 :2018年04月24日
代表者:藤井 香那
資本金: 1億8,600万円
事業 :プロダクト事業、メディア事業

上記のような理念のもと、活動しているDtoCベンチャー企業です。

メインサービスは、パーソナライズ商品。無料の肌診断を受けられた会員データ数は「50万人分」を保有する点を踏まえると、サービス利用者数は**万人に上るのではと思っています。(同じパーソナライズDtocであるメデュラ15万人、カラリス1万人)どのようにこの「fujimi」というブランドは出来上がっていったのでしょうか?

誰に向けたサービスかを明確にする

まずは、「fujimi」は誰に向けられたサービスなのか。トリコ株式会社の代表取締役である藤井さんの話は下記のようです。

サプリメントって、胡散臭くてダサいイメージがありませんか?その印象、根本から変えていきたいんです。もっとスタイリッシュで、おしゃれなものをつくりたい。

メインターゲットは、肌に悩んでいる女性でかつ、ダサいサプリを飲んでいるのはいやだ、自分に最適なサプリメントを使用したい方向けのサービスと仮説が立てられます。これをジョブ理論に基づいて紐解いてきます。

ジョブ理論の全体像は上図です。ジョブ理論とは、「人がサービスを購入する理由は、自分の不満(ニーズ)を解決するため」という、人が商品やサービスを買う行為の背後にあるメカニズムを、論理的に説明するための理論です。

これに基づき、ターゲットの不満(ニーズ)を洗い出します。

顧客のゴールは「日常生活を自分らしく過ごしたい(幸福追求ニーズ)」であり、そのために「キレイになりたい」と思っている方です。自分自身のゴールを実現しているために肌トラブル(しみ、しわ、くすみ etc)を解決したい顧客がメインターゲットと考えられます。

さらに顧客の不満を紐解いていくと上図の3つのニーズを抱えていると考えられます。この不満(ニーズ)を解決する商品であるなら、顧客に選ばれる理由となるわけです。

顧客理解から商品コンセプトを作り上げる

商品コンセプトを作り上げる1つのやり方として、上図のような「顧客インサイト」から商品USP(独自性)を考えて、コンセプトを作り上げる方法があると思っています。

こちらのフレームワークに要素を当てはめて考えていきます。

(1)想定ターゲット:
美容意識が高い女性

(2)消費者インサイト:
   ①数ある商品から商品を選ぶのは面倒、どれが良いの?
   ②「あれ飲んでいるの?」って言われたくない(店頭で並んでいる商品はダサい」
   ③(外側の)ケアはやっている(他になんかないの?)

(3)USP
   ①美容診断から作る、自分専用のケア商品
   ②デザイン性が高い、かっこいい
   ②持ち運んでも恥ずかしくない
   ③体の内側からキレイになれる美容サプリメント
   ③**成分が〇〇をカバー、サポートしてくれる、専門家監修

(4)商品コンセプト
日本初、専門家が監修した美容診断から作る、肌トラブルを解決する「私だけの」美容サプリメント

(5)裏付け、根拠
50万人の肌診断データベースを蓄積、専門家監修、洗練されたデザイン

商品コンセプトが出来上がったら、既存商品とのポジショニングを確認する

次に市場に出ている商品との独自化を図るためにポジショニングを確立していきます。「fujimi」がとっているポジショニングは、【デザイン性の高いおしゃれな自分だけの美容サプリメント】です。

他商品を考えてみると、「しみ」「しわ」「ダイエット」などのお悩みに訴求をした商品や、特異成分が配合されたことを訴求している商品。
また、通販市場では、「縛り」「初回特価(無料etc)」などの消費者側には少々購入しにくい、あるいは「本当に効果があるの?」と思わせるような商品が多いのではと思います。

その中で、他商品とは違ったブランド認知を顧客側に発信しながら販売している例であると考えています。

サプリメントや健康食品は、化粧品と全く異なる状況にあると思っています。化粧品は「パッケージが可愛いから買う」「持っているだけで嬉しいから買う」のような場面があると思いますが、一方で健康食品はコンプレックス訴求、マイナス訴求で「ダサい」「うさんくさい」イメージがありますよね。

ほとんどの企業が、パッケージ等に「はり」「潤い」などの便益を伝えている販売方法だが、「fujimi」の場合は、少々違う。「美意識が高いからこそ、パッケージに大きく「ハリ・コシ」「美肌」と書かれていると手を出しにくい。洗練された存在でありたい気持ちがありながら、美しくなるためのサプリメントを遠ざけてしまう」という顧客心理をうまく汲み取ったデザイン、商品展開ができている点が他者とのポジショニングの違いだと思います。

ブランド訴求をすることで高い収益性を実現した設計になっているのでは?

商品の販売方法は次の通りです。

通常商品:8,000円
定期商品:初回 4,980円、2回目以降 6,400円

原価情報などを高く見積もっても、投資コストは4-5ヶ月内に回収できる設計になっているのではと思います。
*また、お客様情報を獲得する手法が直接購入の他に、「無料肌診断」なので、CPAを下げている要因にもなっているのではと推測

商品原価、販売手数料、送料、資材、受注手数料などを踏まえた収支シミュレーションをすると、12-13ヶ月目に黒字転換するような事業設計なのではないかと考えています。
前提条件としては、平均よりも少々低い「残存率」で計算しているため、こちらの数値が改善(もしくはすでに高い)のであれば、収支バランスはさらに改善されて、損益分岐点も変わってくるでしょう。

広告媒体は、SNS広告、アフィリエイト、運用型広告を活用

それぞれの広告媒体の活用方法は上記のような形です。
強みは、ペイドメディアによる広告だけではなく、「オーガニック」「Instagram」を活用したプロモーションができていること。

オーガニックによる流入に関しては、「肌診断」などのKWで上位表示されているため、自然にユーザーを集められる仕組みができている。

また、Instagramのアカウントである「スキーナ」はフォロワーが19万人もあるメディア。

ファネルごとにさまざまなメディアを活用できている点、自社メディアを保有している点も優位点の一つでしょう。

まとめ

簡単ですが、「fujimi(トリコ株式会社)」についてまとめました。
これからも、市場は大きくなるでしょうし、広告のあり方、表現の仕方なども法律含めて変わっていく中で、今後どのようにサービス展開していくのか非常に楽しみな企業です。

これからもしっかりとウォッチしていきたいと思います!

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